『私が引き付ける！だから２人は野薔薇ちゃん見つけて逃げて！！』





四の五の言っていられない。二神を出してすぐに決着をつけなければ１年生がみんな死ぬ。



いざというときのために玄武は常に出しておき、白虎を招来する。脚に呪力を乗せ、一気に呪力を飛ばしてきた呪霊との間合いを詰める。





『玄武っ！』




光の円を出し、刃のように鋭くする。



すぅうう・・・



ドガァア




また呪力を飛ばしてくる。玄武の円で呪力の塊をはね飛ばしそのまま光の刃で呪霊を切った。





『浅いか・・・』





呪霊も素早く後ろへ飛び退き、ほとんど身体に傷をつけることができなかった。






『は！？』




そして呪霊が切った部分から２つに分かれ、２体になった。しかし呪力は半分ずつになったわけではない。





『そういう生き物いたよね・・・ホント無理』





一気にケリをつけないとまた増えてしまうかもしれない。白虎のスピードで圧倒するか、朱雀の広範囲攻撃にするか・・・。




『白虎だね。倒してそのままみんなのところに向かおう』




ふぅ、と息を吐いて集中する。




ダッ！



ガッガガッ！！




勢い良く地面を蹴り、１体目の呪霊を蹴り飛ばし更にスピードを上げて走りもう１体も反対側から蹴る。




ドカッと呪霊同士がぶつかると、チャンスとばかりに光の刃を思い切り振り下ろした。



呪霊の首が飛び、呪霊はザフッと塵になって消えていく。









『思ったより苦戦しちゃった・・・




ぇ、まだ・・・！？』







まだ感じる特級同等の呪力。
まさか、呪胎から２体生まれていたのか。
気づくのが遅くなってしまったと急いで走り出す。




虎杖と伏黒が危ない、釘崎も助けに行かなければ。





虎杖たちと別れた場所へ向かう。



アオオーーーン！








『玉犬の声？



悠仁くん！』




その場には、先ほど戦ったものと見た目がそっくりな呪霊と虎杖がいた。









『違う、宿儺・・・』




しかし、虎杖の身体には模様が浮かび上がり、宿儺に入れ替わったことが伺えた。






宿「つくづく忌々しい小僧だ。


なんだ、まだいたのか、女」




『！？玄武っ！！』




宿儺は名前に向かい拳を振り上げる。咄嗟にバリアを目の前に張るが、力が強く



バリンッ




『っきゃああ！』




バリアは破られ、吹き飛ばされる。



しかし、幸いにもダメージは少ない。白虎の力も使い体勢を立て直し、玄武の光の刃を3枚宿儺に向けて飛ばす。




バチッ


ドオン！




全て簡単に宿儺に弾き飛ばされ、光の刃は壁に当たる。




『まだまだ！』




名前が手を動かすと、壁に当たった光の刃はブーメランのように戻ってきた。



刃が宿儺に当たるタイミングで名前の呪力で強化した蹴りを入れる。




ドガッ


ズガガ！！




宿儺は刃を手で止めたため他はがら空きだった。
脇腹に名前の脚が入り、飛んでいく。







しかし、宿儺は立っていた。





『はぁ・・・はぁ・・・』




この場には名前、宿儺、呪霊の三つ巴。
いや、宿儺と呪霊は手を組むだろうか？



３人で睨み合う。
よく見ると呪霊は宿儺の呪力に当てられガタガタ震えていた。




宿「ふむ、そこの女、なかなかやるな。特級を倒した後だろう？





そしてお前には用ができた。また会おう」




『また会おう？どういうこと・・・？』




そう言うと、宿儺は一瞬で呪霊を小間切れにした。
そして、呪霊の中にあった宿儺の指を引き抜いた。



『！！』




宿「終わったぞ！！不愉快だ！！代わるのならさっさと代われ！！







・・・小僧？」




虎杖は宿儺と入れ替われずにいるのか、宿儺は口を大きく開き、笑いだした。