さしすの青春〜夏祭り〜
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花火大会当日
『え、さとる、お仕事?』
傑「そうなんだよ。すぐに終わらせて帰ってくるとは言ってたんだけど、流石に遠かったからね」
高専内で今日の授業が終わるのを待っていた名前。しかし待ち合わせ時間に来たのが夏油と家入だけだったため、五条はどうしたのかと聞くと、任務を振られてそっちに向かったということだった。
『・・・教えてほしかったな』
事前に教えてくれたら気持ちを整理できたのに、今言われても寂しくなるだけだ。
口を尖らせている名前を宥めながら花火大会の会場に向かっていく。
傑「花火は18時からの1時間だけだからさ、先に花火見て出店回りに行こうか」
『うん!』
会場に向かっている間に気持ちが落ち着いてきたのか、笑顔も増えた。
花火がよく見える丘に着くと人が既に場所取りをしていた。
傑「どこにしようか」
硝「あの辺空いてる」
数人分のスペースを見つけると、そこに向かい座り込んだ。
『花火かぁ・・・初めて見る』
傑「楽しみだね」
『うん』
世間話をしていると、花火開始時間になった。
ドンッ
ドドンッ
『わっ・・・』
いきなりの大きな音にビックリするが、空が虹色に光ったことで目を輝かせた。
『すごい・・・』
傑「ふふっ」
硝「いろんな形の花火とかもあるよ」
ジーっと空に上がる花火を楽しげに見ていた名前。
夏油も家入もニコやかにしている名前を見て楽しんでいた。
「パパ!花火見たらお祭り行こうね!」
「おう、いいぞ」
「やったぁ!パパ!私チョコバナナとクレープが食べたい!」
「両方買ってあげるよ」
「ちょっと、パパったら、甘いものあげすぎよ?」
『・・・・・』
ふと名前の前の方で家族が楽しそうに話しているのが見えた。
「また次の花火も、その次の花火も!
お祭りもいーーっぱい行こうね!」
「何度でも行けるさ。今年だけじゃなくて、来年だってその次だって行こうな」
「ふふ、気が早いわね」
花火どころではなかった。
名前はその家族から目が離せなくなっていた。
虚しくなるから目を背けたいのに、背けられない。
傑「名前?」
ボーッと花火ではなく前を見ていた名前に気づき、声をかけた。
『・・・・・また、次・・・』
傑「名前!」
夏油が名前の肩を揺すったことでハッとした。
家入も心配そうな顔で見ている。
硝「大丈夫?具合悪くなってきた?」
『え?ううん、大丈夫だよ』
年齢不相応の強がっている笑みを見せる名前に夏油と家入は心を痛めた。連れてこない方が良かったのではないかと。