さしすの青春〜留守番の1年生〜
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やはり勝負はすぐについた。
五条、夏油の勝ち。
悟「おら、ジュース買ってこいよー」
傑「あまり後輩をイジメちゃダメだよ。あ、私はコーラ」
悟「しっかり頼んでんじゃねーか」
灰「行ってきます!!」
自販機に向かって走っていく灰原。
「七海はそこで待ってて!」と言って1人で向かっていった。
傑「元気だな」
七「はい、羨ましい限りです」
パシられているのに楽しそうな灰原を見ていた全員。
と、そこへ席を外していた夜蛾が戻ってきた。
硝「あ、先生。用は終わりました?」
夜「一応な。それで2年の3人に任務が出された」
『え』
夜蛾の言葉に真っ先に反応したのは名前だった。
3人が任務に行くということは自分はどうしたら良いのだろうかと。
時間がかかる任務であれば家に帰る、すぐに終わるのであれば高専で誰かと待つのがいつもの流れであった。
夜「多分すぐ終わる任務だ」
『じゃあ待ってる』
悟「オッケー」
夜蛾が残ると言っていたので、夜蛾、灰原、七海と共に留守番することになった。
『いってらっしゃい』
2年の3人を見送っていると走って戻って来る灰原。
灰「あれ!?夏油さんたちは?」
七「任務に向かった」
灰「ええ!?聞いてないよ!見送りたかったのに!」
悔しそうに地団駄を踏んでいる灰原だった。
夜蛾は1年生の様子を見て大丈夫だと思ったのか、席を外すと言って校舎に向かっていった。
『え、ちょ、夜蛾先生っ』
困ったように夜蛾に手を伸ばすが気づかれずに行ってしまった。
灰「しょうがない、僕たちで飲もうか」
灰原は、缶コーラを1つ七海に、ペットボトルのリンゴジュースを名前に渡す。すると突然固まる灰原。
灰「あ!!財布置いてきちゃった!」
『え、え、ゆうくん?』
灰原は猛ダッシュで自販機の所まで逆戻りする。
ということは、今ここには七海と名前の2人だけになったわけで、
『・・・・・』
七「・・・・・」
案の定気まずい雰囲気が流れていた。
とりあえずジュースでも飲もうとペットボトルのフタを開けようとする。
『ぅぅ・・・』
しかしフタは硬く、全く開く気配がなかった。
七「開けましょうか?」
『ぅえ?あー、えっと、あの、』
申し訳ないくらい吃ってしまう名前。
しかし、手伝ってくれると言うのにそれを断るのももっと申し訳ないと思ったため、七海にペットボトルを渡した。
一瞬でパキッとフタが開き、目を見開く。
『・・・・ありがとうございます』
七「いえ」
また沈黙。
ペットボトルを口につけ、傾けると
『っ、けほっ!ごほっ!』
緊張が身体に伝わったのか、むせてしまった。
七「何をしてるんですかあなたは」
そう静かに言いながらも背中を擦り、ポケットに入れていたであろうハンカチで顔を拭いてくれる。
『こほっ・・・』
七「落ち着きました?」
七海の言葉に頷く。
その時、灰原が走って戻って来る。
灰「あれ、何かあった?」
名前の背中を擦っている七海を見る灰原は笑いながら頭に?を浮かべていた。
『助けてもらいました、えっと・・・』
灰「七海?」
うん、と頷く名前に灰原は「うーん」と考える。
灰「七海も何か呼び方変えてもらったら?」
七「は?」
灰「ほら、僕は“ゆうくん”だろ?五条さんは“さとる”、夏油さんと家入さんは名前に“さん”付けだからさ」
なんて呼ぶ?と詰め寄りながら名前に聞く灰原。
『えっ、えっ、えっと』
明らかに動揺している名前。
灰「七海建人っていう名前」
『あっ、あわ、えっと・・・・・けんちゃん?』
灰原の勢いに飲まれ、変なことを口走ってしまった。
七海と名前は固まる。灰原は良いんじゃないか?と満足気にしている。