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『はぁ!?いつ黒子っちとアド交換したんスか!?』
「会ったあの日以外に交換出来る日はありませんでしたよね」
『ど、どっちが交換しようって言ったんスか』
「どちらからともなくですよ。黒子さんがお薦めの小説を教えてくれると言うのでそれならばと」
『出会ったその日にって…ズリー』
「黄瀬さん、黒子さんのアドレス知らないんですか?」
『そっちじゃねーっスよ!ワザとっスか!?』
「え?だって黄瀬さん、黒子さんの事好きですよね?」
『いや、それはもういいっス』
夜。自室で宿題を片付けていたら携帯が鳴った。
鳴らした人物は黄瀬涼太。
笠松さんが間に入って、私との接し方を思い出したのか、早々に戸惑う素振りが消えてまた犬のように話しかけてくるようになった。
そして、この電話。特に用件は無いらしい。
最初は、部活での愚痴に付き合わされた。それから黒子テツヤの話になって、今に到っている。
『で、黒子っちとはどうなんスか?』
「どうとは?」
『いや…仲良くやり取りしてんのかなぁと』
「前にメールしたのは5日前の事ですが」
『あ、そうなんスか?頻繁にしてるワケじゃないんだ』
「そうですね。本を読みたくなった時にする程度です」
『それなら、まぁ安心かな。あんまり仲良くしないで欲しいっス』
「本当好きですね」
『黒子っちじゃないスよ?』
「あ、先に言わないでください」
『やっぱワザとじゃないスかー、もー』
楽しげに笑う声が受話器越しに響く。
と、不意に空気が変わった。笑い声の消えた向こうに呼び掛けようとすれば、向こうで息を吸う音が聞こえた。
『茗子っち……』
「はい」
『──茗子』
「…なんですか?」
切ない声音が私の名を呼ぶ。
『オレ、茗子が好きだから』
「え?」
『茗子がどう思っていようと、オレは茗子が好きなんス!』
「…………ありがとう、ございます」
『うん。じゃあ…今日はこれで。オヤスミ、茗子』
「お休みなさい」
切れた電話を暫く見詰める。
まさか告白されるとは…。
私には関係無い。黄瀬涼太が誰を好きだろうと私には関係の無い事。
私が黄瀬涼太に近付くのは、あのサイテーなゲームの為だけなのだから。
そこに恋愛感情なんて生まれる余地も無いのだから。
「…………好き、か」
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