第21話
夢小説設定
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峰「痛くないから安心してね」
そう言って峰は名前の脚に手をかざす。
ポウ・・・
そしてみるみる傷口が小さくなり、やがて完全に傷が消えていた。
『(反転術式・・・)
え、傷が・・・無い。痛くない・・・』
峰が使用したのは反転術式だと気づいた名前。
しかし、その存在を知っていたら呪術師関係者であることがバレてしまう。
今は“神力”とやらを信じる振りをしておこうと思い、目を輝かせて脚と峰を見比べた。
狗巻もその思惑に気づいてくれたようで、凄い!と言うような視線を向けていた。
村人たちは「おぉー!」と歓声を上げていた。
峰「ふふっ、そんなに見つめないで。これが“神力”よ、貴方たちも持っていると思うわ」
結界で弾かれた時点で呪力があることは知られているだろう。下手に誤魔化さない、そして峰の懐に入り込めるような演技をした。
『こんなこと、できませんよ!峰さん凄いです!ね、お兄ちゃん!』
狗巻は何度も頷く。
峰「ありがとう。
ねぇ、君たち2人とも今日は家に泊まっていかない?」
しめた、と思った。
この村に一日でも居られるのは大きい。さらに釘崎と伏黒に連絡が付かなくなった原因の1つであろうこの峰の家に居られる。
願ったり叶ったりだ。
『え、良いんですか?』
峰「ご両親は心配しないかしら?」
峰の質問に、名前は俯き震えながら話す。
『きっと心配なんてしないです・・・お父さんもお母さんも、変なものが見える私たちと、喋れないお兄ちゃんにいつも怒ってたから』
峰は「可哀想に」と言って名前を抱き締める。
村人、峰への印象を良くしなければならない。
アドリブで可哀想な兄妹を演じ、同情を買うことに成功した。
“儀式”という名の反転術式での治療を終えると、村人は「これからも村をお守りください」などと峰に声をかけながら去っていった。
『(村人は信じちゃってるわけね、峰の呪力を“特別な力”だって)』
峰「さぁ、家を案内するわ。迷子にならないようについてきてちょうだいね」
峰は名前の手を引いて歩き出す。
傍についていた老人が峰の近くに寄り、コソッと話をする。
「大丈夫なのですか、峰姫様」
峰「ええ。この2人、可愛くて気に入ったわ。前の2人より純真無垢そうだし」
『!』
“前の2人”とはきっと釘崎と伏黒のことだろう。
2人はこのような演技は出来なさそうだと思う名前だった。
しかし、2人が無事なのか確認したいが下手に質問したら疑われてしまう。
どうしたものかと思いながら歩いていると、とある場所の前を通る。
そこは地下に続く階段のような場所だった。
何かあるのかと思って見ていると、峰がグイッと手を引いた。
峰「ここはね、古くなってるから行っちゃダメよ。神力の力でも守れないところだからね」
あからさまに名前たちが行かないように誤魔化している様子の峰に、名前と狗巻は顔を見合わせる。
峰「さて、今日はこの部屋を使って良いわよ」
地下へ続く道から少し歩いた場所に客間らしきものがあり、そこに通される。
『わぁ、キレイ!良いんですか!?こんな素敵なお部屋に泊めさせていただいちゃって』
峰「良いわよ、ご飯はここに運ばせるわ」
お礼を言った後、名前は峰に声をかけた。
峰はニコリと笑いながら返事をする。
『あの、私、“神力”のこともっと知りたくて。
峰さんの力が凄くてびっくりして!』
峰「ふふっ、落ち着いて。わかったわ、じゃあ20時くらいに迎えに行くから、私のお部屋でゆっくり話しましょ。
棘くんは?」
狗巻はふるふると首を横に降った。
名前が眠そうだから寝かせてあげたいと話すと峰は納得していた。
峰「じゃあ、また後でね。分からないことがあったら部屋にある電話を使って」
そう言って峰は部屋を出ていく。
しっかり外から鍵をかけて。