3.死よりもつらいこと


次の話に進む前の補足

クイックはクラッシュとフラッシュの関係を知っています。
馬鹿なのに。
馬鹿だけど野性の勘は鋭いのです。
あの日2人の間になにがあったのかも知っているのはクイックだけなのです。クイックにとって2人はとても大切な存在です。だからこそ自分をのけ者にされるのが気に食わないのです。
どんなにクイックが2人を愛していても2人の間に入ることができないのです。だからクイックは嫉妬するのです。
クラッシュもフラッシュも2人の時間のときはクイックのことなど目にも入っていないのでさらにクイックは苛立ちます。
でも2人の苦悩を理解しているので直接手を出すということはしませんでした。
いままでは。
クイックはついに2人を引き裂いたのです。
一番してはならない方法で。
フラッシュは自分の一番見られたくない姿をクラッシュに見られてしまいました。そしてクラッシュはクイックによって心を壊されてしまうのです。
フラッシュはクラッシュの心を取り戻そうとしますが、クラッシュにはもうフラッシュの声すら届かなくなってしまっていたのです。2人の関係が元に戻るときは果たして来るのでしょうか?

クイックのしたことはフラッシュを絶望のふちにたたせ、クラッシュの心を壊してしまいました。
二人が心を通わせているときにクイックはきました。そしてフラッシュを押し倒したのです。
クラッシュがフラッシュを助けようとしたとき、フラッシュはそれを拒みました。自分がこれからされることを知っていたからです。その姿だけはクラッシュに見られるわけにはいかないのです。
もし見られてしまったらクラッシュの心が完全に壊れてしまうことを知っていたからです。
自分がクラッシュだけのものではないということを知らしめることになるからです。
クラッシュの心の支えであるフラッシュを失うということは、クラッシュにとって耐え難いことなのです。
心が壊れてしまうのです。
それは、死ぬことよりもつらいことなのです。

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