第24話
夢小説設定
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「ありがとう!素敵な写真が撮れたわ」
少し待っててねと言われ、女性が奥に行く。
その間受付近くのソファに座って出されたお茶を飲む。
『・・・』
悟「・・・」
静かにお茶を飲む名前を優しい眼差しで見つめる五条。
普段であれば名前がデレている時にはからかったりするのだが、今回はそれはしたくなかった。
急に素直に、愛を伝えてくれるのは嬉しかったが、何か思うところがあったのかもしれない。
「お待たせー。素敵な写真よ!」
現像して、良いショットを厳選してくれたのだろう。
10枚くらい持ってきて見せてくれた。
「この向き合って幸せそうな2人を店の前に飾ろうと思うんだけど良い?」
『ふふっ、こんなに笑ってたんだ私』
悟「だから言ったでしょ、可愛いって」
思ったよりも口角を上げていた自分に驚く。
店の前に飾ることを了承すると、それをもう1枚現像して持ってきてくれた。
「ご協力ありがとう。お店が繁盛しそうだわ」
『こちらこそ、素敵な機会をありがとうございました』
可愛い封筒に写真を入れてもらうと、大事に鞄にしまい、女性に挨拶をしてお店を出た。
悟「もうすぐ任務の時間だね、ちょうどこの商店街の奥らへんが依頼人との待ち合わせ場所」
『今回は依頼人が同席?』
悟「らしいよ、詳しくは依頼人から聞けって言われたから知らないけど」
どんな内容だろうかと不審に思いながら待ち合わせ場所に向かった。
すると
「わぁ、本物だ!」
「『?』」
「本物の五条悟と苗字名前だ!会いたかったんだよねー」
依頼人だと思われる男が五条と名前の手を取り嬉しそうに飛び跳ねている。
『えっと、今回の依頼人の方で間違いないですかね』
そう聞くと、肯定の言葉が返ってくる。
自分の所有する山で変なことばかり起きると。もしかしたら呪霊の類ではないかと依頼したと話す。
『・・・私達じゃなくても良かったんじゃない?』
「いや、お2人に会いた・・・いえ、お2人にしか任せられない呪霊だと思ったんです!!」
だからといって“窓”や近くの支部の人に調査もさせず自分たちが直接向かうのはどうなのかと五条を見る。
悟「時々あるんだよね。五条悟フリークからの依頼とか。
ちなみに名前にもそういう依頼来るときあるけど、全力で周りの大人が拒否してた」
『うわ』
自分のとこに来るのは、ただ自分を見たいだけ、ということが多く、近くの依頼をこなすついでにちゃちゃっと終わらせていると話す五条。
今回もそうしようと思っていたという。
『そんな依頼も来てたんだね』
悟「うん。じゃあ早速山に行こう」
依頼人の家の裏山に着くと、低級の呪霊の気配がする。
『いるにはいるんだね』
悟「弱っちい奴らだけどね。一瞬で終わらせるよ」
「俺も同行していいですか!?」
悟「どうする?僕の無下限か名前の玄武で守ろうか」
『私が守るから悟が祓って来ちゃって』
「うわぁ、ホントに目が灰色!かっけぇ!」
悟「・・・」
3人で呪霊の気配のする方に向かって歩く。
敵も弱そうなので“帳”も下ろさずかたを付けようという話になった。
3分で呪霊は祓い終わった。
「ありがとうございました!」
『ふぅ』
悟「任務はとりあえずこれで全部だね。後はのんびり楽しもう」
『任務より遊んでる時間が長い気がする』
いーのいーの、と笑いながら五条はタクシーを捕まえる。
これから、朝言っていた海に行くということだった。
『夕方の海か。楽しみ』
任務で海に行くことも時々あるが、ゆっくりしていられなかったり夜であることが多かった。
タクシーが停まり、下車すると目の前には海。
青、紫、オレンジの空。
悟「名前」
五条に呼ばれ、そちらを見ると手を差し出している。
手を出すとギュッと握られ、2人で並んで歩いた。
『楽しかったね』
悟「うん」
しばらく静かに歩く。
ただ、会話が続かないわけではなく、心地良い静けさ。
波の音と2人が歩く音だけが聞こえる。
『全部、大好き』
悟「ん?」
突然小さい声で呟いた名前に、五条は聞き返す。
『私、悟の全部が大好き。ずっとずっと一緒にいたい』
悟「いられるさ」
『また、来ようね』
悟「うん」
2つ横並びだった影が重なった。
つづく
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