第12話
夢小説設定
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数日後
復旧作業が進むが、いつも通り授業は行われていた。
名前は拘束の必要がなくなり、晴れて自由の身となっている。
今は1年5人と五条で任務から帰って来た所だ。
後ろを歩く乙骨、五条、名前はゆっくり話しながら歩いていた。
悟「今更だが、夏油の件、憂太にも名前にも非はない。2人がいなくてもアイツは必ず高専に来た」
それから、と言って乙骨に学生証を渡す。
憂「先生が拾ってくれてたんだ」
悟「いや、僕じゃない。
僕の親友だよ。たった1人のね」
『・・・』
真「おら憂太、名前!いつまで待たせんだ!!
行くぞ」
真希に急かされ、急ぐ憂太。
『あ、待ってよ!』
名前も走って追い付こうとした時
悟「名前」
『なに?』
ぐいっ
ちゅ
「「「「!!!!!!」」」」
『!?』
五条が名前の手を引き、唇を重ねた。
『な、な、ななな、』
唇を手で押さえ、顔を茹でダコのように赤くしている名前。
クラスメイトからは、野次や囃し立てる声が聞こえる。
悟「傷心中にこんなこと言いたくなかったんだけどさ。よく考えたら、今後どうなるか分からないじゃん?
手元に置いておきたいなって思ってさ」
真「はぁ!?何だその告り方!!これで断られたら犯罪者だからな!!」
パ「乙女心を踏みにじるなよ悟」
棘「おかか!!」
憂「ドン引きです」
『・・・・』
名前は目を見開き、固まっていた。
みんなに急に非難され、しょんぼりする振りをする五条。
悟「まぁ、そういうこと。どうかな?」
『・・・悟』
名前は両手を五条に向けて伸ばす。
五条は頭に「?」を浮かべながらも目線を合わせる。
・・・ちゅ
名前は目一杯背伸びをし、五条の頬を両手で包んで短くキスをした。
『今のが返事・・・これが私の気持ちだよ』
悟「!!!
もう可愛すぎ!!!堪えられない!!」
『わぁあ!』
ギューっと抱きしめる五条。力が強すぎ、名前は浮いている。
真「名前も大胆だな」
憂「そうだね」
棘「ツナマヨ」
パ「パンダの俺でもキュンとしたな」
しかし、五条がスッと名前を地面に下ろし、名前の顔を見るとギョッとした。
悟「・・・何泣き?」
名前は大粒の涙を流していた。
五条はしゃがんで名前と目を合わせ肩に手を置きながら聞く。
『だって・・・・だって・・・
私のこと、ただの生徒とか、妹みたいとか・・・
そんな風にしか見てないと思ってたから・・・』
もう気持ちを押し殺さなくていいという安心感と嬉しさに涙が止まらなくなっていた。
五条とクラスメイトは静かに名前の話を聞く。
『好きだったの、私も・・・。
でも悟からしたら子どもだし、周りに仲良い大人の女の人がいっぱいいるからそっちが好きなんだろうなって、我慢しようとしたの・・・
でも、でもぉ・・・』
我慢なんてできなかった。
“好き”という気持ちを自覚してから、五条のことが頭から離れなくなり、抑えきれなくなった。
すると、フワッと五条の大きな体に包まれる。
悟「だから最近僕を避けてたの?
ごめんね、余計なこと考えさせちゃって、我慢させて。
愛してるのは名前だけだよ」
「「「!!!!!」」」
先程の軽口のような言い方から一変、包帯を取り外し真剣な顔で名前を見る五条。
クラスメイトたちはこのまま居続けて良いものかと思っていたが、このタイミングで急にいなくなるのもと思い、気配を消しながら様子を伺っていた。
悟「誰にも渡したくない。傑にキスされたって聞いたときに頭がおかしくなるかと思った。」
『・・・・』
悟「名前、高専卒業したら結婚しよう」
『!』
さすがにそこまで言われるとは思っていなかった。
別に一般の大学に編入したかったとか呪術師として仕事に集中したかったとかいうわけではないが、突然過ぎて驚いてしまった。
『・・・・本当に私で良いの?』
悟「名前がいい」
『・・・卒業までちゃんと待っててくれる?』
悟「待つさ」
『私、悟とずっと一緒にいたい』
悟「うん。
・・・・・ということは?」
『結婚、する』
悟「ありがとう。決まりだね。
っていうわけだから。棘も憂太も一応真希とパンダも。名前に手ぇ出しちゃダメだからね!」
ボーっと2人の様子を見ていた4人が急に話を振られて思い思いに話し出した。
真希「お前こそ名前泣かせたら許さねぇからな」
棘「高菜こんぶ」
憂「えーっと、良かったね、名前ちゃん!」
パ「俺もなんか嬉しくなってきたぜ」
悟「そうと決まればみんなに釘刺すついでに自慢してこようっと!」
スキップしながらルンルンで1人で校舎に入っていく五条。
真希「・・・浮かれてんな」
パ「ま、昔からの恋が実ったからじゃねぇのか」
『あんまり大ごとにしないでほしいんだけどな』
憂「あんな嬉しそうな先生初めて見た」
棘「しゃけ」
親友、恩人を失った2人は互いに支え合いながら生きていくことを決めた。