いばらの冠
マリー……。
君に言いたいことがあるよ。
もし、やり直せるなら……。
ボクはもう二度と同じ道をたどりはしない。
それは、ボクが選んだ今の道が、間違っているっていうことだ。
そんなことはわかってる。
……わかってるよ。
だから、ボクは君のために、できることをして。
マリーのために……。
君が輝きを取り戻すために。
少しでも君が幸せになれるように。
ただ、それだけのために、これからのボクは……。
正しい道を行くんだ。
それがたとえ、ボク自身がどんなに傷つく、荊の道でも。
だって、これはボクの罪に対する、罰なんだから。
マリー、ボクは君を、君のことを……。
その先は決して言えない。
荊棘に囚われたボクの身では。
本当に言いたいことは、決して言ってはいけないこと。
だから……。
マリー、君のために……、ボクはすべてを捨てるよ。
だから、ねぇ、どうか……
君に刺さったこの荊の棘が抜けますように。
(つづく)