コーヒーカップの底
アークナイツ:ツヴィリングトゥルムの黄金 ネタバレ感想
2024/05/02 21:16ゲーム
アークナイツのリターニアイベントをクリアしたので、ネタバレもりもりで感想を語りたい!!!
タイトルにネタバレと書いたので。やや、孤星やサーミ、塵影、空想の花庭、13章の内容に触れます。ご注意ください。
考察とか脳みそを使ったものではなく、完全な私見と感想なのでめちゃくちゃ軽いです。とくにサンクタについて話してます。推しなので。
・エーベンホルツとレッシング
これはもう完全に新しい主従の関係で最高に良かったです。
(解雇?されているとはいえ)従者が主をぶん殴れるこの関係でしか得られない栄養素は確実にあります。たぶんこれ、確実に何人かお亡くなり案件だと思うのだけど、それを得るまでに21万字とかいう山を越えなければならないの本当にどうしようもないと思う。
レッシングがあまりにも言葉足らずでエーベンホルツの信頼を得られずに、おもいっきり逃げられるの今から思えば大変可哀相可愛い。
思えばリッチも短気で口の悪いジジイなのであまりにも不審者。
後半でエーベンホルツがウルティカ領に戻り、自領の市民に視線を向けるのが成長を感じてとても良かった。正直私はレッシング同様、エーベンホルツの幼い部分ばかり見ていたから、リターニア市民からも逃げるのかもしれないなと、ちょっと思った。
しかし、序章で”密偵殿”に「自分一人の自由のために、数千の従者や領民を犠牲にするほど愚かではない」と言っていた事を思い出すと、何も考えていない訳ではなかったのだなと。
”元”従者のレッシングとも言葉にはしたくない信頼を築けたようなので、クライデとはまた違った友人を持てたことに、エーベンホルツの成長を見届けた一人としてとても嬉しく思う。
・フェデリコとミヒャエル
ここが一番癒しだったかもしれん。
ロボットのように融通の利かない大人と子供のでこぼこな関係性がめちゃくちゃ大好きで、イグゼキュター関連だとヴァーミルとイグゼキュター、花庭の双子とイグゼキュターなど、正直ハイパーグリフ側に同じ性癖の人間がいるとしか思えなくて、今作もミヒャエルとイグゼキュターとかいう同癖の人が生み出した最高テキストが吸えるぞぉとうきうきわくわくだったのだけど、ちょっとだけ予想とは違かったかな。
ミヒャエルは子どもなのだけど、女帝の密偵として非常に大人っぽく常に理性的。フェデリコの暴走機関車っぷりにも冷静に対応し、しっかりとそれについて行けているのには驚いた。
暴走機関車とはいえど、フェデリコの爆走は一切狂っている物ではなく、すべてが適正な手続きに則った上での爆走っぷりなので、誰も手出しがし辛いと言った方が正しい。
フェデリコの頭の中では適正なロジックがあるにも関わらず、本人がその説明をしなかったり、相手がフェデリコの行動理由を聞かなかったりするから、他者から見れば暴走しているように見えてしまう。
ミヒャエルはフェデリコの目的や行動の理由を聞くし、不慣れなリターニアという土地において、女帝の密偵である立場を遺憾なく発揮していてとても素晴らしいバディだなと思った。
女帝の声であるヴィヴィアナとフェデリコの行動目標が一致した時など、ミヒャエルがお互いの目的を共有し、最善手を提案するなど潤滑油として適正な働きを見せていた。
フェデリコがいると長いシナリオが読みやすくなるとは定説だけど、今回に関してはミヒャエルの功績も非常に大きかったと思われる。
それはそれとして、ミヒャエルはずーっと常識外れの言動をするフェデリコにツッコミを入れまくってたので、そこは本当に面白かった。
「忘れるところでしたよ、あなたが事件解決マシーンであることを」
「まさか……悩んでいるんですか?悩むことなんてあるんですね!」
