The Lovers③
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モルガナも楽しみにしてたし、私もみんなと見れる花火大会が楽しみだった。
<──ねぇ、モルガナ。聴こえる?>
自宅で一人、モルガナのいるだろう四茶の方角に意識を向けて呼んでみた。
このテレパシーがどれくらいの距離まで届くのか解らないけど、以前も呼んでみたらしっかりと届いていた。
<おーい、モルガナー?>
<……どうした?ユエ?>
今日もちゃんと届く。
本当、なんでこんな事が出来るんだろう?
<今何してたの?お話しても大丈夫?>
<あぁ、レンが勉強中だからな。ちょうどヒマしてた>
<ちゃんと勉強してるんだね、エラい>
<そういうユエはどうなんだ?マコトにも赤点は取んなって言われただろ?>
<してるよー。赤点は取らないって>
<それならいいが…>
モルガナの高くて低い不思議な声が直接頭の中に響く。
それだけで、独りの部屋でも安心出来る。
<モルガナさ、花火大会に浴衣着てほしそうだったけど…それって杏限定?>
<なっ!…ア、アン殿の浴衣はもちろん見たい…が、ミンナの浴衣も見てみたい>
杏の名前を出すと慌てるのがいつも可愛いなと思う。
男の子だと言うし、もしかしたら年上かもしれないけど、思ってしまうんだからしょうがない。
<私が着ても褒めてくれる?>
<浴衣着るのか?>
<探したらあったから、杏達も着てくなら着ようかなって思ってるよ>
<そっか……それならワガハイが正直な感想を言ってやるぜ>
<え、似合わないとかは言わなくていいからね?>
<大丈夫だ。ユエはカワイイからな。浴衣も似合うと思うぞ>
<あ、ありがとう>
まさかモルガナから可愛いなんて言葉が出るとは思わなかったから、思わずときめいてしまった。
<杏にもそんな事言うんでしょ>
<アン殿は……き、綺麗だと思う、からな…>
私には本当素直に感情を出してくれるのに、杏相手だと恋する男の子全開で微笑ましい。
<ま、それは私も思う。先に杏に綺麗とか言っちゃうかもしれないけど>
<ワ、ワガハイが先だ!>
<どーかなぁ?モルガナ言えるか不安だよー?>
<ワガハイだって男だ。決める時はビシッと決めてやるぜ!>
<それは楽しみだ>
<笑いながら言ってんじゃねーよっ>
<あはは…>
<まぁいい。オマエが元気取り戻したならな>
<え…?>
<寂しくなってワガハイ呼んだんだろ?>
……………………。
本当、ときめいちゃうな。
どうしてモルガナは、そういう事をサラッと言っちゃうかな。
<ちょっとだけね。独りだなって思って…>
<ユエ。確かに部屋に独りかもしれないが、ユエにはワガハイもレンも、アン殿だっているからな。
<そうだね。ありがとうモルガナ>
<おう!>
モルガナに元気をもらって、気合いを入れ直して試験勉強に励んだ。
「遊江!一緒に勉強しよ!?一緒にヤマ張ろ!?」
杏から泣き縋られて、2~3日目の放課後は真も一緒に女子勉強会を開いた。
「解らない所があったら、いつでも聞いていいわよ。解らないままにしないように」
厳しくも優しい真にも教わりながら、なんとか乗り切った。
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