第10話
夢小説設定
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「久しいね、名前」
『・・・傑、さん』
名前はアーケードの鉄骨の上に座っている長髪に袈裟の男の近くに来た。
男は、昔五条とともに名前を救った夏油傑だった。
高専3年生の時に呪詛師となり、呪術師に追われる身となっていた。
傑「しばらく見ないうちに美人になったね。
身長は・・・まぁ、何も言わないよ」
その時、狗巻と乙骨がいた場所から激しい物音が聞こえ、見ると新たな呪いが襲いかかっていた。
『傑さんの・・・呪霊、操術?』
傑「正解」
『何で・・・何を・・・』
混乱している名前をじっと見る夏油。
傑「噂の里香ちゃんを見に来たんだ」
底無しの呪力を持った乙骨、そしてその呪力の基となっている怨霊折本里香を見に来たという。
『・・・何のため?』
傑「手に入れるため、って言ったら?」
『させない・・・っ!?』
朱雀を呼ぼうとするが手首を捕まれ夏油の方に引き寄せられる。そして口元には夏油の手。
傑「・・・本当に名前にできるかい?」
揺れる瞳。
夏油は名前が自分を攻撃することなどできないとわかっていた。
傑「ククッ、優しいもんな名前は。
優しくて美しい、そして強い。なんて理想の女性になったんだ!私と一緒に来ないかい?
そして私と身も心も一緒になろうじゃないか」
『・・・いや』
傑「何でだい?悟が好きなのか?」
『・・・・・』
何故答えなかったのだろうか。
押し殺した感情のはず。
夏油を攻撃できない自分にも、五条を好きではないと言えない自分にも腹が立っていた。
傑「じゃあいいじゃないか、私も名前を幸せにできる自信があるよ」
名前が離れた後に夏油が乙骨に向けて放った呪霊を乙骨と狗巻が祓ったのを感じた。
傑「もう祓われてしまったか。里香ちゃんは見れなかったな。
まぁ、大きくなった名前を見られたから良しとしようじゃないか」
『憂太くん・・・ん!?』
無事でよかった、と乙骨たちの方に目を向け油断してしまった。
突然顎を捕まれ唇を奪われる。
『んん!』
逃げようにも顎をしっかり捕まれて顔を動かせなかった。
チリ・・・
少しして、夏油が名前から唇を離し、固まっている名前に声をかけた。
傑「こちらに来る件、真剣に考えてくれないかい?
じゃあ、宣戦布告もしたし、また会いに行くよ」
そう言って名前を離し、帳を上げて夏油は消えた。
放心している名前。
棘「明太子!」
憂「名前ちゃん!よかった、見つけた。
もう終わったよ帰ろう」
狗巻と乙骨は、固まっている名前を不思議に思いながらも連れて車に戻った。
車の近くには伊地知が冷や汗をかきながら待機しており、3人が戻ると大丈夫だったかと心配していた。
その間も、高専に戻る車内も名前は上の空だった。