もう本当に大好きな台詞。
後者は嫌味でもなんでもなく、本当にびっくりしているんだと思う。
あとは事件が解決して、フェデリコがロドスでもラテラーノでも、いつでも会いに来てください。とミヒャエルに伝えたら「いきなり人間みたいなことを言い出してどうしたのですか?」って返されたのも本当に大好き。
・アルトリアとフェデリコについて。
いや本当にこれ。
巫王ありがとう。謎の螺旋階段ありがとう。荒域ありがとう。
まさか幼少期のアルトリアとフェデリコの会話が聞けるとは思ってなかった。こころが暖かい。
アルトリアが初めて大人の心の声を聴いて困惑して泣いてしまった時、フェデリコが傍でじっとしていたという話が本当に素敵で。
暗闇の中浮かぶ二つの小さな光輪なんて、なんて素敵な話なのかと。
そこから「暗闇は一瞬であり光は永遠だ」と考えが及ぶのがあまりにも素敵だった。
巫王と対話するアルトリアも本当に素敵だった。
彼女の事を何も理解していなかった我々は、アルトリアのことをただの狂人のように思っていたし、アルトリアのやりたいこと・為したいことが分かって本当に良かったと思う。
災厄に立ち向かうために、人々の心を強くし、結びつきと連帯を強固なものにしたい。その可能性を彼女は感情に見出していた。
その結びつきは信仰でもなく、法でもなく、国家でもない。秩序では平和は得られるが人の感情は儚く脆い。恐怖や恐れを隠し言語化を否定する。そこに綻びが生じてしまう。
何故アルトリアはそこまで人の感情を重く見るのかと思ったけど、アルトリアは数多くの人間の最も強い感情を見聴きしているからか、人の感情というものを強く信頼している人物は彼女をおいてほかにないだろう。
からくも、その彼女こそがただの入れ物であり、巫王に漁られた彼女の奥底は静寂であったというのがあまりにも残酷だ。
桎梏(しっこく):手かせ足かせ。自由を束縛するもの。
この単語、じつはボカロで学んでおりまして。『ナイトの正夢』って曲なんですが。余談でした。
正直、巫王とアルトリアの会話は一回読んだだけでは到底理解しきれない。
また何度も読み返してもう一度味わいたいと思う。
狙撃イグゼキュターの秘録も読んでいないので、そっちもまた読みたいなって。アルトリアことヴィルトゥオーサの秘録も読みたいために一生懸命信用度上げています。また、コミック上と空想の花庭に関しても今回で語られたアルトリアの思惑を理解した上で再度読み直したいと思ってる。
これに関しては、いつかまとめられたらまたここでお話したいなと思う。
後半、荒域が現実を浸蝕してきた際、人々の感情が無に吸い取られてしまった時、アルトリアが自身の心を奏でて混乱を鎮めたが、そこに関しては二通りの解釈が出来るのかなと。
1.文字通りアルトリア自身の感情を奏でた。
2.入れ物として、集めた他者の感情を解放した。
二番目の理由としては巫王の、アルトリアは感情の入れ物として他者の様々な感情を詰め込まれ最も混沌とした人物である。という評価から。
その後の自身の気持ちはどうなのだと問われ、巫王に彼女が漁られた時の、彼女の発言から。
彼女もまた、フェデリコのように感情を持たないのか。正直私はそう思ってない。ここに関しては、もう少し考察の余地があるし、もっと読み込むべきだと私は思う。
ハイパーグリフへ、シナリオのしおり機能実装してください。
巫王の宮殿から追い出されて、フェデリコに追いつかれ「ラテラーノに帰りますよ」と言われたときに、いつもみたいに謎の理屈をこねくり回さずに、まるで子供の駄々のように「嫌よ」と答えたのが個人的にめちゃくちゃ好きpointだった。これこれこういうの、この憔悴しきって自分自身が無であると認めるまでのこの時間、普段は強かな女性からは到底聞けないようなドストレートな本音を吐き出す瞬間からしか得られない栄養素で私は今日も永らえます。
