~6月17日
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6月18日……さあ、なんの日だ!
海常の女の子ならほとんどが答えられるだろう。
そして、一人の男の為にこの日まで準備しているだろう。
女の子からはプレゼント、男どもからは妬みの眼差しを貰うんだ。
あー、モテるって大変。
「………………って、イイ気になってたのが遥か昔のようっス」
「え?何か言いました?」
「ううん?独り言」
「そうですか」
今年はもう…他の人の事なんてどうでもいい。
どれだけの女の子にプレゼント貰おうが、どれだけの男に妬まれようが、たった一人の彼女に祝ってもらえればそれだけでいい。
「ねぇ、茗子」
「何か?」
「来週の土曜って空いてるっスか?」
「来週?………空いているようないないような、です」
「どっちっスか、もー」
「バイトが休みになるかもしれないんですよね」
「そうなんスか。…えっと、なんの日か知ってる?」
「土曜…6月18日ですよね?…考古学出発の日ですね」
「………なんスかそれ?」
6月18日……さあ、なんの日だ!
海常の女の子ならほとんどが答えられるだろう。
でも、一番答えて欲しい人はそのほとんどに入ってくれない。
聞かれた事なかったから知らないだろうなって思ってたけど、ほら…ミカちゃんいるし、彼女から話題上がったりして知るんじゃないかなぁって思ったりもした。
…けど、やっぱり知らないんスね。
ちょっと、ほんのちょっとだけ知ってて欲しかったな…って。
「なんの日って聞いたじゃないですか。それがどうかしたんですか?」
「……ううん?なんでもないっス」
「はあ…?」
「それより昨日ね…スタイリストさんから美味しいチョコ貰ったんスよ」
「チョコ?」
「家にあるから今から食べに来ないスか?」
「行きます!」
「食い気味にきたっスね。ほんっとチョコ好きっスよね~」
「はい。さ、早く行きましょう」
「ははっ、そんな慌てなくてもチョコは逃げも溶けもしないっスよ」
教えなかったのは、どうしようもない小さなプライド。
オレは、茗子の好きなモノを知っている。
嫌いなモノを知っている。
誕生日も、家族の事だって聞き出した。
茗子の全てを知りたい。
些細な事でも、小さな事でもなんだって知りたい。
オレはいつだってそう思ってる。
けど、茗子は?
一度だって聞いてきた事はないよね。
オレの好きな食べ物、好きな色、好きな服、好きな音楽。
家族の事だって聞かれてない。
思えば、オレの情報何一つ聞いてくれていない。
だから、ちょっと不安に感じる時があるんだ。
今もまだオレを好きでいてくれているのか。
オレに興味ないんじゃないかって。
オレから茗子を嫌いになるコトなんてない。
けど、茗子は?
興味をなくした瞬間、一気に冷めちゃうような子だ。
嫌いになるコトは充分に考えられる。
いつか飽きられて、フラレるんじゃないか…
それが…不安で仕方ない。
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