恋人の日
恋人の日2018
俺にはここ数年頭を悩ませている問題がある。ずっと解決できずにズルズルと先延ばしにしている極めて重大な問題だ。
しかし解決策が一向に見つからない。このまま今年も解決できないまま終わってしまうのだろうか。
それだけは避けたい。
と、いうわけで。
「質問、『来年こそ惚れ直させる』なんて大口を叩いて数年経ちましたが未だにフラグが回収できません。どうしたらいいのでしょうか?」
「知るかハゲ」
「自分で考えてよ」
リビングで寛いでいたクイックとヒートを巻き込んで緊急会議を開くことにした。
どちらも乗り気には見えないがこの二人なら悩みを共有できそうな気がする。本当はヒートよりウッドの方が立場的には似ているのだがこの場にいないのだから仕方ない。
「そもそも惚れ直させるってどうやるんだ?俺がクラッシュに惚れ直す瞬間を真似すればいいのか?」
つまり破壊神降臨すればいいのか?いや俺破壊神じゃねーし。でもデジタル面では破壊神かもしれないな。・・・フフッ
・・・やばい、これは恥ずかしいぞ。自分で言っておいてなんだが、これは恥ずかしいぞ。
この二人に聞かれなくてよかった。いや、誰に聞かれてもダメだな。多分全員ネタにしてくる。それはクラッシュも例外ではないだろう。
からかってくるクラッシュか・・・いいな。
「きもっちわり」
それは何に対して吐かれた言葉だったのだろうか。
聞こえてないよな?心の声聞かれてたりしないよな?おいなんだその顔は。
「惚れ直す瞬間なんて人それぞれだろ」
気まずい空気が流れ始めたとき、その空気を崩すようにクイックが発言する。正直助かった。
しかしまるで自分はわかってますと言わんばかりの発言に少しイラッとした。
「じゃあ参考にもならなさそうだが一応聞いてやる。お前がバブルに惚れ直す瞬間ってどんなだ?」
「ちょっと待て!!・・・俺がバブルに惚れ直す瞬間ってどういうことだ?」
「だってバブル好きだろお前」
ある種の意趣返しだ。気が付かないとでも思ったか。
「くぁwせdrftgyふじこlp;」
煙出して使い物にならなくなってしまったクイックは放置する。参考になるならないの問題ではなかった。とりあえず、ざまぁ。
それにしてもこいつ無自覚だったのか。それとも兄弟愛的なやつとか勘違いしてる?まぁどうでもいいか。
「で、ヒートがウッドに惚れ直す瞬間ってどんな時だ?」
興味なさそうにしていたヒートにも話を聞いてみる。
「は?惚れ直すとかないし、そもそも惚れてないし」
バカじゃないの?というおまけまで聞こえてきそうなほど呆れきった顔をされた。
「ってか当日に悩んでる時点で救えないよね。あーあ、クラッシュかわいそう」
「それに関しては反論の余地もございません」
「ああそれと、ボクが惚れてるんじゃなくて、あっちに惚れさせてるだけだから」
「う、うわぁ、流れるように惚気やがった」
「惚気じゃないし。まぁせいぜい頑張ってね、デジタル面では破壊神(笑」
言いながら部屋を出て行くヒートを見送る・・・ってちょっと待て!!!
「聞こえてたんじゃねーか!!」
ダメだ一生いじられるやつだこれ!!!
結局解決策も見出せないまま緊急会議は幕を閉じた。あんなのは緊急会議(笑)だ。
「だって、どうしたらいいんだよ・・・」
どんな任務のときより集中して時間を割いてしまう。それだけ大事な問題なんだ。
大口叩いたのだから実行したい、なによりクラッシュに惚れ直して欲しい。
別に嫌われてるなんて思ってない、今以上に好きになって欲しいだけだ。現状に満足していないわけではないが、かっこいいとか、好きだとかたくさん言って欲しい。ただそれだけなんだ。
・・・なんだ、じゃあ答えは簡単じゃないか。
惚れ直して欲しいと思う本人を放置して、自分だけで悩んで、それで答えが出るわけがない。心も体も離れてしまったら見えるものなんて何もないじゃないか。
離れてたって心は繋がってる、なんてそんなの言い訳にすぎない。
そばにいないと意味がないじゃないか。
だから
「クラッシュ」
「ん?」
ずっと同じ空間にいたのは知っていた。気持ち良さそうに寝ていたからそのままにしておいただけで。いつから起きていたかなんて聞くのは野暮というものだろう。
「俺、無理に惚れ直させようとすんのやめるわ」
無理矢理惚れ直させてなんの意味がある。
「うん」
いつか絶対惚れ直させてみせるから。かっこいいって言わせてみせるから。
「だから、その時がくるまでずっと待っててくれませんかね」
「期待してるぜ、デジタル面では破壊神?」
「・・・勘弁してください」
あー、聞こえちゃってるじゃないですかやだー。けどクラッシュにいじられるのは悪くないと思ってしまうのだ。
これが惚れた弱みって奴ですかね。
「けど、恋人を放置する恋人の日ってどうなんだろうな?」
「それは本当にすいませんでした!!!!!」
.
