コーヒーカップの底

アークナイツ:サイドストーリー『BABEL』ネタバレ感想

2024/10/17 21:02
ゲーム
この世界の遣る瀬無さと苦痛があまりにも辛かったので、吐き出させてください。

本記事はただの感想です。考察ではありませんが、『BABEL』にて謎が明かされた結果、さらなる謎になった疑問なども自分用メモとして書き連ねていきます。


目次
・ドクターの苦悩とプレイヤー=ドクターのロジック
・源石と文明の存続について
・プリースティスと“彼女”とは
・明日方舟というテーマと「BABEL」感想総括


・ドクターについて

初めに下記のようにドクターを区別します。
先史文明時代のドクターをオラクル。
ケルシーによってロドスアイランド内で目覚めたドクターを、バベドク。
アーミヤによってチェルノボーグで目覚めたドクター(プレイヤー)を、ロドク。
この区別はドクターを語る上で最も大事なところだと思う。

オラクルは生命を愛したが故に、プリースティスとの約束を破った。
恐らく、約束というのは先史文明の存続。オラクルはそれらを見届ける役目を負った存在なのではないか。
その「約束」を、オラクルは破った。愛故に。
その結果として「この身に残された時間はもう少ない」という台詞なのだとしたら、それは一体どういった裏切りの代償なのだろうか。

裏切りの代償を受けたことで、バベドクとなったのか。
オラクルが石棺に入った時は恐らく傍にケルシーが居たはず。
裏切った結果、脳内にある時限爆弾を抑制するために石棺に入ったのかは定かではないが、ロドスアイランドからバベドクを目覚めさせる際に、ケルシーは不安がり、”信じる”事を選択していた。
ケルシーは石棺から目覚めるドクターがオラクルではない別の何かに変質してしまっていると、そういう予感が既にあったこととなる。

バベドクは本質的にはオラクルと何も変わらない、善性と生命への愛があった。
”一人の子供の熱い手の平から伝わるその命の温度が、この心臓を焼き焦がし、耐えがたい痛みをもたらしているのもまた事実だ。
~中略~
結局持ちこたえきれず、駄獣の背中から水に落ちてしまった。
臀部と背部がひりひりと痛む。鼻に水が入ったせいで窒息しかけるほど咳き込んだ。
このハプニングはテラを半年近く旅した自分に、この大地に生きているということを切に感じさせてくれた。
まるで自らの命がほとばしる音を聞いたようだったよ、ケルシー。”BB-4戦闘前 ドクター

アーミヤという両親を失い、それと同時に感染した小さな少女という生命に、数多の束縛が些末なものになるほど愛を感じていた。
それはBB-10の戦闘でも分かるだろう。バベドクの中でアーミヤの存在の比重は大きく、テレジアでさえ記憶の消去に手間取るほど(BB-10の戦闘自体がその暗喩だと捉えた)だった。

そんなバベドクが、大切なアーミヤも生きるテラ文明を滅ぶべきエラーだと判断し、源石にて覆うべきと判断するに至ったか。

先史文明人のプリースティスが関わっているのは間違いない。
BB-ST-3にてテレジアに「末恐ろしいやり口ね」と言わせるほどのソレが彼女の手によるものかは、文面からは明確に読み取れない。
しかし先史文明技術、源石計画の内容について「恐ろしいやり口」と言ったのか。滅びゆく文明を存続させるために先史文明人が命を賭して計画したそれを(現在の惨状は差し置いて)、テレジアが「末恐ろしい」と断じる事は彼女の性格上ありえないようにも感じる。
個人的にこのセリフは、サルカズを団結させようと未来を見た、慈愛のテレジアから繰り出されてものとしては非常に異質なものだと感じた。
おそらくテレジアがバベドクの中で見た”なにか”は、オラクルが過去に行った裏切りの代償だろう。

バベドクの中にあった”なにか”とは、ドクターの意思決定や思想を左右するような、直接的に精神に干渉するようなものではないと思っている。
バベドクのアーミヤに対する愛情は本物だし、テレジアの理想にも共感し、死に逝く感染者たちに心を痛め、戦争で傷つくテラ人たちを見て恐怖するのも、バベドクの本物の感情だ。
アーミヤと一緒にテラを旅したあの経験や思い出は、テラへ対する愛着を育んだ。
それらが偽物だとは消して思いたくはない。だからこそ、”なにか”とはドクターの人格や思想に影響するものではないと思っている。

