いつもの背中
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「さすがにこれは、大きすぎない…?」
「しゃあないやろ。それしかないんやから我慢せえ」
「女が置いて行った服とかないの?」
「アホ、んなモンあるか」
買い物の最中、突然の雨でずぶ濡れになった私達。どちらかと言えば近かった龍司の家に行き、服を乾かしている間にと服を借りたはいいけど案の定ありえないぐらいデカい。彼シャツどころの騒ぎではない。というより「彼」でもないわけで。
「は~…ていうか乾燥機もないとか…どうなってんの、この家」
「うっさいわ。文句言うなら帰れや」
「この状況で普通女の子にそういう事言う?」
「あぁ?誰が女の子やねん」
「わ・た・し!」
自分の顔を指でさして強めに言ってみたけど一瞥をくれて鼻で笑われる。
「ふ…っくしゅ」
「風邪ひくで。向こういっとき」
服に向けていたドライヤーを私の手から奪って、野良犬にでもするようにしっしっと私を追いやった。本当にこの男は一体私を何だと思っているのか。
敷きっぱなしの布団から毛布を引きずり出し包まってみる。ドライヤー片手に私の服を乾かしている龍司の背中を大きいなあと思いながら眺めていると、毛布からふわりと龍司の香りがして鼻孔をくすぐった。
あの大きな身体に守られて、支えられたい。ずっとそう思ってきたけれど、望みがこれっぽっちもないことが笑えてしまう。
「龍司」
「あ?」
「すき、だよ」
ドライヤーの音でかき消されてしまった4文字を伝えられる日は来るかな。
「しゃあないやろ。それしかないんやから我慢せえ」
「女が置いて行った服とかないの?」
「アホ、んなモンあるか」
買い物の最中、突然の雨でずぶ濡れになった私達。どちらかと言えば近かった龍司の家に行き、服を乾かしている間にと服を借りたはいいけど案の定ありえないぐらいデカい。彼シャツどころの騒ぎではない。というより「彼」でもないわけで。
「は~…ていうか乾燥機もないとか…どうなってんの、この家」
「うっさいわ。文句言うなら帰れや」
「この状況で普通女の子にそういう事言う?」
「あぁ?誰が女の子やねん」
「わ・た・し!」
自分の顔を指でさして強めに言ってみたけど一瞥をくれて鼻で笑われる。
「ふ…っくしゅ」
「風邪ひくで。向こういっとき」
服に向けていたドライヤーを私の手から奪って、野良犬にでもするようにしっしっと私を追いやった。本当にこの男は一体私を何だと思っているのか。
敷きっぱなしの布団から毛布を引きずり出し包まってみる。ドライヤー片手に私の服を乾かしている龍司の背中を大きいなあと思いながら眺めていると、毛布からふわりと龍司の香りがして鼻孔をくすぐった。
あの大きな身体に守られて、支えられたい。ずっとそう思ってきたけれど、望みがこれっぽっちもないことが笑えてしまう。
「龍司」
「あ?」
「すき、だよ」
ドライヤーの音でかき消されてしまった4文字を伝えられる日は来るかな。
1/1ページ