第21話
夢小説設定
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『え、野薔薇ちゃんと恵くんが帰ってこない?』
棘「明太子?」
高専内
2年生の教室で日下部が名前と狗巻を呼び出して話をしていた。
2日前に任務に出ていた釘崎と伏黒に連絡が付かなくなったということだった。
『補助監督は?』
日「同行した伊地知には連絡がついている。ただ、村に入れなくなったと言われていてな」
『村?』
○○県の山奥の村に、呪物があったと報告を受け、回収に向かったとのことだった。
棘「こんぶ、高菜」
『うん、回収だけじゃそんなことにならないよね。
村自体に何かあるか、呪物がヤバイやつだったか、かな』
一度青龍を飛ばして様子を見ようと思ったが、そんな時間も無いかもしれない。
日「村の近くで伊地知と合流、詳細はそこで聞いてくれ」
『はい』
棘「しゃけ」
教室を出て作戦会議をしながら外へ向かう。
村自体に何かある場合、似たような制服を着た名前たちは警戒されるもしくは拒絶される可能性が高い。
私服で観光、もしくは迷子を装って村に入るのが良いのではないかと。
伊地知にもその内容で連絡すると、それが良いと言われた。
『じゃあ私服に着替えて寮の前に集合ね。一応制服も持って行こう。私はネックレスも一応持ってくね』
棘「しゃけ!」
ビシッと敬礼をして自室へ走っていく狗巻。
名前は先に青龍を出して釘崎らがいるという村に向かって飛ばしておき、自分も私服に着替えるために歩き出した。
10分後
棘「ツナマヨ」
『よし、出発しようか』
私服に着替えた2人は、新幹線で移動することにした。
『・・・不本意だけど、中学生くらいの設定で行こうか』
棘「しゃけ」
中学生の兄妹が山菜を取りに山に入ったら迷子になってしまった。
怪我をしてしまったから少し休憩させてほしいと村人にお願いする、という流れにしようという話になった。
また、狗巻の呪言がきっと重宝するだろうからと、喉の薬を買い、温存することにもした。
しばらくすると、
『っ!?』
棘「すじこ?」
『青龍が村の前で弾かれた・・・。
もういいよ、帰っておいで』
村に“帳”のような結界が張られているのかもしれない。
釘崎らと連絡が取れないのもこの結界のせいなのだろう。
村の中の様子は分からなかったが、警戒が必要であることはわかった。
数時間後、村のある最寄り駅に着く。
『伊地知さん!』
駅には伊地知が待機していた。
『青龍を村に向かわせたんだけど、結界か何かがあって通れなかった』
伊「ええ。私もその結界に阻まれました。きっと入るには条件があるのでしょう。
一応ネックレスはつけた方が良いと思います。呪力を感知する誰か、もしくは何かが名前さんの膨大な呪力に気づいて入村を拒むかもしれません」
『うん、ありがとう』
名前は、2日間連絡が無かったら誰かにヘルプを頼むよう伝えた。
そして持っていたネックレスをつけ、とりあえず作戦通りに村に向かってみることにした。
『だいぶ山奥だね』
棘「こんぶ」
車も通れないような場所を進んでいく。
すると、一本の吊り橋があった。
『・・・これが村と繋がる唯一の橋とかだったらどうする?』
棘「・・・・おかか」
『ごめん、怖がらせて。もしもの時は玄武で橋の代わりにするから大丈夫』
2人で慎重に吊り橋を渡っていった。
無事渡り終えると、少し離れたところに建物が見える。例の村の家なのだろうか。
『あそこかな』
棘「しゃけ」
『じゃあ・・・』
ガリガリガリッ
『っ・・・・』
棘「ツナマヨ!?」
名前は、おもむろに近くにあった木の枝で脚に傷をつけ始める。
狗巻は大丈夫かと言うようにアワアワしている。
『大丈夫、ほら、このくらいした方が村に入れてもらえるかもしれないし』
いざという時でも動けるようにはしてるから大丈夫だと説得して、出血したまま歩き出した。