第20話
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『(恵くんのフォローかな・・・)』
近くの建物からは伏黒と加茂の術式が見える。
そちらに行こうと走り出す。
ザッ
『今どういう状況?』
恵「名前さん!」
加「・・・三輪はやられたか」
『え、目ぇ開いてる』
加茂は自分の血を使った赤血操術で自分の能力を上げていた。
恵「名前さんはとりあえず待っててください!」
伏黒は自分なりに戦い方をクリエイトしているようだ。それを理解した名前は無理に手を出すとお互いに足を引っ張り合うとわかり、手を出さずにいた。
伏黒は最近調伏したという象の式神を出した。
象は大量の水を勢い良く噴射し、加茂を押し流す。
加茂が降り立った場所に伏黒も向かう。
加「私は、負けるわけにはいかないのだ!!」
加茂と伏黒がお互いに間合いを詰め、近接戦闘になると思われたその瞬間
ドォオッ!!!
加・恵「『!!!?』」
隣の建物から巨大な木の幹のようなものが地面から勢い良く生え始めた。
加「なんだこれは!!」
『この木、まさか!?』
恵「狗巻先輩!?」
幹が延びる先には、狗巻の姿が見えた。
狗巻もこちらに気づき、“逃げろ”と3人に向かって言う。
3人は狗巻の呪言のお陰で木から逃げることができた。
名前はこの木に見覚えがあったため躊躇わずに術式を使用した。
『くっ、四神招来!朱雀!!』
ブォオッ
急いで朱雀を出し、炎の壁を作り、木が延びてくるのを防いだ。
加「なっ!お前は術式を使うのは禁止だろう!?」
『そんなこと言ってる場合じゃない!!あれ特級!!死ぬよ!!?
っわあ!!!』
ネックレスを外し呪力を解放しようとした瞬間、後ろから2体の呪霊に腕を捕まれ勢い良く伏黒達から離される。
恵「名前さん!!」
『私は大丈夫!!悟に連絡!!』
既に声が届くかどうかの距離まで連れていかれる。
両手が塞がれているためネックレスを外すことができない。
『帳?』
しかも帳が下りてきている。
何が起きているのだ。混乱していても状況は変わらない。まずは自分を掴んでいる呪霊を祓うことに集中する。
木や建物を使ってジャンプを繰り返し、先ほどいた場所から遠く離れていた。
呪霊「この辺で良いか、天亥(テンガイ)?」
呪霊「ああ、指定通りだ、地亥(チガイ)」
話をしている呪霊をよく見る。
2メートルほどある筋骨粒々の、獣の頭蓋骨の呪霊だった。天亥と呼ばれた呪霊は青い毛、地亥と呼ばれた呪霊は茶色の毛を纏っていた。
『チッ・・・だいぶ離された』
天「じゃ、行くぞ」
地「死なない程度にな」
2体は名前を放すと、踵落としを食らわせる。
ドォオン!!
『かはっ・・・』
嫌な予感がしていたため、名前は前後に玄武のバリアを張っていたが、ネックレスがついたまま、さらに先ほどの炎の壁で呪力はほとんど無くなっていた。
名前は地面に叩きつけられた。
バリアはすぐに割れてしまい、意味をなしていなかった。
ドシッと近くに降り立つ2体の呪霊。
『ったぁ・・・』
額から血が出ている感覚がする。
ぶつけた時に切ったのだろうか。
天「特級の力はそんなものか?」
『そんなわけないじゃん。呪術師舐めすぎ』
名前がネックレスを外すと、上がる呪力量。
ふぅ、と息を吐き2体の呪霊を見据える。
『四神招来、白虎、朱雀』
足に呪力を溜め、炎の剣を作る。
天「出たな!」
地「行くぞ」
ドウッ
名前は一瞬で地亥の方へ行き、剣を首に向け振り下ろす。その瞬間地亥が地面に足を突き刺すと地亥は砂の塊となる。
砂を切っても何にもならない。そのまま振りきってしまおうと思った瞬間
ガチッ
『!』
突然サラサラだった砂が固まり、剣が固定される。
そこへ放たれる水滴の弾丸。
名前はすぐに炎の剣を消してから再構築し、水滴を炎で蒸発させていく。
『水に砂に・・・朱雀と相性最悪じゃん』
悪態をつきながらも、口元はニヤリと笑っている。
『ま、どうにかなるか。玄武』
朱雀と玄武を入れ換える。
それを見た天亥と地亥は、火力が下がったと笑う。
『朱雀に比べたら、だけどね。』
玄武の光を2体に向け放つ。
わざと軌道をずらし、顔の横スレスレを狙う。
天「クククッ、面白い」