Jam
Name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翌日、昼休み。
廊下を進む。いや、なかなか前進しねぇ。
女の子達に囲まれて、通してと言っても次から次へと来る。
今日ばっかりは流石にウザく感じる。
けど、なんとか辿り着いた目的地。
謎の疲労感にドアにもたれて、中を見る。
「茗子いるッスかー?」
大きな声で呼んでやれば、クラスも廊下もざわめき立つ。
女の子達が悲鳴やら悲しげな声やら上げるが、知ったこっちゃない。
というか、逆に見せつけてやる。オレが誰を好きなのか。
「あの…」
「ん?あれ?アンタ…」
「茗子なら教室にはいない、よ?」
遠慮気味にオレの前に立ってそう言ってきたのは、茗子と一緒にいたあの子だ。多分、ゲーム仲間の友人だろう。
「いないんスか?」
「うん。学校には来たんだけど、朝からずっとサボリ」
茗子って本当不良だよなぁ。堂々とサボりって。
「どこいるか知らないッスか?」
「えっと………」
「ん?ああ、じゃあ耳打ちお願いするッス」
彼女がチラッとオレの周りを見たから言い淀む理由が簡単に分かる。
聞き耳立ててる女の子達に聞かれるのはマズイ。
というか、そういう配慮が出来るような子だったコトに感心する。
「えっ?あ、じゃあ…あの、失礼します」
顔を赤らめて、かがんだオレに顔を寄せてくる彼女。
周りから悲鳴やら怒号やら飛んでくる。
「茗子がよくサボる場所は──」
周りが煩すぎて彼女の小声も聞き逃しそうだった。
「ありがとう。行ってみるッス」
「あ、リョー……いや、黄瀬君!」
「なんスか?リョータでもいいっスよ」
「ううん。黄瀬君…」
礼儀も意外としっかりしてるみたいだ。
いや、意外なんて言い方は失礼か。
このウルサイ女達なんかより全然好感が持てる。流石は茗子の友達といったところかな。
付き合う友達にこそその人となりが現れるんだよな。
「こんなコト言えた義理じゃないけど、茗子のコトお願いします」
ペコッと頭を下げる彼女に自然と笑みが溢れた。
茗子の言うサイテーなゲームをしている人間なのに、根っこ見れば友達想いのいい子だ。
それは、茗子も同じ。
「茗子の大事な友達から頼まれたんじゃ断れねっスね」
そう彼女に返してから、オレはギャーギャー騒がしい女達の中をペネトレイトするみたいに素早くすり抜けていった。
「えっ!?黄瀬くーん!?」
「ちょっ、きせりょ消えた!!」
「涼太ぁー!」
オレを見失った女達の声をバックにオレは廊下を走る。
てか、消えたって…黒子っちのミスディレクションのコピー出来たっぽい!?
なんて、そんなコトはないけどね。
さぁ、行こう。茗子の下へ。
1/3ページ