ウォルター夢(依理愛)
夢小説設定
この章の夢小説設定設定:学パロ(ウォルター高校生)。
主人公は普通の学生の女の子。
内容:ウォルター夢。
カレカノの間柄。甘々。乙女心たっぷり。
名前を変換しない場合『依理愛(いりあ)』になります。
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「ダリぃ」
予想された一言に私はがっくりと肩を落とした。
その言葉を発したウォルターはといえば、私の部屋でおせちの残りを食べ、こたつでごろんごろんしていたり。
あごを上に向けたせいで、赤い髪の毛が顔からはらりと落ちて、形のいい鼻があらわになる。
床に仰向けのまま両手をばーっと開いてのばしていて。
その格好で私を見上げている。
「正月のお参りなんてどこも混むだろ。いいじゃん、新年おめでとうだけで。俺、神社にお参りする習慣なんてないんだけどー」
『っていうか宗教が違う!!』とやたら力を入れて言う。
あうう。
そうなんだろうけどー。
それはわかってるんだけど……。
「私は行きたいの!! ウォルターと一緒にお参りに行きたい!! 混んでるのが嫌なら近所の小さい神社でもいいからー!!」
『お願い』『お願い』と、わがままを言ってみる。
「……」
ウォルターがしぶしぶと起き上がった。
「まぁ……依理愛がそこまで言うなら……ついていくだけでいいなら……」
私は両手をパンと叩き合わせて拝むようにして頭を下げた。
「ありがとう!!」
思った通り、近所の小さい神社は空いていて、それほど並ばずに済んだ。
先頭に出て、二度頭を下げ、二回拍手して、もう一回頭を下げる。
隣で寒そうにズボンのポケットに手を突っ込んだまま立っているウォルターにはびっくりしたけど。
それなりのこだわりがあるのかもと思って注意はやめた。
私がお願いしている間は静かにしていてくれたし。
一応お参りが終わって列から外れる。
「……で、何をそんなに熱心にお願いしてたの?」
興味津々といった様子のウォルターの問い。
結局ウォルターは何も願わなかったみたい。
私はべーっと舌を出した。
「言っちゃいけないんだよーっだ!」
「何それ」
「ホントだもーんっ!!」
私はぷいとそっぽを向いて前に出て少し早足で歩く。
ウォルターを置き去りにして。
だって……。
ウォルター、何もお願いしなかった。
私が……
ウォルターの健康とか、事故に遭わないようにとか、仲良くいられるようにとか、一生懸命お願いしている間、ぽけっと突っ立ってた。
まるでどうでもいいみたいに。
願い事は言っちゃいけないんだっていうけど……。
それだけじゃなくて。
「ウォルターは何も願うことがないのっ!?」
少し先を行ってからくるりと振り向いて訊いてみた。
ウォルターがきょとんとする。
瞬きしながら答えた。
「いや、だって……」
『んー』と鼻をぽりぽりと恥ずかしそうにかいて言う。
「依理愛と一緒にいるっていうのは、俺が決めていることだからさ」
『他には何もいらねぇし』なんてさらっと言う。
……もうっ!
もうっ!!
私は真っ赤になった顔を両手で隠した。
「バッ……カ言ってぇ……!」
くるりと背を向けて、前方に見える『たこやき屋』を指さした。
「ほら! 食べようよ!! 行こっ!!」
「OK!!」
ウォルターも今度は乗り気でふたりでお店に駆けて行った。
(おしまい)