さしすの青春〜大喧嘩〜
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『さとるのばかぁ・・・』
高専から走って出た名前は疲れて歩道を歩いていた。
帰ると言ったものの、歩いて帰ったことなど無いし、そもそも家がどっちにあるのかもわからなかった。
それに、夏油家に行けばいいと言われてしまったことがずっと名前の頭に刻まれていた。
もう五条家に帰るな、一緒にいるな、と言われたも同然だ。
ただ歩いてどうするのか、まだ幼くイライラもしている名前には考えることもできなかった。
平日の昼過ぎ、あまり人通りも無く静かな住宅街をフラフラ宛もなく歩く。
そこへ
ゴーーー・・・・。
車が通りかかり、名前の横で止まる。
チラリと横を見ると、車から男の人が顔を出す。
男「名前ちゃんだよね?五条家の当主に頼まれて来たんだけど、一緒に帰ろう」
『・・・・』
名前は男の顔をじっと見る。
そして男を睨んで答えた。
『お家におじさんみたいな人いない。
知らない人にはついてっちゃダメって言われてるもん』
そう言って走ろうとした時
ガバッ!!
『むぐ!??』
後ろから頭に布のようなものを被せられ、身体を掴まれた。
身体を動かそうにも大人の男性の力には到底及ばない。
あっという間に車の後部座席に詰め込まれてしまった。
車のドアが閉まり、すぐに発車する。
暴れないように押さえられロープでグルグル身体を巻かれる。
もう逃げられないだろうと思った男は名前の頭に被せた布を取った。
『・・・お家帰して!』
名前の隣にいる男を睨みながら話す。
男は何者だろうか。
だだ幼い子を狙った犯罪者か、身代金目当てか、五条への恨みか、呪詛師か。
男「帰さねぇよ。お前をエサに五条悟を殺すんだからな」
五条関係だった。
しかし、名前は外で術式を使ってはいけないと厳しく言われていたため、この男たちにどう対抗したらいいかわからなかった。
『(怖いよ・・・さとる・・・)』
強情に振る舞ってはいるが、恐怖と不安でいっぱいだった。しかも五条とは数十分前に大喧嘩をしたきりだ。
『(大嫌いって言っちゃったし、夏油家に行けって言われちゃったもんな・・・)』
きっと助けに来てくれることはないだろう。
このまま自分はこの男たちに殺されてしまうのだろうか。
30分ほど車は走り続け、とある古い建物に着いた。
『っ、痛いっ』
名前は車から引っ張り出され、建物の中に引き摺られていく。
建物に入るとドサッと放り投げられ、自分を見下ろしている男たちを睨みつけた。
『・・・・・』
男「おー怖。
怒っても帰さねぇよ、お前は五条悟を誘き出す餌だからな」
ここに来てから何分経っただろうか。
男たちは五条の首を持っていけばお金が入ると嬉しそうに話している。
『さとるにおじさんたちが勝てるわけ無いよ。
(・・・・さとるが来ればだけど)』
男「さっきから生意気なガキだな」
ドカッ
『ぅぐっ』
お腹を蹴られ、吹き飛んでしまった。
男2「おいおい、五条悟に会う前に殺したりすんなよ?
しかもソイツは他にも利用価値がありそうだ。高専を落とすとかな」