西園寺晴星の嗜好品
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私はね、ひどい女なのよ。
あの後、あのひどい事件のあとね、私は修行の旅に出たのよ。
兄弟はみんなバラバラに、散り散りな場所で鍛錬に励んでいたわ。
私もそうよ、私たちの中で一人として同じ呼吸使いはいないわ。
あの頃は純粋だった。
純粋で、無垢で、バカだった。
何も知らないの、何も。
この世界の仕組みや汚ささえも。
ねえ、私の師匠はどんな人だったと思う?
私がこんなにもひねくれているから、それに見合った嫌味な人間かしら?
いいえ、いいえそんなことはなかったわ。
決してそんなことはなかった。
善良な人間だったの。
だから、彼女は私に優しく、丁寧に接して教えてくれた。
とてもとても大切に育ててくれたわ。
時に厳しく時に優しく、ほんと……理想の教師ってやつ。
今となってはツバ吐きたいくらい嫌いな人物像だけど、当時は本当に大好きだったし、慕っていた。
おまけに、あの人教えるの上手なのよね、階級とかぐんぐん上がっちゃったわ。
あと数年生き残ったら柱かしら……そんなものになれる器じゃないけどね。
まあ、こんなぼやきはどうでもいいわ。
最終選別も終わって、ついに鬼を殺しに行くことができるようになったわ。
最初の任務だったから、緊張半分、本当は浮き足立ってたんだけどね。
その時、私の先に他の隊士がいたのよ。
鬼に襲われて、戦況は劣勢で……今にも死にそうだったわ。
私は優しかったから、そいつのこと助けてやったのよ。
そしたら、そいつお礼言ってきてさぁ、滑稽よね、後輩を守る立場の人間が、逆に守られちゃって。
でさ、それからそいつとも仲良くなって、一緒に行動するようになって……
一年くらい経った頃かしら。
私、そいつよりも階級も上がって、鬼狩りの腕も板についてきた頃ね。
私、敵に追い込まれちゃって。
裏切られたのよ、人間に。
そいつ、私のことを騙して、最後は生贄だの何だのって……
まるで、人とすら見てないようだった。
鬼だって、鴉が言っていた何倍も強かった。
何もかもに陥れられた気分だったわ。
そんな時、あいつが助けに来たのよ。
私より弱いくせに、私を遠くまで投げて……
「早く逃げろ」だってさ。
身代わりのつもりかしら。
まさか、あの時の恩返し?
全く。
本当に。
本当に。
どうしようもない人だった。
結局、その鬼はあいつも私も倒せなかった。
後から来た高い階級の人が、殺してくれた。
あいつは死んだ。
その事実しか残らなかったわ。
葬式の時、あいつの弟に泣かれたわ。
「どうして助けられなかった」って。
そんなの
そんなのどうすればいいってのよ。
それからも、色々あって……もう誰も信じられなくなっちゃった。
いい奴から先に逝くなら、私はどんな下衆にだってなってやるわ。
あいつの残りの寿命ぶん、生き抜いてやるんだから。
他人の喜んでる顔なんか大っ嫌い。
幸せなんて壊れちゃえばいいのに。
愛なんて不確かなもの存在しないってのに。
気持ち悪い、気持ち悪い。
心が汚い人は綺麗事ばかり言うのよ。
本当は、本当は私だって。
昔のままで……
「……魘されているじゃないか。貴様らしくもない。」
「能面をはっつけたみたいなそのツラ、いつかかき乱してやるつもりだったんだがな。こんなところで拝めるとは、思っていなかったぞ。」
「今夜は冷えるからな……体は暖かくしておくべきだろう。鬼殺の剣士がなんたる無防備か。」
「じゃあな、おやすみ。」
あの後、あのひどい事件のあとね、私は修行の旅に出たのよ。
兄弟はみんなバラバラに、散り散りな場所で鍛錬に励んでいたわ。
私もそうよ、私たちの中で一人として同じ呼吸使いはいないわ。
あの頃は純粋だった。
純粋で、無垢で、バカだった。
何も知らないの、何も。
この世界の仕組みや汚ささえも。
ねえ、私の師匠はどんな人だったと思う?
私がこんなにもひねくれているから、それに見合った嫌味な人間かしら?
いいえ、いいえそんなことはなかったわ。
決してそんなことはなかった。
善良な人間だったの。
だから、彼女は私に優しく、丁寧に接して教えてくれた。
とてもとても大切に育ててくれたわ。
時に厳しく時に優しく、ほんと……理想の教師ってやつ。
今となってはツバ吐きたいくらい嫌いな人物像だけど、当時は本当に大好きだったし、慕っていた。
おまけに、あの人教えるの上手なのよね、階級とかぐんぐん上がっちゃったわ。
あと数年生き残ったら柱かしら……そんなものになれる器じゃないけどね。
まあ、こんなぼやきはどうでもいいわ。
最終選別も終わって、ついに鬼を殺しに行くことができるようになったわ。
最初の任務だったから、緊張半分、本当は浮き足立ってたんだけどね。
その時、私の先に他の隊士がいたのよ。
鬼に襲われて、戦況は劣勢で……今にも死にそうだったわ。
私は優しかったから、そいつのこと助けてやったのよ。
そしたら、そいつお礼言ってきてさぁ、滑稽よね、後輩を守る立場の人間が、逆に守られちゃって。
でさ、それからそいつとも仲良くなって、一緒に行動するようになって……
一年くらい経った頃かしら。
私、そいつよりも階級も上がって、鬼狩りの腕も板についてきた頃ね。
私、敵に追い込まれちゃって。
裏切られたのよ、人間に。
そいつ、私のことを騙して、最後は生贄だの何だのって……
まるで、人とすら見てないようだった。
鬼だって、鴉が言っていた何倍も強かった。
何もかもに陥れられた気分だったわ。
そんな時、あいつが助けに来たのよ。
私より弱いくせに、私を遠くまで投げて……
「早く逃げろ」だってさ。
身代わりのつもりかしら。
まさか、あの時の恩返し?
全く。
本当に。
本当に。
どうしようもない人だった。
結局、その鬼はあいつも私も倒せなかった。
後から来た高い階級の人が、殺してくれた。
あいつは死んだ。
その事実しか残らなかったわ。
葬式の時、あいつの弟に泣かれたわ。
「どうして助けられなかった」って。
そんなの
そんなのどうすればいいってのよ。
それからも、色々あって……もう誰も信じられなくなっちゃった。
いい奴から先に逝くなら、私はどんな下衆にだってなってやるわ。
あいつの残りの寿命ぶん、生き抜いてやるんだから。
他人の喜んでる顔なんか大っ嫌い。
幸せなんて壊れちゃえばいいのに。
愛なんて不確かなもの存在しないってのに。
気持ち悪い、気持ち悪い。
心が汚い人は綺麗事ばかり言うのよ。
本当は、本当は私だって。
昔のままで……
「……魘されているじゃないか。貴様らしくもない。」
「能面をはっつけたみたいなそのツラ、いつかかき乱してやるつもりだったんだがな。こんなところで拝めるとは、思っていなかったぞ。」
「今夜は冷えるからな……体は暖かくしておくべきだろう。鬼殺の剣士がなんたる無防備か。」
「じゃあな、おやすみ。」