温泉宿と言えば…
Name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
カランカラン!
高らかな鐘の音が響いた。
「おめでとう!1等大当たりだ!」
「…………え、ほんとに!?」
商店街の福引きで見事に1等を引き当てた私は、賞品を手に万事屋へ駆け込んだ。
バタバタと居間に上がれば、洗濯物を畳んでいる新八君に定春と戯れる神楽ちゃん、そしてジャンプを読む銀さんが怪訝そうに此方を見てくる。
「当たった!」
「急に入って来たと思ったらなんなの?」
「当たったんだよ!」
「隕石でも降ってきたアルか?」
「隕石じゃなくてコレ!」
「なんですか?その紙」
それぞれ手を止めて私を見てくる。
紙といっても凄く素敵な紙だ。
「福引きで当てたの!温泉宿宿泊ペアチケットだよ!」
ドン!とみんなに見せると、新八君だけがスゴイですねとテンションを上げてくれる。
銀さんと神楽ちゃんはあまり興味が無さそうだった。
「ねぇ、銀さん。良かったら一緒に行かない?」
「俺はパス。温泉宿には懲りてんだ」
「え……………」
まさか断られるとは思わなかった。懲りてるとはどういう事なんだ?
解らないけど、ジャンプに視線を戻した銀さんに断られたなら仕方ない。
「じゃあ、神楽ちゃん…一緒にどう?」
「舐めんじゃねーヨ。私と行きたいなら銭湯にしろヨ」
「え……………」
どういう事?なんで銭湯?
「ソイツ銭湯気に入っちゃったみたいでさ、良かったら今度連れてってやってよ」
ジャンプを見ながら教えてくれた銀さんだけど、興味無さそうなまま。
そんな姿にムカつきながら新八君を見遣った。
「新八君!私と一緒に温泉……」
「そんな事したら僕が殺されちゃいますよ!」
万事屋全員に振られた。
何コレ、涙出そうなほど哀しい。
「なんだよー。折角高級旅館なのに…。色んな効能の温泉が沢山あるって聞いたから楽しみだったんだけどなぁ。部屋に露天風呂が付いてるから貸切で独り占め出来ると思ったのにな」
万事屋に断られたら、あとは誰?お妙ちゃん?
「ねぇ、新八君。お妙ちゃんは……」
新八君にお妙ちゃんの予定を聞こうとした時、
ガシッ!と、チケットを持つ手が掴まれた。
何と思って見ると、銀さんが真顔で隣に立っていた。
「えっと…何?」
「仕方ねぇから一緒に行ってやるよ」
「は?いやいいよ。お妙ちゃんと女子旅するから」
「お妙も忙しいだろうし、俺が代わりに行ってやるって」
「即答で断った奴が何言ってんの」
「それは悪かったよ。温泉宿で大変な目に遭ったコトあるからついな」
懲りてるとは言ってたけど、だからって何?この変わり様。
一体何を企んでるの?
「まぁいいんじゃないですか?最近銀さんも身体張って頑張っていましたし、湯治でもしてくれば」
「お土産買ってきてくれるならその天パ連れてっていいアルよ」
「ほら、コイツらもいいって言ってるし、なっ?」
銀さんがよく分からない必死感出す時って大抵ろくでもないんだよなぁ。
だからといって、頑なに断る理由はないし。
「分かった。じゃあ、銀さん。一緒に温泉行こう」
「よっし!あー、男のロマンがそこに…」
「え?」
「あぁ、いやいや!こっちの話」
「……………」
本当何を企んでるのか。
ここで問い質しても押し問答になるだけだから、気にしないでおくとして、温泉だ!
1/4ページ