単発

いつものように部屋を訪れたフラッシュと他愛もない話をしていた。そんなとき、フラッシュの後ろの壁に飾ってるカレンダーの日付に目がいった。
そうだ、今日は。

「今日は俺様の日です」
「は?」
突然そう言われたフラッシュはよくわかっていないようだ。仕方ないからちゃんと説明してやる。
「2月13日、セカンドナンバーズNo.13、つまり俺様の日です」
後ろを振り返りカレンダーを確認したフラッシュは「・・・ああ」と納得したようだった。
「だったら・・・」
そう言うとフラッシュは立ち上がり、カレンダーの2月の文字を塗りつぶし横に14月と書いた。・・・人のカレンダーに何するんだ。
「こうすりゃ俺たちの日だな」
と、所謂ドヤ顔という表情で言った。
「は?」
「午後2時は14時とも言うだろ?」
「それは時間であってそれが月日にもそれが当てはまると思うなハゲ」
腹部にドリルを刺してやった。
「お兄様。ドリル刺さってますお兄様。痛いですお兄様」
「お兄様お兄様うるさい」
「じゃあハニー?」
刺したドリルを回してやった。
「・・・!!!!!」
声にならない叫びが響いた。うるさい。

のたうち回る愚弟を見て、さすがにこのまま放っておくわけにはいかないと修理してもらうことにした。自業自得のくせに。
「今日が俺様たちの日だったら昨日はお前とクイックの日か?」
博士の部屋に着くまでの間、疑問に思ったことを聞いてみた。2月が14月だというのなら、今日以外もそういうことになる。それはなんか嫌だ。
「いやいや14月が有効なのは13日だけですから。俺、お兄様一筋ですから。」
後ろから覗き込むようにして言ってくるフラッシュの言葉に顔が熱くなった。こんな、たった一言で嬉しくなってしまう自分がなんだか恥ずかしくて誤魔化すように顔を逸らした。
「・・・お兄様って言うな」
「じゃあダーリン?」
投げ飛ばしてやった。
思いっきり壁に激突していたがまぁ大丈夫だろう。これも自業自得だ。


フラッシュの修理が終わったところで、今度はフラッシュの部屋に来ていた。
「明日は俺の日でバレンタインなので、お兄様を下さい」
「・・・」
どうしてくれようこの愚弟。

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