第23話
夢小説設定
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のんびり話しながら歩いていると大きなビジネスホテルが見えた。ここに泊まるらしい。
もう予約済だったようで、フロントに行くとすんなりと鍵をもらって受付を終了した。
『あれ、鍵ひとつ』
悟「え?もちろん1部屋だよ、しかもダブルベッド付き」
いつも誰かと任務に行くときは1人ずつ部屋を取っていたから、とそのつもりでいたが、今回相手は恋人だった。
『・・・・・・・』
途端に緊張が走る名前。
恋人になってから今まで2人で寝たことがない。
というより、最後に一緒の布団で寝たのは小学1年生くらいだろう。
静かになった名前を見るとクスッと笑う五条。
悟「何か期待してる?」
『は!?』
顔を赤くする名前。
プイッと横を向きながら隣を歩く名前を見て笑いを堪える五条だった。
ガチャ
悟「はーい、今日の宿でーす」
バーン、と紹介するも、至って普通のビジネスホテルだ。
奥に鎮座するダブルベッド以外は。
『・・・うぅ』
悟「どんだけ意識してるの、もう可愛いなぁ。」
固まっている名前に声を掛け、頭をワシャワシャ撫でる五条。
対して名前は、立っていてもどうしようもないため、荷物を起き椅子に座る。
悟「先お風呂行ってきな?」
『・・・・・・』
五条の言葉に再び固まる。
同じ部屋ということはユニットバスも共用。
そして五条が寛いでいるベッドから近い。
悟「何?覗いてほしいの?」
『ちっ、違うっ!!悟のバカ!変態っ!!』
クックッと大人の余裕で笑っている五条をひと睨みすると着替えを持ってユニットバスの中に入っていった。
ザーーーーー
シャワーを浴びながら、隣には五条がいることを意識していた。なるべく早くシャワーを終えて五条がシャワーに行っている間に寝てしまおうと思う名前だった。
『(明日も任務あるんだから、早く寝ないと)』
シャワーを終え着替えると、髪を乾かし五条のいるベッドルームへ向かう。
『お先でした、次悟どうぞ』
悟「はーい」
五条も着替えを持って浴室に向かっていった。
ザーーーー
ベッドルームにいても聞こえるシャワーの音。
布団に潜り込んで寝ようとするが全然寝られない。
『(今日寝られるかな、私)』
気を紛らわせようと布団に包まり鼻歌を歌っていた。
しかし、シャワーの音が止まるとそちらに耳を傾けてしまう。少しして、浴室から出てくる音が聞こえた。
ペタペタとスリッパの音がベッドルームに近づいてくる。
悟「?」
『・・・・・』
ベッドの脇で五条の動きが止まった気配がし、息を止める。
悟「なにしてんの?」
寝ていないのはバレバレだったようでペロッと被っていた布団を捲られる。
『!!?』
ちらっと五条の方を見て驚愕した。
アイマスクもせず、上半身裸で首にタオルを掛けてこちらを見ていたのだ。
『ダメだってば!!!』
ぼふん!と再度布団をかぶる。
五条は確信犯だったのか、「アハハ、ごめんごめん」と平謝りしながらTシャツを着ていた。
そして、服を着たから出てきてほしいと名前にお願いする。
『ホントに服着た?これで嘘だったら嫌いになる』
悟「そんなとこで嘘つかないよ。僕、名前が本当に嫌がることはしないでしょ?」
名前は座って布団から顔だけ出して五条を見る。
悟「(可愛い)」
『ズルいの。悟は』
悟「?」
『格好良すぎるの、スタイル良すぎるの、色っぽいの!!』
名前は先程の五条の格好も含め、思ったことを大声で叫んでいた。
悟「・・・・・・・」
五条は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をするが、すぐに目を細めて名前を見る。
悟「名前だってズルいさ」
『え?んっ・・・』
布団の横から手を滑り込ませて名前の頬を包むと、唇を重ねた。
何度も角度を変えながらのキスに、名前は頭がくらくらしてくる。
『はぁっ・・・っ・・・』
息を荒くする名前を見ながら五条は話す。
五条の方を見ると、吸い込まれそうなくらい艶っぽい五条の目と目線が交差した。
悟「名前は可愛すぎ。今すぐ襲いたくなるくらい」
五条の言葉に心臓が跳ねる。
どうしたら、どう答えたら、何をしたら・・・。
『っ・・・・・・』
悟「でも怖いんでしょ?」
図星だった。
恋人になったら何をするか知らないわけではない。
しかし、怖かった。
名前は申し訳無さそうに小さく頷いた。
悟「なら待つよ。名前の心の準備ができるまで」
『ごめんなさい・・・でも、ホントに少しだけ、待ってほしい・・・』
五条は優しく笑うと、名前の頭をゆっくり撫でる。
悟「謝ることないさ、いつまでも待てるから。
さっきも言ったでしょ?名前が嫌がることはしないって。そんなことで名前に辛い思いさせたくない」
『うぅ・・・・』
悟「泣かないの」
ずっと不安だったのだ。
いつかその時が来る。その時に怖いまま、自分の思いを言えずに身体を重ねて後悔してしまうかもしれないと。
五条が自分の気持ちを理解してくれていたことへの喜びと安堵に涙が溢れてくる。
悟「でもさ、一緒の布団でギュッてしながら寝るのは良いでしょ?
さすがに離れるのはしんどい。」
『・・・・ん』
名前は布団から腕を出して五条に伸ばす。
意図を汲み取った五条は、フッと笑って名前の両脇に腕を差し込み、背中に腕を回して抱きしめた。
名前も五条の広い背中に腕を回す。
そしてそのまま2人でボフッと布団に寝転ぶ。
近距離で目が合うとふふっ、と照れたように笑う名前。
悟「待つって言ったけど、あんまり可愛いことして煽ると合意と捉えて襲うから」
『・・・気をつけます』
悟「じゃ、おやすみ」
『おやすみ』
2人は目を閉じた。
つづく