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オカ研・ミステリーサウダージ

幼い頃から、決まって見る夢がある。

夢の中ではいつも、誰かの声が脳を裂くように響いて、今までの人生で感じたことのないほどの悲しさと寂しさに襲われる。
何かを思い出さなくては、という気持ちで胸が詰まり、息が迫り上がってくる。
声に返事をしようと口を開くが、当然私は声の主を知らないので息が漏れる音だけが喉を焼く。
涙が出そうなほどそれに絶望して、目の前が真っ暗になって、訳もわからないまま目が覚める。
悲しみや絶望を感じるのは夢の中だけで、起きたらただ、薄気味悪さが残るだけだった。

先祖がどうとか前世がどうとか、信じる性質では無かったが、正直 精神的に来るものがあった。
お陰で、私は小学生の頃から慢性的な寝不足だ。


そんな私も、今年の四月からは花の女子高生だ。
幼い頃には思い付きもしなかったが、そろそろ精神科か心療内科にでもかかった方が良いのではないかと思い始めてきている。
私が受験したのは平々凡々な県立高校だが、大抵の高校生には、鬼のようなスケジュールに日々を忙殺される運命が待ち受けていると聞いている。
そんな中学二年生の妄想みたいなトンチキ悪夢に邪魔される余裕など存在しないのだ。
明後日に控えた新入生体験入部の後にでも、病院の予約を取り付けてやる…


…そう思っていた時期が私にもありました。
今、右手には 病院の予約取り消しを終え通話の切れた携帯電話、左手にはオカ研の入部届が握られている。
…少し理由を説明させてほしい。
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