俺にはここ数年頭を悩ませている問題がある。ずっと解決できずにズルズルと先延ばしにしている極めて重大な問題だ。
しかし解決策が一向に見つからない。このまま今年も解決できないまま終わってしまうのだろうか。
それだけは避けたい。
と、いうわけで。
「質問、『来年こそ惚れ直させる』なんて大口を叩いて数年経ちましたが未だにフラグが回収できません。どうしたらいいのでしょうか?」
「知るかハゲ」
「自分で考えてよ」
リビングで寛いでいたクイックとヒートを巻き込んで緊急会議を開くことにした。
どちらも乗り気には見えないがこの二人なら悩みを共有できそうな気がする。本当はヒートよりウッドの方が立場的には似ているのだがこの場にいないのだから仕方ない。
「そもそも惚れ直させるってどうやるんだ?俺がクラッシュに惚れ直す瞬間を真似すればいいのか?」
つまり破壊神降臨すればいいのか?いや俺破壊神じゃねーし。でもデジタル面では破壊神かもしれないな。・・・フフッ
・・・やばい、これは恥ずかしいぞ。自分で言っておいてなんだが、これは恥ずかしいぞ。
この二人に聞かれなくてよかった。いや、誰に聞かれてもダメだな。多分全員ネタにしてくる。それはクラッシュも例外ではないだろう。
からかってくるクラッシュか・・・いいな。
「きもっちわり」
それは何に対して吐かれた言葉だったのだろうか。
聞こえてないよな?心の声聞かれてたりしないよな?おいなんだその顔は。
「惚れ直す瞬間なんて人それぞれだろ」
気まずい空気が流れ始めたとき、その空気を崩すようにクイックが発言する。正直助かった。
しかしまるで自分はわかってますと言わんばかりの発言に少しイラッとした。
「じゃあ参考にもならなさそうだが一応聞いてやる。お前がバブルに惚れ直す瞬間ってどんなだ?」
「ちょっと待て!!・・・俺がバブルに惚れ直す瞬間ってどういうことだ?」
「だってバブル好きだろお前」
ある種の意趣返しだ。気が付かないとでも思ったか。
「くぁwせdrftgyふじこlp;」
煙出して使い物にならなくなってしまったクイックは放置する。参考になるならないの問題ではなかった。とりあえず、ざまぁ。
それにしてもこいつ無自覚だったのか。それとも兄弟愛的なやつとか勘違いしてる?まぁどうでもいいか。
「で、ヒートがウッドに惚れ直す瞬間ってどんな時だ?」
興味なさそうにしていたヒートにも話を聞いてみる。
「は?惚れ直すとかないし、そもそも惚れてないし」
バカじゃないの?というおまけまで聞こえてきそうなほど呆れきった顔をされた。
「ってか当日に悩んでる時点で救えないよね。あーあ、クラッシュかわいそう」
「それに関しては反論の余地もございません」
「ああそれと、ボクが惚れてるんじゃなくて、あっちに惚れさせてるだけだから」
「う、うわぁ、流れるように惚気やがった」
「惚気じゃないし。まぁせいぜい頑張ってね、デジタル面では破壊神(笑」
言いながら部屋を出て行くヒートを見送る・・・ってちょっと待て!!!
「聞こえてたんじゃねーか!!」
ダメだ一生いじられるやつだこれ!!!
結局解決策も見出せないまま緊急会議は幕を閉じた。あんなのは緊急会議(笑)だ。
「だって、どうしたらいいんだよ・・・」
どんな任務のときより集中して時間を割いてしまう。それだけ大事な問題なんだ。
大口叩いたのだから実行したい、なによりクラッシュに惚れ直して欲しい。
別に嫌われてるなんて思ってない、今以上に好きになって欲しいだけだ。現状に満足していないわけではないが、かっこいいとか、好きだとかたくさん言って欲しい。ただそれだけなんだ。
・・・なんだ、じゃあ答えは簡単じゃないか。
惚れ直して欲しいと思う本人を放置して、自分だけで悩んで、それで答えが出るわけがない。心も体も離れてしまったら見えるものなんて何もないじゃないか。
離れてたって心は繋がってる、なんてそんなの言い訳にすぎない。
そばにいないと意味がないじゃないか。
だから
「クラッシュ」
「ん?」
ずっと同じ空間にいたのは知っていた。気持ち良さそうに寝ていたからそのままにしておいただけで。いつから起きていたかなんて聞くのは野暮というものだろう。
「俺、無理に惚れ直させようとすんのやめるわ」
無理矢理惚れ直させてなんの意味がある。
「うん」
いつか絶対惚れ直させてみせるから。かっこいいって言わせてみせるから。
「だから、その時がくるまでずっと待っててくれませんかね」
「期待してるぜ、デジタル面では破壊神?」
「・・・勘弁してください」
あー、聞こえちゃってるじゃないですかやだー。けどクラッシュにいじられるのは悪くないと思ってしまうのだ。
これが惚れた弱みって奴ですかね。
「けど、恋人を放置する恋人の日ってどうなんだろうな?」
「それは本当にすいませんでした!!!!!」
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