Mind
Name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「……………」
「……………」
「……………」
「……………茗子~」
「……………」
ダメだ。怒ってる。
「ねぇ、本当ゴメンって。お願いだから機嫌直してほしいっス~」
ベッドに横たわってどこか一点を眺める茗子をベッドの下から宥めるオレ。
「茗子に無視されんの一番嫌なんスけど」
「…………でした」
「え?今なんて言ったんスか?」
ベッドにもたれて茗子を見ていたら、茗子がぽつりと何か言った。
小さな声で聞き逃したから、聞き返すとやっとオレと視線を合わせてくれる。
「……まさか気を失うとは思いませんでした」
「………だからゴメンて」
「涼太の優しいは、優しくないんですね」
「違うんスよ。アレは、なんというか…自分でも制御不能で」
「では、制御出来るようになるまでセックス禁止でいきましょう」
「っ!!」
いや、茗子がそう言うのも解る。解るけど…。
というのも、茗子が怒ってるのはさっきの風呂場でのコトだ。
理性が切れたオレが暴走して散々ヤリまくった結果、最終的に茗子を気絶させちゃったワケだ。
で、介抱してベッドに寝かせて、目を覚ました茗子が事態を把握して、こうなった。
実質2回目のセックスで激しめプレー…いや最初からヤラかしちゃってたけど、まだ不慣れな茗子にとって過ぎる快感は辛いらしい。
喘いでいたけど、本気で嫌がってもいた。
それ知ってて、でも止めらんなくて?
で、茗子にセックスに対して嫌悪感持たれて?
禁止発言って……
「オレのバカ」
「…………」
「茗子のコト大事にしたいのに…何やってんだオレ」
「本当ですよ。涼太とヤる度に動けなくなっています」
「……ごめん」
もう謝るしかない。大事にしたい気持ちと触れたいって気持ちがどっちも強すぎて、オレもちょっと興奮しすぎてる。
本当、自制しなきゃダメだ。茗子のコト壊したくないし。
「……はぁ」
俯いていたら茗子から大袈裟な溜息が漏れた。見れば、何故か苦笑いしてる。
「今日はもう寝ましょう?」
「うん…じゃあ、電気消すね」
部屋の明かり消しに立って、暗くなった室内をベッドのほうに歩いた。
「茗子、オレが言うのもなんだけど、身体休めて」
ベッドに片膝着いて布団をかけてあげて、おでこに音付きのキスをした。
そして、その場を離れる。
「どちらへ?」
「オレはソファーで寝るから」
「それはダメです」
「っ!?」
離れる前に手首を掴まれた。
驚いて茗子を振り向くと、慣れ始めた視界の中で茗子が上体を起こそうとしていた。
「ああっ、無理しないで」
「涼太もベッドで寝てください」
「え…いや、でもソレは…」
「涼太こそちゃんと身体休めなきゃ駄目ですから」
「そう言ってくれるのは嬉しいけど…」
「涼太がソファーで寝ると言うのなら私は床で寝ます」
「ソレはダメっス!」
「では、ベッドで寝てください」
「………」
迷う。スッゲー迷う。
茗子に他意なんてないのは解るし、オレだって反省したばかりだ。
でも、好きな子を目の前に耐えられるかって聞かれたら自信がない。
さっきあんなにしたのにって?…年頃の男の性欲ナメんな。
ってワケで、オレは今狼なワケ。可愛い羊ちゃんをいつでも食べたいワケ。
「心配しなくても大丈夫ですから!」
グイッ──っと、強めた語気と共に腕を引かれた。
「おわっ!」
全く予想してなかったコトにオレの身体は簡単に引っ張られてベッドにダイブ。茗子の隣に倒れ込む。
すると、すぐに茗子が布団をかけてくる。
「ちょっ、本当マズイって!オレ達は今狼と羊であって、また──」
「また…明日から勉強頑張りましょうね」
「…へ?」
慌てふためくオレに飛びっきりの笑顔を向けてくる。
そして、オレを見つめ、ニタリと…本当ニタリと笑みを変えた。
「明日からの5日間、みっちり教育してあげますからね」
「…………え」
「明日からは今日の比じゃないですから、欲情してる暇もありませんよ?」
そんなヒールな笑顔でなんの呪文唱えてんの?
「覚悟してくださいね?涼太」
ハートを付けた呼び方をされたけど、素直に喜べねー。
「では、おやすみなさい……チュ」
楽しそうにおやすみのチューもされた。
「お、おや…すみ…」
でも、抱き締め返したりキスを返したり、イチャつきたいっていうそんな気持ちは起きなかった。
本当だ。心配しなくても大丈夫だった。今、完全に欲が消えた。
ヤベー……羊、オレだ。
そして狼は、茗子。
喰われるというか、いたぶられそう。
ヤバイ…マジ地獄の5日間になる。
勉強見てって頼んだのオレだけど…
誰か助けて…。
1/4ページ