野崎くん(NL)
12月25日、クリスマス。
どうせ瀬尾先輩から呼び出されるんだろうと、今日はまる1日あけておいた。バスケ部のみんなから誘われたクリスマスパーティーも断ったし、野崎先輩に呼ばれたアシスタントのクリスマス会も断った。
なのに……一向に瀬尾先輩からの連絡は無い。いつ呼び出されても出掛けられるようにと支度もすませて携帯の前で待機すること、すでに6時間。もう昼の3時をまわっていた。今日はもう連絡なしかな……と思っていると異常に元気な音楽が聞こえてきた
この着信音は……!とすぐさま携帯を手に取ると、短い電子音がして電話はすぐに繋がった
「はいっ!もしもし!!」
「おーおー!若!どうせ今1人だろ?ちょっとこっち来いよ!」
やっぱり、瀬尾先輩だ
「もう!!勝手に決めつけないでくださいよ!まぁ、1人なんですけど……!」
「結局1人なんだからいーじゃねーか、それにしても若、クリスマスにぼっちなんて、お前寂しいやつだなあ!」
「俺に電話してるってことは、瀬尾先輩も1人なんじゃないですか!」
いつも通り失礼極まりない先輩に、全く誰のせいで1人だと思ってるんだ。と心の中で反論したつもりが声に出ていたらしい。
「私はいいんだよ、これからお前と会うんだから」
「……っ本当にめちゃくちゃですね!瀬尾先輩!!もう、そっち行きますから早く場所教えて下さいよ!」
「おーおー、分かったよ場所は……」
瀬尾先輩から呼び出され場所は博物館。入り口の看板には、でかでかと、
「恐怖!!世界の危険生物展!!」
の文字。いかにも瀬尾先輩が好きそうなイベントだ。とゆうか、こんな所クリスマスに来るところじゃないだろ……。クリスマスと行ったらネズミの国とか水族館とか……
そこまで考えて気がつく。これじゃ、まるで俺が瀬尾先輩とそんな所に行きたいみたいじゃないか……!断じてそんなことはない!俺が一緒に行きたいのはローレライさんで、瀬尾先輩なんかじゃ……!と1人で必死に言い訳していると、聞き慣れたあの声が聞こえてきた。
「よー!若!!久しぶりだな!!」
「瀬尾先輩……久しぶりって一昨日も会ったじゃないですか……」
「あれ?そうだったけな……?おっかしいな……」
「もう!きちんと覚えてて下さいよ!それにしても、またいかにも瀬尾先輩が好きそうな展示ですよね……」
「わりーわりー!だろ?見るからに面白そーだよな!!告知見たときから若を連れてこうって決めてたんだよ。早く行こうぜ!」
「ちょっと!瀬尾先輩待って下さい……!」
全く、なんでいつもいつも俺なんだ……!
渋々ついて行った展示には、毒蜘蛛だとか、食べたら死に至る魚だとかとにかくあまり精神衛生上よろしくない写真や標本が並んでいた。それを見て大爆笑する瀬尾先輩は、やっぱりどこかおかしいのだと再認識させられる。
そうして1通りまわって博物館を出た頃にはあたりはすっかり暗くなっていた。辺りには、クリスマスのイルミネーションが煌めいている。
ここにきてやっとクリスマスらしい景色を見たなんて、賑やかなイルミネーションに見入っていたけど、そんなムードは瀬尾先輩のはしゃぎ声にあっという間にかき消されてしまう。
「おー!若!なんかカップルばっかりだな!!カップルの間に叫びながら割り込む遊びしようぜ!ひゅー!」
相変わらず、本当にめちゃくちゃだなこの人は。
「もう!瀬尾先輩!恥ずかしいのでやめて下さいよ!!」
それにしても、人が多いな…。堀先輩だったら足をみてタイツの厚さがどうとかこの足がどうとか言い出しそうだよな……
「あ!瀬尾先輩!なんでこんな時まで素足なんですか!!ええっと…何か足隠すもの…とりあえずこれでも腰に巻いといて下さい!ちょっとは隠れるんで!」
そういって俺は自分の着ていたコートを脱いで瀬尾先輩の腰に巻き付けた
「もう!瀬尾先輩はなんでそんなんなんですか!?いくら元気いっぱいだけがとりえの瀬尾先輩だって、一応女性なんですから体冷やしたらダメでしょう!?」
「おぅ……悪いな若」
「さぁ!行きますよ、瀬尾先輩!」
本当ほっといたら何するか分からないんですから……!
