ウォルター夢(依理愛)
夢小説設定
この章の夢小説設定設定:学パロ(ウォルター高校生)。
主人公は普通の学生の女の子。
内容:ウォルター夢。
カレカノの間柄。甘々。乙女心たっぷり。
名前を変換しない場合『依理愛(いりあ)』になります。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「……なー、依理愛」
「……んー?」
「……」
「……」
「なぁ、依理愛ー……」
「……うーん」
私は今本を読んでいるところ。
勉強に関しているので勉強中ともいえる。
当然、いくら彼氏からの問いにだって、生返事になる。
「おい、依理愛ー……。おいって。なぁ、依理愛ーっ!」
「なに? ウォルター」
とうとう隣でわめき出した彼氏……ウォルター……に、口をとがらせて訊ねる。
やってきたとこに『今勉強中だから』って言ったら、『それでもいいから』って言うから、隣の椅子に座っててもらったのに。
さっきから、本を読む私の顔を、テーブルにしがみつくようにして伏せて、下から覗き込むようにして見上げ、何度も名前を呼んでくる。
……集中して勉強できないじゃん。
ムッとしている私の横で、ウォルターもムスッとしている。
「俺、ヒマなんだけど」
「知らないよー。私、勉強中って言ったじゃん!」
……もうっ、勝手なんだから。
わがまま彼氏様。
どうせ家に上がればかまってもらえると思ったんだろうけど。
私、ちゃんと勉強中だって断ったもん。
ここは冷たく『帰れば?』とか言ってやろうかと思って振り向いた。
「依理愛ー。なぁ、俺、……邪魔?」
「ウォルター、そんなことないけど……」
……うっ、赤い前髪のすき間から、悲しそうな目で見上げてくる。
捨てられた子犬みたいにしょんぼりとして。
そっ、そういうわけじゃないんだけどっ。
「べっ、勉強中って言ったら勉強中だもん!!」
強く言い切ってぷいっと顔を背けて本に目を落とす。
……ヤバイ、ヤバイ。つい一緒に遊びたくなっちゃう。
すっごい誘惑。
だって大好きな人が一緒なんだもん。
でも、だって、勉強しないとなぁ……。
ウォルターの傍にいられないじゃん?
「あ!!」
本を読み始めた私の手からその本がさっと取り上げられた。
立ち上がったウォルターによって。
「へへーっ」
やられた。
やんちゃないたずらっコみたいな笑みを浮かべて、手を伸ばして本を高く掲げて見せる。
「やだ、ちょっと、ウォルター!!」
「依理愛、ほら、取ってみろよ」
「もうっ、やめて! 返してよーっ!!」
私は立ち上がってせいいっぱい腕を伸ばしてウォルターから本を取り返そうとしてみる。
ウォルターはのけ反って私の手から逃れる。
「もうっ、ちょっとぉー!!」
「だってかまってくんねぇんだもん」
嬉しそうに笑って本を右に左に動かしてたくみに私の手を逃れる。
私は必死になってウォルターの体にぴったりくっついて手を伸ばした。
そしてハッとする。
……わ、広い胸……それにたくまし……。
なんか急に恥ずかしくなってそれをやめた。
そしてぷいっとしてそっぽを向いて言う。
「もう、いいよ、返してくんないなら。好きにすれば? もう遊んであげないもん」
「……」
横目でうかがうと、怒られたように肩を落として、しょんぼりとしている。
ただし、『自分は悪くない』というように唇をとがらせて。
すねちゃってる。
あーあ。
黙ってどうしようかなと思ってたら、ウォルターが急に本を開いて、私の方に向けた。
「……コイツと俺、どっちがカッコイイ?」
ええ……何その問い。でも、答えはもちろん、自分の彼氏様だよね。
「……ウォルター?」
私が『?』つきで答えると、ウォルターはさらにまた次のページをめくって見せた。
男の人の写真を指差して真面目に聞いてくる。
「じゃあ、コイツと俺じゃ、どっちがカッコイイ?」
私はぷっとふき出す。
……だってそれ、ハゲのおじさんじゃん。
「もちろんウォルターだよ」
「じゃあ、次は……」
こうしてさんざんどっちか選ばされた。
私の答えが変わることはもちろん一度もなかったんだけど。
「ねぇ、ウォルター、なに?」
とうとう我慢できなくなって訊いてみる。
「こんなことしてなんの意味があるの?」
ウォルターの黄色っぽい目が、じっと私を見つめて。
そして、フッと、今まで見せていたのとは違う笑みを見せた。
なんか、ちょっと悪そうな、怖いような笑い方して。
ゾクッとする。
意地悪そうな顔でウォルターが言った。
「『なに』って、勉強手伝ってやってんじゃん。誰が一番魅力的かのお勉強。依理愛、わかったらちゃんと俺のこと見ろよ」
「あ……」
もうっ。バカッ。バカバカッ。
……そんな得意げに笑って……。
顔が熱い。
恥ずかしいこと言ってくれちゃって~……。
私は上目遣いににらみつけて、頬をふくまらせる。
……もうもうっ、だって、そんなの……。
「ウォルター先生」
「はい、なんだね?」
気取って答えるのに笑ってしまう。
「それは得意分野だから、勉強はいりません」
そしてウォルターに飛びつく。
「おい、ちょっ、依理愛!」
真っ赤になって焦るウォルターに抱きついてにっこり笑いかけた。
「……でも、教えてくれたっていいよ!」
……だって、大好きだもん、あなたのこと。
(おしまい)