こちらの副産物は、普段彼女に振り回されている側が、様子のおかしい彼女に戸惑うところまでセットで美味です。
最終的に、民衆を自身の演奏で理性を戻させるとき、アルトリアの演奏は混乱をもたらすだけだという認識を即座に改めたフェデリコの観察眼は素晴らしいの一言に尽きる。
Xで見かけたツイートを引用する。
”フェデリコはぱっと見、原理原則だけに固執するテンプレ的石頭キャラに見えるんだけど、周りの言ってることが分かりませんじゃなくて、状況はきちんと読んでるし行動も適切なんだよね(成長分を除いても)。だから読みやすさの一助になってる。ある意味理想的な石頭キャラ。”
小川一水@ogawaissui
私は浅学で知らなかったのですが、こちらの小川先生はSF作家の方で、そのような本職の方の感想ツイートは読んでてなるほどなるほどと思う事も多々。
本題のフェデリコの石頭に関して、まさにその通りだなと。
マニュアルに書いていないので分かりません。じゃないんだよ。大抵の石頭キャラはマニュアルに書いていないとすぐに思考停止し、困惑して何もできなくなるのが本当に腹立たしかったのだけど、私が好きな石頭キャラはマニュアルになくとも、目的を見失わず、そのために最善の行動をとれるキャラなんだよ。手段が目的になるような石頭は好きじゃない。
そこがフェデリコの凄いところであり、面白いところだと思う。
「私や弟のような人間はね、困惑は漣ではないの。氷上に走るヒビなのよ。だから走り続けなきゃいけない」
・どのつらフレンズについて
ホルハイヤとアルトリアのロドス入職に関する取扱いというか差別化というか、同じ犯罪者なのに心証が大きく違うのは、アルトリアの目指す未来があまりにも壮大で広大なところもあると思う。
ホルハイヤは神民という自身の種族の究明を命題に掲げ、アルトリアは来るべきより良い未来を目指すため、人々の心と感情の結びつきを強化し、恐れを恐れと思わぬ、種族を超えた感情による共感を目指しているという。
ホルハイヤは過去を向き、アルトリアは未来を向いている。
私ドクターの心証はやはりアルトリアの方が好印象になってしまうよなぁ。
・双子の女帝、クルビアの大統領
双子の女帝の真相を知った時、人外大好き私よだれだらだらだった。
巫王の術式によって生まれ、貴族の欲望で育った双子。マジで作られた兵器だった。
ちょっと、人外が国を治めてるパターン多くないかい?
クルビアの大統領もスパコン説あったよね?スパコンじゃなくても獣王だろうし。
今後ほかの国もトップとか出てきたりするのかな。気になるな、楽しみだな。
・リッチ王庭また13章とのつながりについて
えっと、そのリッチは知識の守護者としてサルカズの王庭の一角を成しているのだろうけど、時系列に関して整理したい。
12章:エルマンガルトがロンディニウムのテレシスへ謁見
↓
13章:帰宅途中のエルマンガルドがヘドリーたちと接触
↓
今イベ:リターニアのルートヴィヒ大学へ帰還
リッチたちはリターニアを離れ、故郷カズデルへ帰還する宣言
エーベンホルツへ会いにハイビスカス登場
ハイビス「んー離艦するのであれば、直接ドクターやケルシー先生へ報告した方がいいですよ」
エーベン「ロドス本艦が近くに来ているのか?」
ハイビス「はい。まぁすぐ近くという訳ではないですが、遠くないです。だから私が来たんですよ」
↓
14章:???
おおん???待って待って、んー?ロンディニウムいま大変なことになってるんだね。そのさ中に、リターニア上空で荒域の裂け目が出来たと。
終盤にリッチたちは帰郷するって言ってるし、ロドス本艦がリターニアの近くにいると。
待ってくれ、ロンディニウムのカズデル問題は解決したのか?
