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「ねぇ、茗子~」
「なんですか?」
放課後、教室でミカとカードゲームをしていると改まって呼ばれた。
「リョータとはどうなの~?」
「皆さんのお蔭で清き交際をさせて頂いていますよ」
お互いに5枚のカードを手元に持ち、要らないカードを捨ててカードの山から捨てた枚数のカードを手繰る。
「そゆことじゃなくて!てか、付き合ってんのにあんま一緒にいなくない?」
「クラス違いますし、涼太は部活で忙しいですからね」
「休み時間とかも一緒じゃないじゃん?なんで?」
「一緒に居る事を重要視していませんから」
「ちょっと茗子!」
バン!と、机を叩かれてビックリした。
思わず手元のカードを溢す所だった。危ないなあ、役がバレちゃうじゃないか。
「…なんでしょうか?」
「そんな余裕ブッこいてたらリョータなんてあっという間に誰かにトラレちゃうんだからね!?」
熱の籠ったミカの気迫に圧される。
「茗子より綺麗な子はたくさんいるし、イイ女なんて全然多いからね!」
「………」
「ちゃんとつなぎ止めないと捨てられるよ!?」
まるで自分の事のように切迫したミカの様子に、私はただ心地好さを覚えた。
私を此処まで心配してくれる友達が居る。それだけでも充分だと思える。
「捨てられないように精進します」
「……うん!よしっ。じゃあ、リョータにカッコイイモデル仲間の紹介頼んでよ」
「………はい?」
「リョータが紹介してくれるモデルなら誰でもいいよ。あ、やっぱちょっとザイル系な人がいいかな」
「あ…それが狙いですか」
やっぱり私の友達は私の友達だ。心配はするが、ちゃっかり利も得る。
「リョータとくっついたんだからそれくらいしてよ」
頬を膨らませて抗議するミカに苦笑が漏れた。
「解りました。涼太に聞いてみます」
「やたぁ~!」
「では、ショーダウン」
両手を上げて喜ぶミカから溢れ落ちたカードに私も手札を机に出した。
「あ゙っ…」
「ミカはトリプルセブンス。私はAのフォーカード。私の勝ちですね」
「あ~~っ、負けたぁ!」
悔しがるミカを後目に隣の机に置いてあるお菓子を奪うように取った。
そして、鞄を持ち席を立つ。
「あれ?もう帰るの?」
「いえ、涼太の所に」
「なになに?話題したらヤリたくなっちゃった~?」
うん。今日も素敵にサイテーだ。
「ミカの頼み事の件ですよ。善は急げと言うでしょう?」
「茗子~~~っ!!マジ大好き!!」
「私も大好きです。では、さようなら」
「うん!イイ報告しか聞かないからよろしくね~!」
ミカの声に声を立てて笑いながら教室を出て、体育館に向かった。
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