乱れ心
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嫉妬なんて、クダラナイ感情だ。
信じているならヤキモチなんて焼く必要無いでしょう?
嫉妬なんて、クダラナイ感情。
ある曇天の日。
一仕事終えて船に戻った私の眼に、何時ものあの光景が飛び込んできた。
「晋助様ぁ~!訊いてくださいよ~」
「………」
また子が晋助に嬉しそうに駆け寄って行く姿。
そんなまた子を晋助が視線で迎え入れる姿。
彼女が晋助を敬愛しているのは衆知の事実で、それをどうこうなんて誰にも出来やしない。
それは彼女だけのモノだから。
けれど、また子は知らない──私と晋助の事を。
隠しているというわけでもない。ただ、態々報告するのもどうだろうと思っただけ。
それを知った時、また子はどんな反応をするだろう?
泣き崩れる?怒り狂う?───私を憎む?
「でね、晋助様ぁ──」
───触らないで。
「………クダラナイわね」
こんな感情、本当にクダラナイ。
「紫乃。戻っていたか」
後ろからした声に振り返ると、万斉が此方に向かって来ていた。
「今し方ね」
「…どうかしたでござるか?」
「え?何が?」
「不機嫌そうなカオをしているでござるよ」
「……己のクダラナさに嫌気が差していたって処ね」
万斉に気取られてしまう程、顔に出していたなんて。
我ながら小物ね。
「処で、武市さんは何処?」
「彼奴なら部屋におろう」
「有難う。あ、丁度良かったわ。万斉も来て」
「あぁ」
万斉と肩を並べ、その場を後にした。
「………………」
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