ちょっと前の5周年大陸情報踏まえた上でほんの少し話します。
↓反転↓
これは予測だけど、14章でロンディニウム完結だと思うんだ。
昇進アーミヤ出てきたし。Logos先生と魔王も出たし。
そのままロンディニウムをカズデルにするというのは横暴な決着の着け方だから、そんなことはないと予測している。ヴィクトリア市民とサルカズの軋轢は深く、テレジアの望む子供らが笑って過ごせる故郷とは程遠いから。
だからロンディニウムではなく、新しく出来た統合戦略の世界観においてカズデルを補完するものだと思う。
そこでリッチの帰郷の話は統合戦略に繋がるのではないかなと。
まぁ、ヴィクトリアで戦争が起こっていてロドスがゴリゴリ介入しているはずなのに、なぜロドス本艦がリターニア近くにいるのか。
そしてヴィヴィアナが荒域で体験した不思議な出来事。ニアール家の征戦騎士のスピナーが存在したという事。
その件に関し、ムリナールが来るのは夕景に影ありてを読んでいれば納得の出来事だ。
巫王やユリアさんが荒域に存在した事実は、もしかすれば他にも荒域へ吸い込まれてしまった人物がいるのかもしれない。
この一件は新たな謎の突端の可能性がある。
ロドス本艦が近くに駐留しているというのは、14章以降の新章、新シリーズで語られる話の内容が、荒域、もしくはラテラーノで散々語られている『災厄』なのではないか。
希望は既に死に、永遠は既に消滅した。混沌の中で秩序を打ち立てた巫王。
秩序では脆く、災厄が来てからでは遅すぎる。未来のため人々の感情を繋げようとしたアルトリア。
災厄を予期し、「ラテラーノの主張」において国々の団結を請うイヴァンジェリスタⅪ世。
そして北で抗い続けるサーミ。
全てが新章の布石に見えてしまい、私は恐ろしい。
ツヴィリングトゥルムの黄金本当に楽しかった。
本当に読みごたえがある。その中で好きなキャラが活躍してくれたのが本当に嬉しかった。
特にアルトリアの行動原理が知れたのがとても良かった。
アークナイツ、話を読むたびいつも期待値を軽く超えてくれるから、本当に追っていて楽しいコンテンツだとしみじみ思う。
なんでこれをソーシャルゲームにしたのだ。
以上、イベント完走の感想でした。
タイトルにネタバレと書いたので。やや、孤星やサーミ、塵影、空想の花庭、13章の内容に触れます。ご注意ください。
考察とか脳みそを使ったものではなく、完全な私見と感想なのでめちゃくちゃ軽いです。とくにサンクタについて話してます。推しなので。
・エーベンホルツとレッシング
これはもう完全に新しい主従の関係で最高に良かったです。
(解雇?されているとはいえ)従者が主をぶん殴れるこの関係でしか得られない栄養素は確実にあります。たぶんこれ、確実に何人かお亡くなり案件だと思うのだけど、それを得るまでに21万字とかいう山を越えなければならないの本当にどうしようもないと思う。
レッシングがあまりにも言葉足らずでエーベンホルツの信頼を得られずに、おもいっきり逃げられるの今から思えば大変可哀相可愛い。
思えばリッチも短気で口の悪いジジイなのであまりにも不審者。
後半でエーベンホルツがウルティカ領に戻り、自領の市民に視線を向けるのが成長を感じてとても良かった。正直私はレッシング同様、エーベンホルツの幼い部分ばかり見ていたから、リターニア市民からも逃げるのかもしれないなと、ちょっと思った。
しかし、序章で”密偵殿”に「自分一人の自由のために、数千の従者や領民を犠牲にするほど愚かではない」と言っていた事を思い出すと、何も考えていない訳ではなかったのだなと。
”元”従者のレッシングとも言葉にはしたくない信頼を築けたようなので、クライデとはまた違った友人を持てたことに、エーベンホルツの成長を見届けた一人としてとても嬉しく思う。
・フェデリコとミヒャエル
ここが一番癒しだったかもしれん。
