第2話
夢小説設定
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悟「・・・こいつの呪力量が減ったからか?呪力がその宝石に移動して溜まってる」
五条の六眼により、名前の呪力の流れが手に取るようにわかった。
宝石は呪力を制御するためのもの。
周りの空気が軽くなったのも、呪霊が寄って来なくなったのも、名前から溢れ出る呪力が減ったからだった。
呪霊がいなくなったため、手紙の続きを読んだ。
もうすぐ読み終わりそうな行数だ。
“最後に、私たちは、これから名前に最大で最悪の呪いをかけます。
それは名前だけでも生きてほしいと望むことです。
私たちは名前に「生きて」と伝えますが、きっと名前には辛いでしょう。
だから、名前が独りにならないよう、幸せに笑顔いっぱいで過ごせるよう、近くで見守っていただけると幸いです。
どうか、どうか私たちの愛しい娘をよろしくお願いいたします。”
『・・・・・』
名前は静かに涙を流していた。
悟「あー、お前、苗字名前っていうのか?」
小さく頷く名前。
悟「どうやら何でかわかんねぇが、俺・・・いや、俺の家系はお前の家族に指名されてお前を助けたらしい」
傑「せっかく名前わかったんだから呼んであげなよ」
茶々を入れる傑を睨む五条。
悟「で、俺はある人にお前・・・名前の保護を頼まれてる。きっと悪いようにはしない。
一緒に来てくれるな?」
『五条を信じるから・・・行きます・・・。母様の、みんなの、願いだから』
母は“呪い”と表現していたところを“願い”と変換する名前。
悟「強ぇな」
五条は名前の頭をワシワシと撫でて褒めた。
名前は少し照れくさそうにはにかんだ。
傑「最後に・・・辛いことを聞くようで申し訳ないけど、名前に禁術を使ったとき、誰の呪力をもらったの?」
名前にどれだけの呪力があるのか気になったのもあるが、名前の父、母、兄が呪霊に殺されず禁術を使えたのかが気になった。
『・・・父様、母様、兄様・・・あと、数人の村の人が、私の中にいます・・・』
ネックレスの宝石を触りながら、寂しそうに話す名前。
傑「教えてくれてありがとう。」
悟「後は帰りながらだな」
五条は、名前の手を引っ張り上げ立ち上がらせる。
名前はそんな五条を見て兄みたいだと思った。
『・・・ありがとうございます、五条』
悟「・・・・その五条って呼ぶのやめない?」
傑「はははっ」
『“五条”以外、聞いてませんでした』
悟「悟だよ、さ、と、る。ほら、言ってみな」
『さとる』
悟「悟様って言える?」
『・・・さとる』
悟「悟さん」
『さとる』
悟「だぁー!なんであんなに敬語で丁寧に話してんのにそこは頑固なんだよ!」
傑「まぁ、“様”って柄じゃないのは名前もわかっているんだろうな」
『お兄さんは?』
傑「ん?」
『お兄さんのお名前は、何ですか?』
悟「ぎゃはは!苗字も名前も覚えられてねぇの!」
傑「・・・傑だ、夏油傑」
『すぐるさん』
悟「なんでだよ」
五条や夏油と話をしていると落ち着いてきた名前。
補助監督のもとに向かうまでには少し笑顔も見られた。
帳を上げてもらい、夜蛾に連絡する五条。
夜蛾は、ネックレスは絶対に外すなと話し、高専に戻ってくるよう伝えた。
新幹線内、世間話を楽しんでいた。
悟「名前は何歳?」
『4歳です』
悟「にしちゃあ随分大人びた喋り方すんな」
五条は、名前が敬語で話していることが気になっていたようだ。
兄が父と母に敬語だったため、それを遊び半分で真似していたら癖になっていたということだった。
通路を挟んで反対側の席にいた夏油があることに気づく。
傑「そういえば、名前の眼って本当は何色なの?」
今、名前の瞳は黒だ。夏油は、先ほど灰色になっていたことを覚えていたようだ。
『あ、えーと・・・むやみやたらに言っちゃダメって・・・父様に言われてます』
父に厳しく自分の呪力については秘密にするように言い聞かせられてきた名前。
あたふたしていると、五条が先ほどの手紙を開いていた。
悟「ここに書いてあるってことは、俺らは知っても大丈夫なんじゃね?信頼の置ける人に託してんだろ?」
傑「ああ。呪力を分ける、とか四神の力とかってやつだね」
『五条、信じる・・・』
傑「(なんでそこだけ急にロボットみたいになる?)」
なぜか五条にだけは全てを打ち明けても良いと思えた。
自分の中の家族がそう言っているのだろうか。
『ホントは、黒なんです。
でも、四神?の、“玄武”って力が私にはあるみたいで、その力を使うと灰色になってしまうのです』
悟「へえ。四神ってあれだよな、朱雀、白虎、玄武、青龍・・・術式として現実に存在していたとはね」
他の三神は父母兄に宿っていたと話をする。
悟「その3つの神は名前の中に今いるのかい?」
『います。』
名前は自分の中に確実に四神が揃っていると確信していた。
ただ、呪力を抑えているうちは出せないだろうと。
『ふわぁあ・・・』
話していると、名前が欠伸をした。
悟「ガキはお昼寝の時間だな、寝とけ」
『ガキって言わないでください。口が悪いですよ、さとる』
悟「んのやろ・・・」
名前は指摘し、微笑んで眼を閉じた。
しっかりネックレスの宝石には手を添えながら。
五条も悪態をつきながらもなんだかんだ楽しそうだった。
『すー・・・すー・・・』
悟「(ガキのくせに顔整ってんな・・・。まつ毛長ぇ)」
傑「変なこと考えるなよ」
座席に座って眼を閉じている名前の寝顔を見ていると、夏油が茶化してきたため睨む五条だった。
第2話 終