第17話
夢小説設定
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ーーー
一ヶ月後 9月
記録:神奈川県川崎市、キネマシネマ
上映終了後、男子高校生3名の変死体を従業員が発見。
死因:頭部変形による脳圧上昇、呼吸麻痺
『あ、悠仁くんやっほー』
悠「名前先輩も一緒なんですね、今回の任務」
『うん。なんか悟が引率できないからって』
虎杖と名前は五条に呼び出されていた。
待ち合わせの場所に行くまでに合流したため世間話などを楽しみながら歩いていた。
待ち合わせ場所まで来ると
『七海さん』
七「どうも」
五条と、その後輩である七海建人がいた。
悟「お、悠仁も来たね。ごめんね今回引率できなくて。
でも安心して。信用できる後輩だから。
脱サラ呪術師の七海くんでーす!」
べーんと肩を組みながら七海を紹介する。
七海は冷静にその言い方はやめてほしいと話している。
悟「呪術師って変なヤツ多いけど、コイツは会社勤めてただけあってしっかりしてんだよね」
『変なヤツ筆頭は悟だけどね』
七「同感です。他の方もアナタには言われたくないでしょうね」
虎杖は、七海の経歴を不思議に思い、なぜ初めから呪術師にならなかったのか聞いた。
七「私が高専で学び、気づいたことは呪術師はクソということです」
『1個上の先輩もヤバかったしね』
悟「どういうこと?わからない」
七「そして一般企業で働き気づいたことは、労働はクソということです」
なんと反応したらいいかわからないという表情で七海を見る虎杖。
七海はそれに気づいているのかいないのか、同じクソならより適正のある方を、と呪術師に出戻ったと話す。
七「虎杖くん、私と五条さんが同じ考えとは思わないでください。私はこの人を信用しているし信頼している。
でも尊敬はしていません」
『だろうね』
悟「あ"ぁ"ん?」
七「上のやり口は嫌いですが、私はあくまで規定側です。
話が長くなりましたね。
要するに、私もアナタを術師として認めていない」
宿儺の器であることを七海は意識しているようだ。
規定を重んずる七海には宿儺という爆弾を抱えている悠仁を認めていないと。
『もうその辺にして現場行きましょ』
3人は事件の現場である映画館に向かった。
ーーー
七「見えますか?これが呪力の残穢です」
映画館に入り、廊下で七海は虎杖に聞いた。
悠「いや、全然見えない」
『ふふっ、悠仁くん今まで自分で呪力追ったこと無いもんね』
残穢とは?と言うように即答する虎杖に思わず笑う名前。
虎杖に丁寧に残穢の説明をしている七海を見て、なんだかんだ面倒見が良いと思っていた。
悠「おぉっ!見える見える」
七海の言うとおりに目を凝らすとボヤッと残穢が見えて喜ぶ虎杖。
しかし、七海に見る前に気配で悟って一人前だと言われ悔しそうにしていた。
七「褒めも貶しもしませんよ。事実に即し、己を律する、それが私です。
追いますよ」
悠「押忍!!気張ってこーぜ!!」
七「いえ、そこそこで済むのであればそこそこで」
『はは・・・』
ーーー
悠「監視カメラには何も映ってなかったんだよね?」
七「ええ、被害者以外は少年が1名のみです」
悠「じゃあ犯人は呪霊?」
七「まあ、そうですね」
3人は残穢を追って屋上まで向かった。念のため青龍を宿して他の場に敵がいないか名前が確認しながら。
『2体だね、どうする?』
屋上に着くと、四足歩行の呪霊とトカゲのような呪霊がいた。
七「名前さんは索敵に集中してて良いですよ。
コチラは私が片付けます。虎杖くんはそちらのもう1体を。」
七海は四足歩行の呪霊と向き合った。
七「勝てないと判断したら呼んでください」
悠「ちょっとナメすぎじゃない?」
虎杖の相手はどう見ても低級呪霊。
すぐに倒せるだろうと思ったようで七海に反発する。
七「ナメるナメないの話ではありません。私は大人で君は子ども。私には君を自分より優先する義務があります」
悠「ガキ扱いなら、ナメられた方が良かったよ」
七「君はいくつか死線を越えてきた。でもそれで大人になったわけじゃない。
枕元の抜け毛が増えていたり、お気に入りの惣菜パンがコンビニから姿を消したり。
そういう小さな絶望の積み重ねが、人を大人にするのです」
『相変わらず悟の1個下と思えない・・・』
話に満足すると七海と虎杖は呪霊と戦っていく。
七海が自分が戦っていた呪霊に止めをさそうとした時、あることに気づいた。
七「名前さん、呪霊が近くにいないのであれば補助監督をこちらに派遣してほしいと、高専に連絡を入れてください。
あと家入さんにこの呪霊解剖の依頼を」
『もう呪霊は近くにいないよ。
わかった、連絡してくる』
名前は七海に言われたとおり高専に連絡を入れる。
電話を終えたあと、名前は七海に問いかける。
虎杖も呪霊を行動不能にし、こちらに来た。
『どういうこと?七海さん』
七「私の相手を撮影しました。」
呪霊の写真を見せられ、虎杖と名前は目を見開いた。呪霊は写真に基本的に写らない。
しかも、腕時計までしている。
七「落ち着いて聞いてください。私たちが戦っていたのは、人間かもしれません」
「『!!』」
すぐに補助監督が到着し、呪霊を運んで高専に戻っていった。
名前たちは近くにある高専保有の会議スペースのあるオフィスに向かった。
暫く待つと家入から電話が来る。
硝《さっきの呪霊だけど、人間だよ。いや、元人間と言った方がいいかな》
映画館の事件の3人と同じで呪術で身体の形を無理矢理変えられているとのことだった。
『でも呪力があったよ?』
硝《それは犯人に聞くしかないな。呪力を使えるように改造することも可能かもしれん》
『ちなみに、死因は?』
家入は、身体を改造させられたことによるショック死だという。
名前が虎杖をチラッと見ると少し安心したような表情をしていた。
電話を終えると、虎杖は呟く。
悠「どっちもさ、俺にとっては同じ重さの他人の死だ。
それでもこれは、趣味が悪すぎだろ」
『うん、許せないね』
七「これはそこそこでは済みそうにない。
気張っていきましょう」
悠「応!!」