ロボットのように融通の利かない大人と子供のでこぼこな関係性がめちゃくちゃ大好きで、イグゼキュター関連だとヴァーミルとイグゼキュター、花庭の双子とイグゼキュターなど、正直ハイパーグリフ側に同じ性癖の人間がいるとしか思えなくて、今作もミヒャエルとイグゼキュターとかいう同癖の人が生み出した最高テキストが吸えるぞぉとうきうきわくわくだったのだけど、ちょっとだけ予想とは違かったかな。
ミヒャエルは子どもなのだけど、女帝の密偵として非常に大人っぽく常に理性的。フェデリコの暴走機関車っぷりにも冷静に対応し、しっかりとそれについて行けているのには驚いた。
暴走機関車とはいえど、フェデリコの爆走は一切狂っている物ではなく、すべてが適正な手続きに則った上での爆走っぷりなので、誰も手出しがし辛いと言った方が正しい。
フェデリコの頭の中では適正なロジックがあるにも関わらず、本人がその説明をしなかったり、相手がフェデリコの行動理由を聞かなかったりするから、他者から見れば暴走しているように見えてしまう。
ミヒャエルはフェデリコの目的や行動の理由を聞くし、不慣れなリターニアという土地において、女帝の密偵である立場を遺憾なく発揮していてとても素晴らしいバディだなと思った。
女帝の声であるヴィヴィアナとフェデリコの行動目標が一致した時など、ミヒャエルがお互いの目的を共有し、最善手を提案するなど潤滑油として適正な働きを見せていた。
フェデリコがいると長いシナリオが読みやすくなるとは定説だけど、今回に関してはミヒャエルの功績も非常に大きかったと思われる。
それはそれとして、ミヒャエルはずーっと常識外れの言動をするフェデリコにツッコミを入れまくってたので、そこは本当に面白かった。
「忘れるところでしたよ、あなたが事件解決マシーンであることを」
「まさか……悩んでいるんですか?悩むことなんてあるんですね!」
もう本当に大好きな台詞。
後者は嫌味でもなんでもなく、本当にびっくりしているんだと思う。
あとは事件が解決して、フェデリコがロドスでもラテラーノでも、いつでも会いに来てください。とミヒャエルに伝えたら「いきなり人間みたいなことを言い出してどうしたのですか?」って返されたのも本当に大好き。
・アルトリアとフェデリコについて。
いや本当にこれ。
巫王ありがとう。謎の螺旋階段ありがとう。荒域ありがとう。
まさか幼少期のアルトリアとフェデリコの会話が聞けるとは思ってなかった。こころが暖かい。
アルトリアが初めて大人の心の声を聴いて困惑して泣いてしまった時、フェデリコが傍でじっとしていたという話が本当に素敵で。
暗闇の中浮かぶ二つの小さな光輪なんて、なんて素敵な話なのかと。
そこから「暗闇は一瞬であり光は永遠だ」と考えが及ぶのがあまりにも素敵だった。
巫王と対話するアルトリアも本当に素敵だった。
彼女の事を何も理解していなかった我々は、アルトリアのことをただの狂人のように思っていたし、アルトリアのやりたいこと・為したいことが分かって本当に良かったと思う。
災厄に立ち向かうために、人々の心を強くし、結びつきと連帯を強固なものにしたい。その可能性を彼女は感情に見出していた。
その結びつきは信仰でもなく、法でもなく、国家でもない。秩序では平和は得られるが人の感情は儚く脆い。恐怖や恐れを隠し言語化を否定する。そこに綻びが生じてしまう。
何故アルトリアはそこまで人の感情を重く見るのかと思ったけど、アルトリアは数多くの人間の最も強い感情を見聴きしているからか、人の感情というものを強く信頼している人物は彼女をおいてほかにないだろう。
からくも、その彼女こそがただの入れ物であり、巫王に漁られた彼女の奥底は静寂であったというのがあまりにも残酷だ。
桎梏(しっこく):手かせ足かせ。自由を束縛するもの。
この単語、じつはボカロで学んでおりまして。『ナイトの正夢』って曲なんですが。余談でした。
正直、巫王とアルトリアの会話は一回読んだだけでは到底理解しきれない。
また何度も読み返してもう一度味わいたいと思う。