重要な意思決定の際、架けられた天秤の皿に細工をしたのだ。

バベドクの過去――オラクルは一度人類を裏切った。
人類が観測者に行った、存続のための保険。

きっと、末期の鉱石病患者の死を看取ったことも大きい。死の運命を、ただ先延ばしにしているにすぎないと。

BB-6戦闘後の最後にてドクターは、テラ文明を守ることを決めていた。
しかしそれが覆ってしまったのは、あまりにも残酷だろう。
それよりも一層残酷なのは、どちらに転んだとしても人類側であるドクターにとって、必ずどちらかを裏切らなければならないという究極の選択を強いられているところだ。


バベドクの思考中にたまに挿入される白背景思考。
それこそがプリースティスが施した罠だと思うという考察もあった。
確かに、BB-7戦闘前でのドクターの独白に挿入される白思考では、先史文明の源石計画を推し進めるよう、誘導を行っているように見える。
しかし前述のBB-6戦闘後で挿入される白思考では、アーミヤを守りたいと、テラ文明を存続させたいとしていた。
一概に白思考がプリースティスだとは断じれない。
この件に関しては、8章にてドクターが彼女の名前を思い出した点も不安要素として残されているので、今後のストーリーを楽しみに待ちたいと思う。


バベルドクターが如何にしてプレイヤーであるロドスドクターとなったのか。
このロジックがあまりにも素晴らしくて、雷に撃たれたような、一種の麻薬にも似た陶酔感を得られたのが本当に衝撃的だった。今でもその旨味の余韻を感じている。
私は常日頃から、ソシャゲではなく小説を出せと強く主張しているが、このロジックに気がついた瞬間、この興奮はゲームでしか得られないものだと気がついて、少し考えを改めた。

シナリオ集を出せ。

これをソシャゲという儚い媒体だけに押し留めるのはあまりにももったいなさすぎる。

テレジアのもたらした最後の贈り物は、我々プレイヤーにとっても至上の贈り物となった。
先史文明の悪霊は文字通りテレジアが全て奪い去ったのだ。

我々プレイヤーは、ロドスドクターとして彼の素質として存在している善性や生命を愛する心を…………ケルシーが信じ、テレジアが賭けたそれを……………………選択するのは我々になるだろう。



・源石と文明の存続について

ケルシー曰く、先史文明を存続させるための選択は複数存在した。
それはBB-ST-2にてRPTSが告げた、保存者。紺碧の樹。天国の支点。(未知の雑音)。そして源石。などであろう。

源石に関しては本イベントでほぼ全てが明かされたものだと思う。

源石は先史文明の全てを保存するストレージである。源石こそが先史文明を詰め込んだ方舟なのだろう。

我々のよく知る方舟伝説は、世界の滅亡より逃れるため、一つの舟にあらゆる生命を積み込んで難を逃れたという。

バベドクはテラ人は、タロⅡよりもたらされた生命を源石が現在の形に作り変えたと言う。
タロという言葉はエンドフィールドで見かけた気がするが、詳細は詳しくないので言及は避ける。(サーミローグの月次にてアンジェのシナリオを読んだけど、何一つ理解できなくて、でもなんかやべぇことやってんなって事はわかった。たぶん、彼女がゲートを使ってエンドフィールドのタロへと向かうのかは良くわかんないけれど、これが済んだらもう一度噛み砕きながら読み直したい)

タロⅡからの生命を、源石がその中にあるデータを使って再構築したというのなら、天使や悪魔、ペガサス、うさぎ、馬、犬などテラ人のモチーフ元が存在しているというファンタジーに対して強力な根拠がつけられてしまった。(私がSFで一番大好きなところ。詳しくは私的SF概論へ)
テラ文明ではコータスやペッローなど、種族としての名称がつけられているが、ドクター含む先史文明人からすれば、皆キメラなのかもしれない。


紺碧の樹の名前が出てきたが、ミヅキローグのED4が源石計画の終着点に近い。
シーボーンが源石を含む全てを飲み込み学習し、かつて空を破ったクリステンを見ていた一部の恐魚の記憶から、新たな地を求め空へと昇る。
それもまた万年の時を経た末の新たな進化の極致である。記憶も歴史も文明も、皆シーボーンと共に宇宙(そら)へと旅立った。

