Unsportsmanlike-Foul
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シュッ…ガンッ!
高く放ったボールが嫌われたようにゴールリングに弾かれた。
「はぁ~……」
「締まってねぇな」
「うわぁ!?……笠松センパイ、来てたんスか」
誰よりも朝早くに体育館に来て練習してたら、笠松先輩が背後に現れた。
30分は一人でいれるかなって思ってたのにやっぱり先輩は早いのな。
てか、先輩の言う通り全然ダメだ。シュートも入んねー。
原因は解り切ってるけど。
「まだ石丸の事で悩んでんのか?」
「…!」
「話、聞くだけ聞いてやるよ」
「マジすか!」
「ああ」
前は全く聞く耳持たなかったのに。
でもいいや。先輩に話せば整理出来るだろうし。
「オレ、茗子っちのコト好きになっちゃったんス」
「………ミイラ取りがミイラになったか」
「ははっ、そっスね。……それで、茗子っちのコトなんスけどね…」
笠松先輩の目に呆れとどこか優しさがあったから、オレは茗子っちとの出会いを話すコトにした。
初めて会ったあの日にヤラせてと言われたコト、この前の保健室でのコト…。
何か反応するかなと思ったけど、先輩は真剣な眼差しで黙ってオレの話を聞いてくれた。
「──オレは、茗子っちが好きっス。だけど、茗子っちはどうなんでしょう。好きな子のコトがなんにも解んないんスよ」
「………………………黄瀬」
長いこと考え込んでから先輩の表情が険しくなる。
「石丸は、お前を好きだとは言っていないんだな?」
「…はい。直接言われてはないっス」
「…………………」
どういう意図の質問か解らずに答えると、先輩はまた腕を組んで考え始めた。
何か引っ掛かるコトでもあるのだろうか。
なんか先輩に黙られると不安になる。
「………黄瀬、ハッキリ言うぞ」
「なんスか?」
その真剣な眼差し、スゴく嫌な予感しかしない。
「現時点でアイツはお前を好きではねぇ」
「え?」
「アイツは曖昧なのを一番嫌う。好きなら好きだと言ってるはずだ」
「……そっ、スか。何となくそんな感じはしてました」
「別に好きになるなとは言わねぇよ。だがな、部に影響及ぼすようなら俺も黙っちゃいねぇぞ」
「…分かってます」
先輩からの有り難い言葉は、オレをヘコますには充分だった。
聞いといてなんだけど、聞きたくなかった。
茗子っちは、やっぱりオレを好きなワケじゃない。
なのにヤラせてってどういうコトだ?
茗子っちに直接聞いたら答えて………はくれないだろうな。
はぁ………難解すぎる七不思議は完全に迷宮入りだ。
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