チョコ好き
Name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それは、数日前の事だった。
「──もう本当勘弁してって感じっスよ」
「それは涼太が悪いでしょう」
「あれは絶対ヒガミっス!」
「さてね。どうだか………」
「もう茗子までそう言うー」
「…………」
「……?」
「…………」
「茗子?どうしたんスか?」
学校帰りに街に寄る事にしたオレ達だったんだけど、ふと茗子がどこか一点を見つめて黙り込んだ。
本当突然黙り込んだから妙に気になって、茗子の視線の先をなんと無く見た。
そしたら…
「………あの店がどうかしたんスか?」
時期的にチョコレートのスイーツが並んだ洋菓子店。
女の子であふれ返ってるけど、茗子とはあまり縁がなさそうでもある。
「いえ。なんでも無いです」
そう言って視線を前に戻す茗子だけど、チョコレートを扱ってる店に通りかかると必ずそっちに気を取られるようだった。
「…バレンタイン近いっスからね」
「え?」
もしかしてバレンタインチョコを考えてくれてるのかなってさりげなく話題振ってみれば、茗子はきょとんとするだけだった。
バレンタインなんて端から興味ありません──そう告げてる。
「オレに用意してくれるんじゃないんスかぁ?」
「………すみません。これっぽっちも考えていませんでした」
「ヒド。…じゃあ、なんでさっきからチョコばっか見てるんスか?」
「………美味しそうだなと思いまして」
「え?」
少し恥ずかしげに答えた茗子に今度はオレがきょとんとなった。
「チョコレート好きなんです」
「へぇ?そうなんスか」
好きだから目が行ってしまってた。その姿を思い出すと普通に可愛い。
普通に女の子だ。
「この時期、街中チョコレートだらけなので堪らないんです」
嬉しそうに喋る茗子のほうが堪らないんだけど。
「じゃあ、どこか入ってみる?」
「はいっ!」
その時の満面の笑みがスゴく可愛かった。
また見たいなって──思った。
1/2ページ