コーヒーカップの底

アークナイツ12章ネタバレと所感そしてサルカズについて①

2023/10/29 00:36
雑記ゲーム
こいつまたネタバレかよとお思いでしょう……そうです、ネタバレです。
今後からネタバレはちゃんとタイトルに明記しますね。
タイトルにネタバレと書くということは、最初から最後まで全部ネタバレです。
12章終盤から最新大陸情報、そして秘録や諸々細かなところまで掻い摘んでつらつらと現在の所感を書き連ねていけたらなと思っています。

ココって、なんのサイトだっけ?って感情だけど、ここは私の趣味の場で私がここの王なので好き勝手していいのです。

12章読んでない方は回れ右。私のこんなクソみたいな所感はぜひ本編を味わってから覗きに来て欲しい。
また上記の通りグローバル版に来てない情報もふわっと触れるので、大陸版は触れたくないという方は引き返してください。










はい。
12章読み切った直後のパッションで書いています。
ところどころ解釈の齟齬や、誤読している可能性もあります。
また、私の考察もどきも入るかと思います。ご注意ください。

前話11章がサルカズに虐げられ、強制労働を強いられている労働者の蜂起で、若く青いが故に現状を受け入れることが出来なかったフェイストを中心に工場(自尊心)を取り戻す物語を描いていて、熱く盛り上がったので12章公開は非常に楽しみで楽しみで仕方がなかった。
きっと読者である私もフェイストの青さに中てられたんだと思う。11章アニメPVフェイストが「諦めるには青すぎるんだ」って台詞で心打たれて、ここから盛り返すんだって……11章がロンディニウム編の"サビ"だと思っていたんだ……
でも、所詮はただのイントロでしかない事を、12章序盤でさまざまと見せつけられた。

凄くないか?
12章最序盤で、懇切丁寧にモブ兵士の掘り下げを行ってそして殺す。
ゴールディングさんの心をこれでもかと丁寧に丁寧に折る仕事はまさに美事だと言わざる負えない。
心を丁寧に折られ尽くした彼女の存在はのちに「変形者」への教本となるのがまた興味深く、長命種である「変形者」を「完成されているが故に、ただその場で足踏みをしているだけで進むことは無い」と表現し全てを看取った弔鐘のバンシーも物語として完成され美しいと思った。

12章を通して読んで、一貫して思ったのが「ご都合主義など”現実”には存在しない」という事だった。

まさに私の気持ちはモーガンと一緒だった。
11章は自救軍が反撃に成功し、古に消えた(消された)とされる蒸気騎士の出現。そして「諸王の息」の入手。
私はあまり元ネタと思われる「アーサー王伝説」に関しては詳しくないので、適当にwikiを読み齧った程度の知識でお話を進めていくのだけど、11章のここまでの流れを振り返れば、伝説の剣を手に入れた殿下一行は悪を切り裂き大捕り物からの勧善懲悪そして大団円!となるのが通例ではないか。
だが、現実はどうだろうか。始まってしまった戦争。瞬きの間に壊された平和。長く続く覚めない悪夢に心身をすり減らし、確実に狂っていく人々。
伝説の剣を手に入れたところで、始まってしまった戦争を前にすれは所詮はただの鉄の棒でしかなく、物語の中の英雄や信仰心というものは平和の中でのみ培われていくものだと、身に染みた。
戦争はどんなに飾り立てようと戦争でしかない。現実にはモブなんて存在しない。
11章で高ぶった心を持っていたからか、モーガンの悲しみや苦しみ、そして失望。すべてが刺さった。
モーガンは勝手にシージにアレクサンドリナ殿下のノミを着せ民草を率いる旗持ちに仕立て上げた挙句、物語ではない”現実”を知り勝手に失望して自分が飾り立てたシージに詰め寄るという中々身勝手な行動だと思ったが、私自身も12章に夢を見ていたのだから、モーガンを責める事は出来ない。
最後に甲板で自身の書いていた物語を燃やしていた事が、あまりにも辛かった。
甘い物語の夢から、残酷な現実に目が覚めてしまったのだから。

良くも悪くも、ヴィクトリアは長く平和だったんだろう。
平和だったからこそ公爵間での利権争いで互いを牽制しあい、ロンディニウム陥落という結果に陥ったのだろう。
目先の欲に駆られ、サルカズの侵入を許した。そして、身内の動きばかりを気にして戦争という致命的な一手すらも黙って見過ごした。
平和でなければ起きなかっただろう。
こういう初手首都陥落とかいう不思議な侵略も正直移動都市という特殊な環境じゃなきゃ起きないので、アークナイツの世界観設定は面白いなと思う一因だ。