とぶつぶつ言いながら、俺は瀬尾先輩の小さな手を握って歩き出す。もちろん、手綱代わりだ。
「瀬尾先輩はもっとローレライさんを見習って下さい!きっと、ローレライさんならもっと……ってなんでそんなに嬉しそうにニヤニヤしてるんですか!俺の話聞いてます!?」
あぁ、この人は本当に今日も意味不明だ。
どうせ瀬尾先輩から呼び出されるんだろうと、今日はまる1日あけておいた。バスケ部のみんなから誘われたクリスマスパーティーも断ったし、野崎先輩に呼ばれたアシスタントのクリスマス会も断った。
なのに……一向に瀬尾先輩からの連絡は無い。いつ呼び出されても出掛けられるようにと支度もすませて携帯の前で待機すること、すでに6時間。もう昼の3時をまわっていた。今日はもう連絡なしかな……と思っていると異常に元気な音楽が聞こえてきた
この着信音は……!とすぐさま携帯を手に取ると、短い電子音がして電話はすぐに繋がった
「はいっ!もしもし!!」
「おーおー!若!どうせ今1人だろ?ちょっとこっち来いよ!」
やっぱり、瀬尾先輩だ
「もう!!勝手に決めつけないでくださいよ!まぁ、1人なんですけど……!」
「結局1人なんだからいーじゃねーか、それにしても若、クリスマスにぼっちなんて、お前寂しいやつだなあ!」
「俺に電話してるってことは、瀬尾先輩も1人なんじゃないですか!」
いつも通り失礼極まりない先輩に、全く誰のせいで1人だと思ってるんだ。と心の中で反論したつもりが声に出ていたらしい。
「私はいいんだよ、これからお前と会うんだから」
「……っ本当にめちゃくちゃですね!瀬尾先輩!!もう、そっち行きますから早く場所教えて下さいよ!」
「おーおー、分かったよ場所は……」
瀬尾先輩から呼び出され場所は博物館。入り口の看板には、でかでかと、
「恐怖!!世界の危険生物展!!」
の文字。いかにも瀬尾先輩が好きそうなイベントだ。とゆうか、こんな所クリスマスに来るところじゃないだろ……。クリスマスと行ったらネズミの国とか水族館とか……
そこまで考えて気がつく。これじゃ、まるで俺が瀬尾先輩とそんな所に行きたいみたいじゃないか……!断じてそんなことはない!俺が一緒に行きたいのはローレライさんで、瀬尾先輩なんかじゃ……!と1人で必死に言い訳していると、聞き慣れたあの声が聞こえてきた。
「よー!若!!久しぶりだな!!」
「瀬尾先輩……久しぶりって一昨日も会ったじゃないですか……」
「あれ?そうだったけな……?おっかしいな……」
「もう!きちんと覚えてて下さいよ!それにしても、またいかにも瀬尾先輩が好きそうな展示ですよね……」
「わりーわりー!だろ?見るからに面白そーだよな!!告知見たときから若を連れてこうって決めてたんだよ。早く行こうぜ!」
「ちょっと!瀬尾先輩待って下さい……!」
全く、なんでいつもいつも俺なんだ……!
渋々ついて行った展示には、毒蜘蛛だとか、食べたら死に至る魚だとかとにかくあまり精神衛生上よろしくない写真や標本が並んでいた。それを見て大爆笑する瀬尾先輩は、やっぱりどこかおかしいのだと再認識させられる。
そうして1通りまわって博物館を出た頃にはあたりはすっかり暗くなっていた。辺りには、クリスマスのイルミネーションが煌めいている。
ここにきてやっとクリスマスらしい景色を見たなんて、賑やかなイルミネーションに見入っていたけど、そんなムードは瀬尾先輩のはしゃぎ声にあっという間にかき消されてしまう。
「おー!若!なんかカップルばっかりだな!!カップルの間に叫びながら割り込む遊びしようぜ!ひゅー!」
相変わらず、本当にめちゃくちゃだなこの人は。
「もう!瀬尾先輩!恥ずかしいのでやめて下さいよ!!」
それにしても、人が多いな…。堀先輩だったら足をみてタイツの厚さがどうとかこの足がどうとか言い出しそうだよな……
「あ!瀬尾先輩!なんでこんな時まで素足なんですか!!ええっと…何か足隠すもの…とりあえずこれでも腰に巻いといて下さい!ちょっとは隠れるんで!」
そういって俺は自分の着ていたコートを脱いで瀬尾先輩の腰に巻き付けた
「もう!瀬尾先輩はなんでそんなんなんですか!?いくら元気いっぱいだけがとりえの瀬尾先輩だって、一応女性なんですから体冷やしたらダメでしょう!?」
「おぅ……悪いな若」
「さぁ!行きますよ、瀬尾先輩!」
本当ほっといたら何するか分からないんですから……!
とぶつぶつ言いながら、俺は瀬尾先輩の小さな手を握って歩き出す。もちろん、手綱代わりだ。
「瀬尾先輩はもっとローレライさんを見習って下さい!きっと、ローレライさんならもっと……ってなんでそんなに嬉しそうにニヤニヤしてるんですか!俺の話聞いてます!?」
あぁ、この人は本当に今日も意味不明だ。
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