さしすの青春〜大喧嘩〜
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悟「そんな、自分を必死に見つけてくれる王子様なんているわけねーっつーの」
最初はいつもよりも機嫌が悪そうな五条に困惑していた名前だったが、小馬鹿にするように話す五条には怒りが湧いてきた。
『さとるだって、そんなんじゃ王子様にはなれないよ!』
悟「別にならなくて良いし」
『さとるよりすぐるさんの方が王子様みたいだもん!』
夏油の話を出されると、何故か五条もカチンと来る。
鬼ごっこの時もそうだった。夏油と自分を比べられてからこのイライラが始まったのだ。
『すぐるさんなら優しく私の話聞いてくれた!!』
悟「ああそうかよ、そんなに傑、傑って。
じゃあもう夏油家に行けばいいだろ!?」
『!!』
五条は言ってはいけない言葉を言ってしまった。
名前は反論できなくなり、目にブワッと涙を溜めると
『さとるのっ、ばかっ!!だいっきらい!!』
ダダダダッ!
硝「あっ、名前!」
走って教室から出ていく。
残された家入と五条。
硝「あんたねぇ!本当最低だよ!追いかけて!」
悟「何でだよ。傑の方が良いんだろ?アイツが帰ってきてからで良いだろ」
硝「信じらんない」
家入はそう言うと名前が出ていった方に走り出した。
しかし広い高専内、しかも入り組んでいて出入り口も複数ある。
硝「名前、どこに行っちゃったのよ」
校舎から出てしまったのだろうか。
高専の敷地外に出てしまったのだろうか。
校舎の窓から外を見ながら探すが、名前の姿はどこにも無かった。
4歳児とはいえ、普段から体力づくりをしていて一般の小学校低学年の子よりも足が速く持久力もある。
15分ほど探してみるが、全く見つからない。
外を探していた時、名前を知っている呪術師にすれ違ったため名前を見ていないか聞いた。
すると、走って高専の敷地から出ようとしていた名前にどこに行くのか聞いたところ、『お家に帰る』と言って出ていったそうだ。
呪術師は事の経緯を知らなかったため、外に五条家の迎えが来ていると思ってそのまま通したと話す。
硝「あちゃー・・・」
呪術師はどうかしたのか聞く。
家入は、大丈夫ですと返事をして急いで校舎に戻って行った。
硝「五条!」
五条は教室で呑気に携帯をいじっていた。
そんな五条に家入は声を荒げた。
硝「名前、外に出ちゃったって!家に帰るって言って!」
悟「あ?名前なら1人で帰れるだろ」
硝「何バカなこと言ってんの!歩いて帰れる距離じゃないでしょ!」
五条と家入が言い合っていると、夏油が帰ってきた。
ちょうど昼休みも終わる頃で夜蛾も一緒だった。
夏油と夜蛾は2人の険悪な雰囲気に困惑する。
傑「ただいま、どうかした?」
硝「名前が五条と喧嘩して外に出ちゃったって。家に帰るって言ってたみたいで」
焦って話す家入の言葉に、夏油と夜蛾はバッと五条の方を見る。
五条は自分は悪くないというような表情をしていた。
悟「そんなに気になるなら傑が追いかければ良いだろ?
名前は俺より傑の方が良いらしい」
何のことかわからないといった表情の夏油と夜蛾に、家入は事の経緯を簡潔に伝えた。
傑「悟、今回のことは全てお前が悪い」
夜「ああ」
悟「あぁ?何で俺?」
傑「私たちで言い合ってる場合じゃない、名前を探しに行くよ」
夜蛾も授業や鍛錬どころではないため、夏油たちに名前を探してくるよう伝えた。何かあったときのために自分は高専で待機していると。
夏油と夜蛾に言われると渋々立ち上がる五条。
硝「とりあえず五条家の方に向かって歩いてみる?」
傑「ああ。私の呪霊も使って探そう」
悟「・・・・・」
不貞腐れている五条は放っておき、夏油と家入はキョロキョロ周りを見ながら歩いていた。
20分ほど探していただろうか。
全く見つかる気配がなく、五条家の方にも応援を頼もうかという話になった時
ヒラッ
悟「!?」
五条の目の前に紙が落ちてきた。
カサ・・・と紙を開くと目を見開いた。
《お前と一緒にいるガキを預かった。
返してほしかったら五条悟1人で来い》
傑「これって」
硝「誘拐されたってこと?」
手紙の下には住所が載っていた。
悟「・・・・」
五条は手紙を見て固まっていた。
硝「まさか、行かないとか、無いよね」
五条は2人を見て口を開いた。