追憶-業-
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攘夷戦争。そんなモノが終わって早十年。
長い夜をもう十年も過ごしている。
松陽先生を失ったあの後、弟子達は解放されたが、女の身である私は奈落によって連れられ、何処か場所も知れぬ星へと売り飛ばされた。
その星で奴隷のような生活を送り、解放された後で私を拾った何処ぞの星のお偉いさんに間者として扱われた。
敵の情報を得る為、身体を使ったりもしたが、そんな生き方に嫌気が差し、その星を逃げ出した。
それからは、星を転々とし、情報を売って生きていた。
そうしている内に、情報屋と呼ばれるようになっていた。
「貴殿が情報屋の
「えぇ。ご依頼かしら?」
「あぁ。この情報をとある人物に渡してほしい」
情報に関わる事なら運び屋にもなった。
「場所は?」
「地球は江戸だ」
「……………………引き受けたわ」
この十年、地球には近付いていなかった。
戻る機会なら沢山あったにも関わらず。
故意に避けていた。
「…以上の情報を集めていただいたら、地球の江戸に持ってきてください」
「分かったわ」
通信でのやり取りに密かに溜息を吐いた。
こんな偶然ってあるのかしら。
現在引き受けている依頼は三件。そのどれもが江戸に立ち寄らなければならないモノだなんて。
戻れと云っているの?
私に、地球に…江戸に戻れと。
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