第11話
夢小説設定
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ーーー
それからしばらく、名前は首元に絆創膏を貼る生活を続けていたが特に変わり無く過ごした。
しかし、変わり無いことがまた名前の不安を煽っていた。この痣は何なのか、自分に入り込んでいる呪霊は何なのかと。
そのまま時は過ぎ、冬になった。
五条と名前は、表面上はいつも通りの仲良しだったが、どこかぎくしゃくしているようにも思えた。
しかしお互いに何も聞かず、何も言わずそのままになっていた。
授業が終わり、1年生5人で帰っていた。
あれから帰りは毎日、五条にまっすぐ寮に行くのか五条家に帰るのか、敷地外に買い物に行くのかなどを報告している。
何も知らないクラスメイトたちは、ついに五条が束縛を始めたとワイワイ話していた。
憂「・・・」
パ「どーした憂太」
急に立ち止まり振り向く乙骨に、パンダが声をかける。
憂「なんかちょっとイヤな感じが・・・」
乙骨がそう呟くと、クラスメイトはみんな「気のせいだ」と乙骨を信じずにズンズン先に進む。
そんな1年生5人の様子を校内から見つめている学長の夜蛾と五条。
夜「未だ夏油の動向はつかめん、やはりオマエの杞憂じゃないのか?」
悟「学長、残念ながらそれはあり得ないです。」
五条は、直接現場を見て夏油の残穢を確認してきたから間違いないと話す。
悟「それに名前へのことも、僕を挑発するようなものです」
夜「痣の件か。
そういえば、最近お前たちなんか変じゃないか?距離ができたというか」
悟「学長もそう思います?名前が傑と会ってから・・・いや、その少し前から何か避けられてる気がして」
夜蛾は五条が何かして名前を怒らせてしまったのではないかと疑ったが、五条はそれを否定する。
夜「思春期、か」
悟「はい?」
そんな話をしているとピクッと何かに反応する夜蛾。
夜「噂をすればだ!!
校内の準一級以上の術師を正面ロータリーに集めろ!!」
その正面ロータリーには、大きなペリカンのような呪霊が下り立ち、そこから1人の男が出てきた。
真「関係者・・・じゃねぇよな」
薙刀を出す真希。
パ「見ない呪いだしな」
首をコキッと鳴らすパンダ。
棘「すじこ」
口元のマフラーを下げる狗巻。
憂「わー、でっかい鳥」
ボケーっとする乙骨。
そして一番前を歩いていた名前は
『・・・・・』
首を押さえて震えていた。
傑「変わらないねここは」
ペリカンの呪霊からは数人の男女が出てくる。
1人は髪色も雰囲気も明るい女子高生、黒髪の大人しそうな女子高生、ゴツい半裸のおネエのような人。
ジリ、と後退りしている名前の様子に気づいた真希たちは、名前の前に出て視界から遮るようにし男に威圧し始めた。
パ「侵入者は憂太さんが許さんぞ」
棘「こんぶ!!」
真「憂太さんに殴られる前にさっさと帰んな!!」
憂「ええ!!?」
ギュ
傑「初めまして乙骨くん。私は夏油傑」
話をしていると突然間合いを詰め、乙骨の手を取り挨拶する男、夏油傑。
傑「君はとても素晴らしい力を持っているね。私はね、大いなる力は大いなる目的のために使うべきだと考える」
夏油は、乙骨の肩を抱きながら自分の思想をペラペラ話し、手伝って欲しいと話す。
憂「?何を、ですか?」
傑「非術師を皆殺しにして、呪術師だけの世界を作るんだ」
それを聞いた乙骨たちは絶句する。
その時、
悟「僕の生徒にイカれた思想を吹き込まないでもらおうか」
『悟・・・』
五条、夜蛾を始め、数人の呪術師が夏油を囲った。
夏油はそんなことなど気にしていないかのように楽しげに五条に話しかける。
悟「まずその子達から離れろ、傑」
傑「今年の1年は粒揃いと聞いたが、成程、君の受け持ちか。
名前、
特級被呪者、
突然変異呪骸、
呪言師の末裔、
そして禪院家のおちこぼれ」
『!!』
真「テメェ」
傑「発言には気を付けろ。君のような猿は私の世界にはいらないんだから」
それを聞き、パンダの後ろに隠されていた名前が前に出る。
『それ以上私の友だちを侮辱しないで、傑さん』
傑「やっと顔を出してくれたか名前!」
真希に向けていた冷ややかな顔から一転、ニコリと微笑んで名前に声をかける。
傑「友だち?禪院家が?
名前の一族の襲撃に関わっているかもしれないのにかい?」
真「!!!」
真希は名前のことをこの男が知っているということに驚いていた。
『真希は関係ない』
バシッ
名前が言うと同時に、乙骨も夏油の手を振り払う。