ウォルター夢(依理愛)
夢小説設定
この章の夢小説設定設定:学パロ(ウォルター高校生)。
主人公は普通の学生の女の子。
内容:ウォルター夢。
カレカノの間柄。甘々。乙女心たっぷり。
名前を変換しない場合『依理愛(いりあ)』になります。
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真っ赤な髪の毛にお日様の光が当たってキラキラ輝いてる。
片耳の十字架のピアスが揺れてる。
長い前髪の間から覗く黄色っぽい目が今は細められていて。
いつも眠そうだけど、今日はとくに眠たそう。
とろんとしてる。
家のテーブルで私のいれたミルク入りのコーヒーを少しずつ飲みながら。
疲れてるのかな。
ちょっと顔をふせて物思いにふけるみたいにして、私の話を聞きながら時々こっくりうなずいて、相槌を打って。
その度に、窓の白いカーテンを通って入ってくる日の光に、赤い髪がキレイに輝いて。
両手でマグカップを持ってるのがこどもっぽくて。
……なんか、飲みながら眠たそうって、かわいいな。
そう思ったら、急に切なくなって。
ふっと、頭に浮かんだことを、つい口に出した。
「もうねー……、ウォルターなんか、大嫌い」
「え」
ビクッと顔を上げて、目を見開いて、口も大きく開けて、彼氏様が固まった。
ああ……言っちゃった。
私は口をとがらせたままで黙り込む。
少しして、ウォルターが慌て出して、早口で言った。
「えっ!? 今俺のこと嫌いって言った? 嫌いって言ったの!? 依理愛、俺、何かした? 嫌われることしてたっ? 俺、何した!?」
その必死な様子に『ぷっ』とふき出してしまう。
「うーそっ。ホントは大好き!」
きっぱりと言うと、ウォルターは首を傾げて呆然とする。
「……わけわかんねぇ……」
……だってさー。
私は自分のカップに目を落とす。
自分の分はミルクいりの紅茶。
彼氏様のより淡い色の茶色を見つめて思う。
……好きだよ。大好き。ヤバイくらい好き。
だからね。
自分がなくなっちゃいそうっていうか、ウォルターのことばっか考えてて、でもたぶん私だけなんだろうなとか、ウォルターにはウォルターの考えることがあって、私がウォルターを好きなだけで、ウォルターにはもっと他に大事なことが色々あって……。
そういうことを考えると切なくなっちゃう。
そんなにホレさせてくれちゃって、ちょっと悔しいよ。
憎いなーとか。
好きだから、大好きだからなんだけど。
「やっぱり、ちょっと嫌いかな」
顔を上げ、首を傾げ、軽くにらみつけて言う。
「え? 何それ? どっち!?」
彼氏様ぽかん。
私はまた目を落とす。今度は膝に。
だってわがまま言ったら私のこと嫌いになっちゃうかなとか、でも大好きだからもっと一緒にいたいなとか、だけどウザイ女って思われないかなとか。
うまく言うことができなくて。
自分を見せることができなくて。
そんな思いばっかさせるから、たまに憎らしくなるの。
こんなに好きにさせてくれちゃって、ホントどうしてくれるの?
ぷんぷんっ。
……なーんて。
切ないよぅ……。
いつかウォルターが離れていったりして、私はそれでも、多分あなたのこと好きなんだろうな。
……なんて思うから。
わざとツーンとそっぽを向いて、口をとがらせて言う。
「好きだけど、嫌いっ」
「はぁ?」
……あ、悲しそうな顔になった。
怒ったみたいに口をへの字にして、でも眉をひそめて、しょんぼりしてるの。
「……なんだよ、それ……。全然わかんねぇ」
ダメな彼氏様だなぁ。
鈍いぞ、ちょっと。
私はしょうがないから口に出した。
「だからね、好きだから、怖いの」
「依理愛……」
またまたぽかんとして。
もうっ。
私は早口で言った。
「好きで好きでしょうがないから憎らしいの。嫌いって思いたいの!! だって怖いんだもん。なんかこの気持ちに飲み込まれちゃいそうだしっ、ウォルターが離れてっちゃったら、私っ……!!」
カタンッ。
カップがテーブルに叩きつけられる。
え?
「依理愛!!」
ガタンと椅子から立ち上がったウォルターが私の手を握ってる。
ええ? えええ?
カップを握る私の両手にウォルターの両手が。
私の両手をやさしく包み込んで。
きょとんとして目を上げると、ウォルターがやさしく微笑んでいて。
そして、低くおだやかな、心が落ち着くような声で、静かに力強く言った。
「……怖いなら、俺が傍にいてやるよ」
呆然と見つめると、二カッと笑う。
「ずっと一緒にいてやるよ、依理愛」
「やっ……やだな、ウォルターってばっ……ホントバカッ!」
……もうっ、恥ずかしいことばっか言って、でも……。
ずっと一緒……。
それなら……。
「……うん、それなら怖くないかな」
「だろ?」
得意げに笑ってくれちゃって……。
カッコイイよ、やっぱり。
……うん、やっぱ、悔しいな。
(おしまい)