光壊以外の話
「ボクねープラントなんて大っ嫌い」
いきなり笑顔でそう言ってくるタイムに言われたプラントは固まってしまっていた。
しばらくの沈黙の後、プラントは口を開いた。
「そうか・・・」
その一言を発しただけでそれ以降タイムの顔を見ようともしない。
そんな様子のプラントを見たタイムは不安そうにプラントの名を呼んだ。
「ぷ、プラント・・・?」
「タイムは私のことが嫌いなのだろう?」
プラントの口から発せられた言葉に、タイムを顔を青ざめさせた。
「ち、違うよ!今日エイプリルフールだよ!?嘘ついていい日なんだよ!?」
「私が人の行事を嫌っていることくらいわかっているだろう」
プラントは人間の行う行事を嫌う。だが、時には七夕のようにタイムとともに行事に参加していることは知っている。
あくまでこっそりなので、プラントはこのことをあまり知られたくはないようだ。
「ごめんね!ボク、プラントのこと大好きだよっ!!」
「・・・それも嘘か」
「違うってばーーー!!」
焦りながら違うと一生懸命伝えてみてもプラントはタイムに背を向けたままだ。
だが、俺は知っている。プラントが全部わかっててタイムをからかっていることを。
いくらタイムに背中を向けてても、俺から見ればプラントの顔は正面に当たる。そしてその口には笑みが浮かんでいたから。
昔、全ての人間に殺意を持っていたとは思えないほど今のプラントは穏やかだ。
プラントの昔を知っている俺としては、そして対峙したときに見せ付けられた殺意の大きさを味わった俺としては、この穏やか過ぎる時間がとても信じられない。
ここまでプラントを変えることのできたロックマンとタイムには少しだけ嫉妬していまいそうなほどだ。
「プラントー・・・」
ついに泣き出してしまったタイムにようやくプラントはくるりと振り返り、
「すまん、嘘だ」
とタイムの頭を撫でていた。きっと苦笑しているであろうその顔で。
「?・・・!!」
最初はよくわからずに泣いていたタイムだが、すぐに気づいたらしく怒った顔になって
「プラントのばかー!!大っ嫌い!!」
とプラントをポカポカと殴りつけていた。
「ああ、私もタイムが嫌いだぞ?」
そんなタイムを抱きしめながら、プラントは「嘘」の言葉を発した。
それを聞いたタイムはプラントの腕の中で暴れてはいたが、その顔は怒ったような泣き笑いを浮かべていた。
そんな光景を微笑ましく見守っていたのだが・・・
「これ・・・ヒートに通用するかな」
実はずっと隣で俺と同じ光景を見つめていたウッドが突然口を開いた。
「ヒートはさ、多分普通にわかってるから・・・」
俺の予想では
『俺ヒートのことなんか嫌いだぜ!?』
『へーそっかぁ・・・ウッドはボクが嫌いなんだー』
『え、ち、ちが・・・ヒートぉぉぉぉ!!』
になるか、
『俺ヒートのことなんか嫌いだぜ!?』
『ボクは大好き!!』
『本当かヒート!!』
『うっそー、エイプリルフールでしたー』
『う、うわーん』
のどちらかになる気がする。
そう言うウッドを見て、よくかわってるじゃないかと思った。
「だけどな、嘘でも大好きなんて言われたら俺はマジで嬉しくて満開になると思うんだ」
まぁこいつのことだから本当に満開にさせるだろうな。
「咲くのが桜なら花見でもしてやるんだが・・・」
「まかせろ、ヒートにそんなこと言われたら俺はなんでもできるぞ」
そう言って去って行ったウッドを見送ったあと、
「おーい二人とも、今日はウッドの満開桜で花見だぞー」
そう言いながらタイムとプラントの元に駆け寄った。
しかし、あそこの家は長男と末っ子だけは本当に兄弟なんだなぁと思った。
.
いきなり笑顔でそう言ってくるタイムに言われたプラントは固まってしまっていた。
しばらくの沈黙の後、プラントは口を開いた。
「そうか・・・」
その一言を発しただけでそれ以降タイムの顔を見ようともしない。
そんな様子のプラントを見たタイムは不安そうにプラントの名を呼んだ。
「ぷ、プラント・・・?」
「タイムは私のことが嫌いなのだろう?」
プラントの口から発せられた言葉に、タイムを顔を青ざめさせた。
「ち、違うよ!今日エイプリルフールだよ!?嘘ついていい日なんだよ!?」
「私が人の行事を嫌っていることくらいわかっているだろう」
プラントは人間の行う行事を嫌う。だが、時には七夕のようにタイムとともに行事に参加していることは知っている。
あくまでこっそりなので、プラントはこのことをあまり知られたくはないようだ。
「ごめんね!ボク、プラントのこと大好きだよっ!!」
「・・・それも嘘か」
「違うってばーーー!!」
焦りながら違うと一生懸命伝えてみてもプラントはタイムに背を向けたままだ。
だが、俺は知っている。プラントが全部わかっててタイムをからかっていることを。
いくらタイムに背中を向けてても、俺から見ればプラントの顔は正面に当たる。そしてその口には笑みが浮かんでいたから。
昔、全ての人間に殺意を持っていたとは思えないほど今のプラントは穏やかだ。
プラントの昔を知っている俺としては、そして対峙したときに見せ付けられた殺意の大きさを味わった俺としては、この穏やか過ぎる時間がとても信じられない。
ここまでプラントを変えることのできたロックマンとタイムには少しだけ嫉妬していまいそうなほどだ。
「プラントー・・・」
ついに泣き出してしまったタイムにようやくプラントはくるりと振り返り、
「すまん、嘘だ」
とタイムの頭を撫でていた。きっと苦笑しているであろうその顔で。
「?・・・!!」
最初はよくわからずに泣いていたタイムだが、すぐに気づいたらしく怒った顔になって
「プラントのばかー!!大っ嫌い!!」
とプラントをポカポカと殴りつけていた。
「ああ、私もタイムが嫌いだぞ?」
そんなタイムを抱きしめながら、プラントは「嘘」の言葉を発した。
それを聞いたタイムはプラントの腕の中で暴れてはいたが、その顔は怒ったような泣き笑いを浮かべていた。
そんな光景を微笑ましく見守っていたのだが・・・
「これ・・・ヒートに通用するかな」
実はずっと隣で俺と同じ光景を見つめていたウッドが突然口を開いた。
「ヒートはさ、多分普通にわかってるから・・・」
俺の予想では
『俺ヒートのことなんか嫌いだぜ!?』
『へーそっかぁ・・・ウッドはボクが嫌いなんだー』
『え、ち、ちが・・・ヒートぉぉぉぉ!!』
になるか、
『俺ヒートのことなんか嫌いだぜ!?』
『ボクは大好き!!』
『本当かヒート!!』
『うっそー、エイプリルフールでしたー』
『う、うわーん』
のどちらかになる気がする。
そう言うウッドを見て、よくかわってるじゃないかと思った。
「だけどな、嘘でも大好きなんて言われたら俺はマジで嬉しくて満開になると思うんだ」
まぁこいつのことだから本当に満開にさせるだろうな。
「咲くのが桜なら花見でもしてやるんだが・・・」
「まかせろ、ヒートにそんなこと言われたら俺はなんでもできるぞ」
そう言って去って行ったウッドを見送ったあと、
「おーい二人とも、今日はウッドの満開桜で花見だぞー」
そう言いながらタイムとプラントの元に駆け寄った。
しかし、あそこの家は長男と末っ子だけは本当に兄弟なんだなぁと思った。
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