幕引き
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祐介は、2階のあかりの部屋へと向かった。
部屋に入れば、あかりは【サユリ】を眺めている。
「ねぇ、祐介……」
「なんだ?」
【サユリ】を見つめたまま呼ぶあかりの隣に座り、祐介は彼女を窺い見る。
「もし、先生が捕まったら【サユリ】はどうなると思う?」
「………押収されるだろうな」
「じゃあ、見納めだね。焼き付けとかなきゃねぇ」
明るい声音だっだが、その横顔が寂しそうだった。
哀を知らないとはいうが、きっと本人が気付けていないだけで、哀しみは感じているだろう。
でなければ、他人の為に闘おうなんて思わない。
細部まで記憶するように見入ったあかりの隣で、祐介は布で包んだ【母の自画像】に視線を移した。
これをあかりに見せてあげたい。本当に【サユリ】を愛したあかりがこれを見たらどんな顔をするだろう?
それを見てみたいと思う。
だが、この作品はパレスから持ち帰ったもの。
見せれば、パレスの事を話さなければならない。
「………………」
祐介は、悩ましげに眉根を寄せた。
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