初めて読んだ時、マジでハッピーエンドだと思った。
ミヅキローグはバットエンド集だと思っていたので…………これは、源石がただシーボーンに置き換わっただけであり、やっていることは源石計画と一緒だ。
飲み込み、保管する。

今イベントで「紺碧の樹」の名前が出てきたのにはびっくりしたが、読み終えた今となっては納得できる。

そして気になるのか「天国の支点」と「(未知の雑音)」。
「天国の支点」とはラテラーノに存在しているアレの事だろう。

先史文明の遺物が『文明の存続』という御旗の元現在のテラで活動をしているというのであれば、教皇のいう「法とは本能であり、本能とは存続させるということ(意訳)」「ラテラーノの法はサンクタしか救わない(意訳)」「サンクタのみがこの楽園を享受できる(意訳)」これらの言葉の整合性が僅かに繋がってくる。

イベント「吾、先導者たらん」でも、上記のように存続という言葉が出てきている。
「天国の支点」=「アレ」だとすると、アレが存続させるのはサンクタではなく、先史文明の方でなくてはならないはずだ。むしろサンクタは楽園を享受するのではなく、源石や恐魚のように淘汰されるべきだろう。

サンクタとサルカズは元はディカズというもので同一の種族であった。
それが光輪と羽を得て袂を分かったのは、十中八九「アレ」のせいだ。そもそも「アレ」の影響で光輪と羽を得た、というのが正しい。

ディカズ(テラ文明原初の人類)は源石からのデータを元としているが、先史文明人類とは別物と思われる。
それなのに「アレ」が先史文明人類ではなくテラ文明人類を存続させようとするのは、エラーと呼ぶものなのか。

それとも「天国の支点」はボリバルの地中に存在した「保存者」と同質のもので、「源石」や「紺碧の樹」とはまた違った目的で存在しているのかもしれない。

少なくとも、サンクタが銃を扱える事、また共感という特殊能力が存在することと先史文明の遺物である「天国の支点」は深く密接しているものと考える。


そして先史文明の遺物に「文明の存続」が存在する。

“これ以上、私は言葉を続けられない。
しかし君は魔王の力を通じて私の……怒りを感じとれるはずだ。
これは実のところ、「文明の存続」は言語による桎梏の外にあることを意味している。”BB-6戦闘後 ケルシー

感情を読み取る能力と、“桎梏”という言葉。馴染みを感じないだろうか。
そう、イベント「ツウィリングトゥル厶の黄金」での、アルトリアと巫王の会話だ。

「文明の存続」は、記録媒体でもあり読み取り装置だ。他人の感情を読み取り、記録する。
かつての魔王たちは、その王冠に記録された歴史を閲覧することができ、また他人の記憶や感情を読み取ることができる。

「文明の存続」を持たずに似たような事ができる存在が、ラテラーノにいた。
他人の感情を旋律として読み取り、自身の中へ蓄積する。
黒い王冠のような光輪を持つ、アルトリア・ジアロ。

巫王は彼女を「容器」と表現した。

それぞれ別の事を話しているのに、似たような内容になっている台詞を引用する。

”……しかし、黒い王冠か。僕はあれの物質界に現れている形状が気に入らなくてね。王冠だなんて、実に悪趣味だ。
王冠は王権を意味し、その古めかしいイメージは権力を意味するものとなる。
いまだ瓦解し続けているこの潮流の中で、イデオロギーと種族間の隔たりが地上文明を自滅へと推し進め、平和と団結のどちらも過分な望みとなっているこの幻影の中で――
最も直接的な方法は、その力を用いて生き物すべての意志を再形成し一つに溶け合わせることであるはずだ。”CW-10戦闘後 「保存者」

”私たちはあらゆる人を閉じ込める檻を、一つの個体に破壊してもらうなんて望むことはできないのです。
だからこそ、誰もが強い心を持つべきであり、「共感」はあらゆる人ができるべきなのです。
私たちは感情の繋がりに基づいて、知識や経験、能力や洞察を共有します。
そしてその時、私たちの繋がりを揺るがせる危機も、私たちの互いの理解をすり減らせる挫折もなくなります……
明かすことのできない真理も、理解できない苦痛も、克服できない障害もないのです。私たちは自らの強さゆえに共に強くなっていくのです。