狙撃イグゼキュターの秘録も読んでいないので、そっちもまた読みたいなって。アルトリアことヴィルトゥオーサの秘録も読みたいために一生懸命信用度上げています。また、コミック上と空想の花庭に関しても今回で語られたアルトリアの思惑を理解した上で再度読み直したいと思ってる。
これに関しては、いつかまとめられたらまたここでお話したいなと思う。
後半、荒域が現実を浸蝕してきた際、人々の感情が無に吸い取られてしまった時、アルトリアが自身の心を奏でて混乱を鎮めたが、そこに関しては二通りの解釈が出来るのかなと。
1.文字通りアルトリア自身の感情を奏でた。
2.入れ物として、集めた他者の感情を解放した。
二番目の理由としては巫王の、アルトリアは感情の入れ物として他者の様々な感情を詰め込まれ最も混沌とした人物である。という評価から。
その後の自身の気持ちはどうなのだと問われ、巫王に彼女が漁られた時の、彼女の発言から。
彼女もまた、フェデリコのように感情を持たないのか。正直私はそう思ってない。ここに関しては、もう少し考察の余地があるし、もっと読み込むべきだと私は思う。
ハイパーグリフへ、シナリオのしおり機能実装してください。
巫王の宮殿から追い出されて、フェデリコに追いつかれ「ラテラーノに帰りますよ」と言われたときに、いつもみたいに謎の理屈をこねくり回さずに、まるで子供の駄々のように「嫌よ」と答えたのが個人的にめちゃくちゃ好きpointだった。これこれこういうの、この憔悴しきって自分自身が無であると認めるまでのこの時間、普段は強かな女性からは到底聞けないようなドストレートな本音を吐き出す瞬間からしか得られない栄養素で私は今日も永らえます。
こちらの副産物は、普段彼女に振り回されている側が、様子のおかしい彼女に戸惑うところまでセットで美味です。
最終的に、民衆を自身の演奏で理性を戻させるとき、アルトリアの演奏は混乱をもたらすだけだという認識を即座に改めたフェデリコの観察眼は素晴らしいの一言に尽きる。
Xで見かけたツイートを引用する。
”フェデリコはぱっと見、原理原則だけに固執するテンプレ的石頭キャラに見えるんだけど、周りの言ってることが分かりませんじゃなくて、状況はきちんと読んでるし行動も適切なんだよね(成長分を除いても)。だから読みやすさの一助になってる。ある意味理想的な石頭キャラ。”
小川一水@ogawaissui
私は浅学で知らなかったのですが、こちらの小川先生はSF作家の方で、そのような本職の方の感想ツイートは読んでてなるほどなるほどと思う事も多々。
本題のフェデリコの石頭に関して、まさにその通りだなと。
マニュアルに書いていないので分かりません。じゃないんだよ。大抵の石頭キャラはマニュアルに書いていないとすぐに思考停止し、困惑して何もできなくなるのが本当に腹立たしかったのだけど、私が好きな石頭キャラはマニュアルになくとも、目的を見失わず、そのために最善の行動をとれるキャラなんだよ。手段が目的になるような石頭は好きじゃない。
そこがフェデリコの凄いところであり、面白いところだと思う。
「私や弟のような人間はね、困惑は漣ではないの。氷上に走るヒビなのよ。だから走り続けなきゃいけない」
・どのつらフレンズについて
ホルハイヤとアルトリアのロドス入職に関する取扱いというか差別化というか、同じ犯罪者なのに心証が大きく違うのは、アルトリアの目指す未来があまりにも壮大で広大なところもあると思う。
ホルハイヤは神民という自身の種族の究明を命題に掲げ、アルトリアは来るべきより良い未来を目指すため、人々の心と感情の結びつきを強化し、恐れを恐れと思わぬ、種族を超えた感情による共感を目指しているという。
ホルハイヤは過去を向き、アルトリアは未来を向いている。
私ドクターの心証はやはりアルトリアの方が好印象になってしまうよなぁ。
・双子の女帝、クルビアの大統領
双子の女帝の真相を知った時、人外大好き私よだれだらだらだった。
巫王の術式によって生まれ、貴族の欲望で育った双子。マジで作られた兵器だった。
ちょっと、人外が国を治めてるパターン多くないかい?
