強さ隠して怖さ隠さず
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とある廃屋。その入口に立つ数人の男女。
月明りが不気味に照らす朽ちた屋敷は、いかにもな雰囲気を醸している。
「えーっと、依頼内容を確認しますね」
口火を切ったのは、新八君。
「数年前にこの屋敷で起きた殺人事件の真相を知りたい──でいいんですよね?」
「うん。ざっくりとそんな感じ」
頷けば、新八君も頷き返してくる。
「そんなのケーサツに任せればいいアル」
物臭に呟いたのは少しおねむな神楽ちゃんだ。
「さっきも言ったけど、警察に掛け合ってもとっくに解決した事件なんて調べる必要ないって」
「犯人も捕まっていますし、調べるも何もないですもんね」
「けど、まだ解明されたワケじゃない。だから、徹底的に屋敷を調べるの!」
「面倒アル」
「依頼金と別で酢昆布5個」
「任せろ!この名探偵神楽ちゃんにかかれば、こんなのあっという間ネ」
「意外と安いな」
友人からの代理依頼ではあるけど、私も一緒に真相を探る。
神楽ちゃんと新八君もやる気充分。
「それじゃあ、行こう」
「私についてくるアル。ワトソン!」
「さ、銀さんも行きますよ」
新八君が後ろを振り返って告げる。
が…
一人、門の外から中に入ろうともしない大人がいた。
「ちょっと銀さん?何やってるんですか?早く行きますよ?」
新八君の声に一瞬ビクッとした銀さんは、私達に背を向ける。
「俺は此処で見張りをしといてやる」
「は?」
「これは立派な不法侵入だ。誰かに見られたら大変だろう?」
「それなら僕が代わりにしてますよ」
「え゙…何言ってんの新八君。俺がやるっつってんじゃん!」
「え、でも…銀さんじゃ逆に目立って仕方ないですよ」
「何それ。自分は目立たないって言ってんの?」
「まぁ、地味なのは認めますけど」
「おいぃぃぃ!将来有望な若者が地味なんて言うんじゃありません!」
「何言ってるんですか」
「おい野郎ども!早くするネ。レディーを待たせんじゃねーよ」
「ほら、銀さん!」
「いや俺は見張りでいいって」
「凛子さんに何かあった時、銀さんが傍にいた方がいいでしょ?」
「う……………」
「ここは僕が上手くやりますから、ね?」
「………わ、わかったよ」
なんてやり取りを経て、とぼとぼと此方に来る銀さん。
なんだけど……うん。今のやり取りでなんとなく察した。
こういうのがダメなんだね?入りたくないんだね?
なんか………ごめんね。
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