平和だったから、ノーポート地区の人々は狂気に落ちてしまったのだと。
辛かったなぁ……
ベアード。彼女に言及しない訳が無い。私はおそらく、たぶん、彼女が好きだった。シアタールームで寝るやつに悪いやつはいない。
シージたちが居なくなった後、彼女の心を平穏にさせてくれた場所がきっとシアタールームだったんだろう。彼女がその店主のマクラーレンを助けようと行動したのは、きっとシージたちと同じように彼女の心の平穏には必要な存在だったのだと思う。
そんなマクラーレンは戦争の狂気に中てられて自己を失い、聴覚を失った今信じれるのは己の本能だけなんだろう。
そんな悲しい事ってあるんだろうか。カドールと老夫婦の話も辛かった。
これが戦争。これが現実。どんな装飾を施したところで、戦争は冷酷にすべてを押しつぶす。
「次期会長」さんには正直期待していたところがあった。
私の好きなコミックの「ドリフターズ」で、捕虜にしたうだつの上がらない青年が後になって事務的な能力を発揮するキャラが居て、きっと彼も12章後半では地味ながらも立派に活躍してくれると思っていた。
私はなんて夢見がちで、幸せな脳みそをしていたんだなって、今になって思う。

これは、勧善懲悪の物語ではない。主人公パワーやご都合主義は存在しない、ただの現実だって。



ここからサルカズ関連の話をしたい。
レヴァナントが色々と語ってくれた。サルカズという歴史について。サルカズという怒りについて。サルカズという全てについて。

京極夏彦氏の書籍から分かりやすく一部を変えて引用させてもらうと、サルカズ種族名などではなく、ただブラックボックスにされてしまった哀れな名詞なのかもしれない。

突然の京極夏彦氏で申し訳ない。
彼の書籍では「オカルト」について語っている節があり、それがレヴァナントの話を聞いたうえで「オカルト」に例えた方が分かりやすいなと思った事。
「オカルト」に関して、氏の書籍「魍魎の匣」から当該部分を引用しよう。

~~~
(前略)「暫くの間、オカルトは反基督的知識の意味だった。しかし十九世紀あたりになると、エリファス・レヴィなんかの手で占星術だの数秘術だの降霊術だのと一緒くたにまとめられてしまう。結果オカルトはぐっと俗的になり、そして奇しくも勃興し始めていた自然科学に敵対視される。(中略)こうなると胡散臭いものは全部オカルトの箱の中に入れてしまえというようなものだな。(中略)いずれにしてもオカルトは都合のいい我楽多箱になり、そこら中の怪しげなものをありったけ、玉石混交入れるだけ入れて、臭い物には蓋とばかりに封印されてしまった。」
(中略)
「間違っているんだよ。既に真実オカルトたり得るものとそうえないものの区別がつかなくなっているじゃないか。(中略)オカルトの箱の中に入れられて迷惑をしている者もいるが、それを隠れ蓑に浸かっている者もまだ多いからね。何でも吞み込んでしまううえに不可侵と云う性質が裏目に出てしまっている。ブラックボックスは便利なんだな。だから君もオカルトという言葉を使い、況してや糾弾を加えようとするのであれば、先ずその真贋くらいは見極めなくてはいけないよ」
(後略)
~~~

削り取り過ぎて訳が分からなくなってそうだけど、京極先生の小説は既知の通り長いので、良かったら買って読んでください。
始まりの頃のサルカズ。神民も先民もいない時代からサルカズは存在した。
まだ種族という区分けがされていない頃から、サルカズは存在した。

元はサルカズという言葉の持つ意味はとても広いものだったのではないか。
侵略者である者たちは、自らに歯向かう者どもをすべてカルカズという箱に押し込めて、すべて一緒くたに迫害する。
破滅と再興を繰り返し、怒りにと憎しみによって今の”悪魔”のような姿へと変質を遂げたのが現在の結果であり、その薄まった血を持って生まれてしまった現代のサルカズたちも、「サルカズ」というブラックボックスに一律入れられてしまう。
カズデルを夢見る王庭から、戦争が分からないパプリカのような子まで、すべてが「サルカズ」という箱の中に納まる。
ただの種族名であるサルカズと、当初の「サルカズ」は変質したというより、同じ名前で別の種類だと考えたら分かりやすいと思う。
サンクタは元はサルカズだというレヴァナントの証言は、私にそこまでの衝撃は与えなかった。
吾、先導者たらんでも、サルカズとの闘いに関して少し言及している。もはや戦いの意味は分からないと。
公式のケルシーASMR TERRA 3.0ではサンクタのところで「闘争の中で法が生まれ、法はサンクタを育んだ。ティカズはこれを理解不能の裏切りとみなし、信頼の崩壊が戦いの火蓋を切った」とある。
教皇は「法は本能である(超意訳)」と説いていた。私は法とサンクタ、どちらが先なのか悩んでいたが、レヴァナントのおかげてすこししっくりきた点がある。
怒りと憎しみを闘争で編み上げるような素質があった本来のサルカズは、外界の介入により個性を獲得し離脱する同族にも牙を向いた。もはや自分と相反するものはすべてサルカズの敵であると言わんばかりに。

サンクタは自己を守るために法というものを作った。それはサルカズに対抗する術と自己(種族)を存続させるため。だから、同種を殺そうとすればそれはサンクタではなくなってしまう。法とはすなわち本能であり、本能は法である。

ピースとピースが噛みあい始めて、とても面白くなってきた。
因みにこれを書いているのが既に0:30を超えていてこれ以上書いていてもまともな文章にならない気がするのでここで切り上げる。
文章量もかなりのものになっているし……。
大陸版の話が出来なかったので、これはまた次回少し話したいと思う。
サルカズとサンクタに関してはまだまだ話足りないので、次回お楽しみに。

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