第12話
夢小説設定
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『・・・え・・・』
「もう一度言う。苗字、お前の力が夏油傑に渡らないよう拘束させてもらいたい」
夏油が宣戦布告した翌日、名前は呪術界の上層部に呼ばれ、1人真っ暗な空間にいた。
五条にも、夜蛾にも見つからないよう朝早くに呼ばれたのだ。
『ちょっと、待って、ください・・・』
「時間がないのだ。それに12月24日のために事前にお前を奪いに来るとも考えられる」
「お前が夏油の手に渡れば百鬼夜行には必ず負ける」
混乱している名前を他所に主張し続ける上層部の老人たち。
「お前が拘束されてくれれば、守れる命が増える」
「呪術師の仲間の犠牲も減るだろう」
優しい名前の性格をよく知っているのか、名前が拘束されることのメリットを仲間や非術師の命のことを引き合いに出して説得される。
『いや、でも・・・』
「正直お前の呪力量は五条悟よりも多い。
いくら五条悟とはいえ、同じ特級呪術師だった夏油傑にお前の呪力が上乗せされたらどうなるか・・・」
五条の話を出されると、瞳が揺れる。
「守る」と言ってくれた最強を信じたいが、何かあってからでは遅い。
それに、自分を守るために力を出せなかったら・・・
少しでも、迷惑にならないように、自分のために五条の手を煩わせないようにするには・・・
『ぁ・・・』
「わかってくれるな?」
『・・・・・・はい・・・』
名前は目を伏せ、更に奥の真っ暗な空間に自らの足で入っていった。
これでいいのだと、自分に言い聞かせて。
ーーー
悟「!!?
名前の呪力が、感じられない?」
夜「?」
教員室にいた五条は、名前の呪力が感じられなくなったことにいち早く気づく。
悟「チッ!上の連中か、やられた。
学長、ちょっと行ってきます」
そう言うと一瞬で五条は去る。
向かうところは名前の呪力が消えた場所。
上層部がいる暗い空間へ急ぐ。
「五条悟か」
「いきなり何の用だ」
悟「お分かりでしょう?苗字名前の件ですよ。
名前はどこです?」
サングラス越しに睨み付けながら五条は老人たちに問う。
「苗字は自分の“希望”で、高専の奥深くに拘束されている。夏油に連れていかれたら甚大な被害が出ると」
悟「は?希望で?あなたたちの脅迫ではなく?」
「私らは苗字が夏油の手に渡ることの危険性を伝えたまでだ。それを聞いた苗字は自分で歩いて奥に向かっていったよ」
ギリ・・・と手を握る五条。
こいつらを殺してしまおうかと一瞬過るが、そんなことをしても変わらないと手の力を抜いた。
悟「わかりました。夏油を止めた後は必ず名前を解放すると約束してください」
「その時は考えよう」
五条は踵を返し、校舎の方に向かっていった。
悟「(名前、僕が守るって言ったでしょ・・・
何で勝手なことするの)」
強がって周りの人のために拘束されたのだと容易に想像できた。
独りを嫌がる名前。きっと怖がっているだろう、寂しがっているだろう。
必ず夏油を倒し、名前を自由にさせようと意気込んでいた。
そして、名前に伝えたいこともある。
最近どこか元気がなかった名前。
悩みがあるなら打ち明けて欲しい。頼って欲しい。
悟「(僕は・・・・名前、お前が・・・)」
教室に着くと、夜蛾と1年4人がバッと五条を見て詰め寄る。
夜蛾が少し話をしたようだった。
真「悟!名前は!?」
棘「高菜!」
憂「大丈夫なんですか?」
パ「呪力が消えたって聞いたぞ」
悟「まぁ待って待って!
とりあえず無事。だから落ち着いて座って」
どうどうと落ち着かせるような手振りをし、生徒を座らせる五条。
生徒たちが座ると、先程のことを説明した。
真「あのバカ」
棘「おかか」
パ「優しすぎて逆に心配かけてるよな」
憂「でも、なんとなくわかるかも」
だからみんなで名前を助けよう、と決意した。