さしすの青春〜留守番の1年生〜
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七「普通に呼んでください」
『・・・・ななみさん』
怒られたかもしれないと思い、シュンとしながら呼ぶ。
七「別に怒ってはいませんよ」
『怒ってない?』
七「怒ってません」
『ホント?』
七「はぁー」
『(ビクッ)』
ため息をつかれたことにビクッと肩を震わせると、ポンと頭に手が乗せられた。
七「そんなにビクビクされたら私も悲しくなります」
そっと七海の顔を見ると、どこか悲しそうな表情をしていた。
灰「名前ちゃん、七海は不器用なだけなんだ!本当はとてもいい奴で優しいんだよ」
2年生が座学の時や任務に出払ってしまった時に、心配そうに名前を見ていることを教えてもらった。
灰「しかも、いつでもあげられるようにカバンにお菓子入ってるからね」
七「それは言わないで欲しいんだが」
『・・・・』
名前は七海の意外な姿に驚いていた。
そして避けていたことを申し訳なく思った。
『ななみさん、ごめんね』
七「私も怖がらせていたようで申し訳ない」
灰「よし!じゃあ七海と名前ちゃんがもっと仲良くなれるよう鬼ごっこしよう!」
七「ふっ、良いかもな」
『よし、じゃあ最初は私が鬼だよ!』
灰「捕まらないように頑張って逃げるぞ!!」
3人は楽しげに走り回っていた。
しばらく鬼ごっこを楽しむと、鍛錬の時間は終わりになった。
七「休憩しますか?お菓子ありますけど」
教室に戻ったあと、七海は先ほど灰原に言われた通りカバンからお菓子を取り出していた。
『もらっていいの?』
七「ええ。チョコとクッキー、どっちがいいですか?」
『・・・・・どっちも、は、ダメ?』
七「(小動物・・・)」
灰「もうちょっと押したら行けるかもよ!頑張れ名前ちゃん!」
固まっている七海に聞こえないよう小さい声で名前に話す灰原。
『チョコもクッキーもくーだーさいっ!』
灰「押すって、違っ・・・可愛いっ」
“押す”の意味がわからなかった名前は、七海の身体をグイグイ押しながらお菓子を要求する。
その時
悟「ただいまー」
ガラッと教室の扉が開き、2年生が帰ってきた。
悟「・・・何してんの?」
2年生の目に飛び込んできたのは、七海を必死に押している名前とそれを微笑ましく見ている灰原。
『あ!さとる!
ななみさんがね、お菓子くれるって言うから押してたの』
悟・傑・硝「???」
何のことだと首を傾げる2年生に、灰原が説明する。
押している意味がわかると笑っていた3人。
2年生が来たこともあり、少し恥ずかしくなってきたのか手を上げて降参のポーズをする七海。
七「もうあげますよ2つとも」
『やった!勝ったよ!』
名前は、チョコとクッキーをもらってご満悦だった。
傑「七海は名前に避けられなくなったのかい?」
悟「餌付けしたのか?」
五条と夏油は、七海と名前が仲良くなっていることに驚いていた。
七「餌付けではありませんよ、失礼ですね」
『そうだよ、鬼ごっこもしたもん』
チョコを食べながら七海のフォローをする名前。
悟「へぇ、あの七海がね」
『さとるとの鬼ごっこより楽しかったもんね!』
五条は手加減しない。名前が半泣きになりながら追いかけたり、五条が鬼の時にはすぐに捕まえて泣かせたりしている。
七海と灰原は最初から手加減しながら楽しめるようにしてくれていた。
悟「ふーん、じゃあこれから俺らがいない時にはお前らにも名前見てもらうわ」
灰「任せてください!」
『任せて!』
七「名前さん?」
1年生との距離が縮まった1日だった。
おわり
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