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「やっぱ黄瀬ちゃんが一番かなー」
「だぁよね~」
「遊んでそうだけど鉄壁っぽそうでもありますよね、リョータって」
「あたし落とせる自信ねー!」
放課後の教室で、バカ丸出しで騒ぐ5人組の女。
3年生2人、2年生1人、1年生2人という組み合わせ。
「んじゃあ、恨みっこなしのくじ引き行ってみようか」
「よぉし来~い」
「リョータ当たりますように!」
「あたしコレー」
リーダー格の女子が持つ5本の割り箸をそれぞれが掴んだ。
「茗子また出遅れてる。ほら、アンタのこの残りだよ」
「残りものには福来るって言いますからね」
誰も掴んでない1本を此方に向けられて、私は冗談めかしてそれを取った。
「じゃあいい?せーので確認ね。せーのっ!」
このリーダー格の女子は私の中学からの先輩。
なんていうか…まぁ、端的に言えばギャルサーみたいなもののリーダーをやってる。
バカで下品でどうしようもない、この学校の不良少女といったところだ。
そして私も同類。ただの不良少女。
で、今先輩らの中であるゲームが流行っていた。
そのターゲットに選ばれたのが可哀想に、黄瀬という男子。
ゲームというのは、簡単に言えば選んだターゲットと1ヶ月以内にヤレるかという…サイテーでクダラナイ最悪な暇潰し。
誰がその役目を勝ち取るか、それがこの割り箸。まぁ、王様ゲームと同じ要領で、王様─このゲームではハンターと呼ぶ─になった人がターゲットを落とす権利を獲られる訳だ。
「……………」
同時に先輩の手から引き抜いた割り箸の先端をじーっと見つめる。
王様には赤い印が付いているのだけれど…。
「ぎゃーっ!ハズレたー」
「私もでしたー!リョータとヤりたかったのにぃ!」
「残りものには福…ね。今回茗子がハンターね」
「いいなぁ。うらやまし~」
「…………」
皆がそれぞれの反応を示す中、私は割り箸の先端をじーっと見つめる。
その真っ赤に染まった先端を。
「さて、ヤレるかヤレないか…みんなはどっち?」
「茗子だからなぁ」
「茗子ハンターんなんの初めてじゃん?」
「初めてでリョータってハードル高いですよね」
「ん~でもなぁ、茗子だからなぁ」
「あたしヤレないほうにするわ。ぜってー怖じ気づくのがオチ」
「私もリョータとヤるなんて悔しいから願望込めてヤレないほうで!」
「茗子だからぁ…ヤレないで!」
「ありゃ、みんなヤレない方?茗子可哀想じゃん」
「そういうアンタは?」
「……ごっめーん。私も茗子には荷が重いかなって思うからさ」
「やっぱアンタだってそうなんじゃん」
「じゃあ……ヤレたら私の一人勝ちって事ですね?」
「茗子自信あるの?」
「無いですけど、負けるの嫌いなので」
「キャハハッ、茗子らしー!」
「それじゃあ、茗子と私達どっちが勝つか…アンタの度量見せてもらおうか」
「はい」
──とまぁ、こんな感じでサイテーでクダラナイ最悪なゲームが始まった。
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