各々が鮮明でありながら、一つに生まれるのです。”ZT-10戦闘前 アルトリア


今のところ、彼女と先史文明を繋げるような情報は何一つない。
強いてあげるならば、「アレ」の上げた数名の名前の中に彼女の名前が含まれていたという事だろう。
アークナイツはひし形のイメージを大事にしている節がある。
アーミヤのモジュールの背景もひし形であり、テレジアの瞳孔もひし形。アーミヤのアーツもひし形。
アルトリアの瞳孔も、ひし形のように見えるのは、何かしらの意味があるのだろうと思えてならない。

余談だが、ライターたちは心の奥底を「虚無」と表現している。
巫王によって心の底を漁られたアルトリアも、テレジアによってすべてを消去されたドクターも、「虚無」と表現されていた。
これもまた、今後注目していきたい。

今回のイベントで「天国の支点」なるキーワードが出てきたからには、ラテラーノ関連も今後動くのだろうと思う。
節々で教皇が様々な働きかけを行っているので、「ラテラーノの主張」しかり聖徒しかり……既に伏線は沢山張られているのだろうと思うと、楽しみでならない。


・プリースティスと“彼女”とは

先ずはおさらい。プリースティスはオラクルと同じ先史文明に存在した科学者の一人。
オラクル(ドクター)とは親密な仲であり、同じプロジェクトを受け持っていたと考えられる。プロジェクトとは源石計画。
八章「怒号光明」では、ドクターの手を取り「忘れないで」と伝えた記憶がフラッシュバックしている。
オムニバス:「我が眼に映るまま」では自身の過去を探るドクターがPRTSをいじくりまわした結果、RPTSの機能テストで使われた船内映像記録に、ロドスのジャケットを着た彼女の姿が一瞬映ったのみだ。
そして彼女の名前が記載されている項目が他にもある。
戦闘ステージの地図情報をタップすると、ステージの全域を見る事が可能だが、その真下に記載されている文字。
『EYES OF PRIESTESS -RI03- CCTV//』
分かりやすくスペースを挿入したが、直訳すればプリースティスの眼だ。
そしてロドスのメインフレームでもあるPRTSは、プリースティス(PRiesTeSs)の略称ではないか。
(余談だが「BABEL」公開時にTwitterのトレンドにPRTSがずっと乗っていたが、それをタップするとツイートを表示できませんと、検索結果が表示されないという現象が起きていた。本当にあったホラーである)

BB-ST-3にてバベドクがビデオメッセージを残そうとして削除した(君へのメッセージ)の”君”がプリースティスであるなら、彼女はドクターと同じように石棺で眠っている事になる。
バベルのドクターはロドスアイランドという船の中から目覚めた。この船を造ったのが当時のオラクルとプリースティスであるならば、彼女もこのロドスの中で眠っているのではないか。

半ば陰謀論じみた考えではあるが、ロドスアイランドという船自体がプリースティスである。という意見も散見された(一概に否定できないのが怖い)
(個人的には飛躍した考えだが源石でもありそうだなとも思っている)

今回のイベントでは、誰の事を指しているのか分からない”彼女”という言葉がいくつかあった。

”だけど彼女らはあなたの善良さや勝利への渇望を甘く見ていた。私たちを、そして今日に至るまで耐え抜いたテラの起源を見くびり過ぎていた。”BB-10戦闘後 テレジア

”私は理想の中に消えていく。でも彼女は……
朽ち果てるすべてを、燃やし尽くす炎となるでしょう。”BB-10戦闘後 「アーミヤ」

この最後の「アーミヤ」のセリフ。これはアーミヤの中にある「文明の存続」に残ったテレジアの残滓がアーミヤの口を借りて話しているものだが、同じセリフを丁度三年前(執筆時現在2024/10/16)にYouTubeに上がった「アークナイツ」ティザーPV4で語られている。
テレジア暗殺の惨劇は、刺客を本艦に招き入れたバベドクの手によって行われた。即ち現場はロドスアイランドの中で行われていたはずだ。
しかし、PV4では上記のセリフをケルシーと共にアーミヤがロドスアイランドを見ながら告げていた。