クルビアの大統領もスパコン説あったよね?スパコンじゃなくても獣王だろうし。
今後ほかの国もトップとか出てきたりするのかな。気になるな、楽しみだな。
・リッチ王庭また13章とのつながりについて
えっと、そのリッチは知識の守護者としてサルカズの王庭の一角を成しているのだろうけど、時系列に関して整理したい。
12章:エルマンガルトがロンディニウムのテレシスへ謁見
↓
13章:帰宅途中のエルマンガルドがヘドリーたちと接触
↓
今イベ:リターニアのルートヴィヒ大学へ帰還
リッチたちはリターニアを離れ、故郷カズデルへ帰還する宣言
エーベンホルツへ会いにハイビスカス登場
ハイビス「んー離艦するのであれば、直接ドクターやケルシー先生へ報告した方がいいですよ」
エーベン「ロドス本艦が近くに来ているのか?」
ハイビス「はい。まぁすぐ近くという訳ではないですが、遠くないです。だから私が来たんですよ」
↓
14章:???
おおん???待って待って、んー?ロンディニウムいま大変なことになってるんだね。そのさ中に、リターニア上空で荒域の裂け目が出来たと。
終盤にリッチたちは帰郷するって言ってるし、ロドス本艦がリターニアの近くにいると。
待ってくれ、ロンディニウムのカズデル問題は解決したのか?
ちょっと前の5周年大陸情報踏まえた上でほんの少し話します。
↓反転↓
これは予測だけど、14章でロンディニウム完結だと思うんだ。
昇進アーミヤ出てきたし。Logos先生と魔王も出たし。
そのままロンディニウムをカズデルにするというのは横暴な決着の着け方だから、そんなことはないと予測している。ヴィクトリア市民とサルカズの軋轢は深く、テレジアの望む子供らが笑って過ごせる故郷とは程遠いから。
だからロンディニウムではなく、新しく出来た統合戦略の世界観においてカズデルを補完するものだと思う。
そこでリッチの帰郷の話は統合戦略に繋がるのではないかなと。
まぁ、ヴィクトリアで戦争が起こっていてロドスがゴリゴリ介入しているはずなのに、なぜロドス本艦がリターニア近くにいるのか。
そしてヴィヴィアナが荒域で体験した不思議な出来事。ニアール家の征戦騎士のスピナーが存在したという事。
その件に関し、ムリナールが来るのは夕景に影ありてを読んでいれば納得の出来事だ。
巫王やユリアさんが荒域に存在した事実は、もしかすれば他にも荒域へ吸い込まれてしまった人物がいるのかもしれない。
この一件は新たな謎の突端の可能性がある。
ロドス本艦が近くに駐留しているというのは、14章以降の新章、新シリーズで語られる話の内容が、荒域、もしくはラテラーノで散々語られている『災厄』なのではないか。
希望は既に死に、永遠は既に消滅した。混沌の中で秩序を打ち立てた巫王。
秩序では脆く、災厄が来てからでは遅すぎる。未来のため人々の感情を繋げようとしたアルトリア。
災厄を予期し、「ラテラーノの主張」において国々の団結を請うイヴァンジェリスタⅪ世。
そして北で抗い続けるサーミ。
全てが新章の布石に見えてしまい、私は恐ろしい。
ツヴィリングトゥルムの黄金本当に楽しかった。
本当に読みごたえがある。その中で好きなキャラが活躍してくれたのが本当に嬉しかった。
特にアルトリアの行動原理が知れたのがとても良かった。
アークナイツ、話を読むたびいつも期待値を軽く超えてくれるから、本当に追っていて楽しいコンテンツだとしみじみ思う。
なんでこれをソーシャルゲームにしたのだ。
以上、イベント完走の感想でした。
追記
・サーミにおいて
サーミでは恐怖を「悪魔」が喰って強くなる。だからティフォンは「怖くなんかない」と強く念じ戦っている。
アルトリアの感情を強化するという理想は、もしやサーミにおいて(もしくは荒域において)非常に大きな効力を発揮するのではなかろうか。
心の中の空白に虚構はつけこむ。感情を豊かにし、より多くの共感を行えばそれは強固なものとなる。
まさかね。
サーミでは恐怖を「悪魔」が喰って強くなる。だからティフォンは「怖くなんかない」と強く念じ戦っている。
アルトリアの感情を強化するという理想は、もしやサーミにおいて(もしくは荒域において)非常に大きな効力を発揮するのではなかろうか。
心の中の空白に虚構はつけこむ。感情を豊かにし、より多くの共感を行えばそれは強固なものとなる。
まさかね。