ここまで精巧に編み上げられたシナリオで、このカットの意味がないとは思えないし言わせない。
この”彼女”がプリースティスだと断言はされていないが、この”彼女”がプリースティスであるならば、彼女はロドスの深層部に存在しているのだろう。

正直、この「アーミヤ」のセリフは、前述のとおり死に際のテレジアのセリフだ。
「私(テレジア)は理想の中に消えていく。でも彼女(アーミヤ)は……朽ち果てるすべてを、燃やし尽くす炎となるでしょう」
バベルシナリオの文脈だけを切り取るならそう捉えても不思議ではない。

このシナリオに置ける”彼女”があまりにも捉えどころのない煙のようでいて、しかしはっきりとそこに火種はあるのだと。

ここまで練り上げられ精巧に作りこまれたシナリオを読み、こうして考えるほど鳥肌が止まらない。



・明日方舟というテーマと「BABEL」感想総括

客観的に見ても良く言われているものが「人間讃歌」

非常に主観的な話をするならば、「愛の物語」


アークナイツを語る上で外せないのが人間讃歌であろう。
サイドストーリー「BABEL」によって見方が180°変わってしまったが、源石がテラ人にとって脅威であることは未だ変わらず、海やサーミの脅威も依然留まることは知らない。
それらによる迫害や差別は常態化し、利権や利益を貪るための戦争は各地で命を燃やし黒煙を上げている。

それでもそこで人々は暮らし、今を生きている。
状況を打破しようと足掻く者もいれば、体勢へおもねる人々もまた生きている。

今回のイベントは上記がとても顕著だったように感じた。
特にオラクル(ドクター)が生命に心惹かれ、彼らを愛してしまったように。

”我々は今に至っても、生命がいかにして広大なる星の海の中に出現したかを知らない。
しかし思う。我々は万物の命を、我々自身を讃えるべきだと。
源石は我々が紡いだ楽譜であり、後の者に捧げる旋律である。文明の進化に介入するのは傲慢だが、そうするよりほかない。

自分は約束に背き、時間の中で待つ彼女を裏切った。
それは、愛ゆえに。生命を愛し、存在を愛するがゆえにだ。愛は永遠の純真さをもって、雑念を振り払ってくれる。”BB-8戦闘後 ???


そして人類の努力と前進の物語。

”なぜなら、前進を求める人類の渇望は、打ち負かされることなどないものだから。
これは一種の欲望であり、「狂気」であり、同時に生命の本能でもあり、私たちが何もない荒野の中から今ここまでを歩んでくるためのエネルギーになったものなのよ。”CW-10戦闘後 クリステン


怒りと別れ、決意の物語。

”もしその根源の果ての創造主が万物を消滅させようとするのなら……
創造主も万物に先立って滅ばねばならぬ。
虚無が真相であるはずがない、真相であっては決してならぬ。我は絶対に許容せぬ、絶対に許さない。
これが我が終極に願う景色であり、我のあらゆる罪悪だ。これこそがヘーアクンフツホルンの最終的な意志である。

創造主は滅ばねばならぬ。”ZT-10戦闘前 巫王


”高みにいる悪霊を制裁する者がいないことが心配なのであれば、私がお前の罪を裁こう。
――サルカズの運命をもてあそぶ者がいなくなる、その時まで。"BB-7戦闘前 テレシス


「BABEL」読了後に私が思い出したのはやはり巫王だろう。
「ツヴィリングトゥルムの黄金」は初見はやはり分からないところも多く存在した。「空想の花庭」では悪役のような振る舞いをしていたアルトリアの行動や目的は理解できたが、巫王の発言には多くの謎が残されていた。
それが「BABEL」にて明かされた先史文明の目的によって、大部分が詳らかになり、「創造主は滅ばねばならぬ」という発言の重み、そして彼の探究心の果てにたどり着いた真理の無常さがやっと今、押し寄せてきた。

「孤星」に至っても、「保存者」との論弁は理解し難いものが多く、記憶に残らないほどだった。
この「BABEL」でかなり世界観の解像度が上がったので、過去のシナリオを読み返したい気持ちが凄く強い。

正直に言えばこんな感情初めてだ。アークナイツのシナリオは一本一本がとても長いが、それだけの価値が絶対にある。絶対にだ。
本当に面白い。私はこの物語の終着点まで一生着いていくと心に誓った。

ありがとう。アークナイツ。

早く本を出してくれ。

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