第10話
夢小説設定
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悟「よし、じゃあ今日の鍛練はー・・・」
『・・・・』
悟「ーーー・・・・・ーーーで、・・・ーーー」
『・・・・』
悟「名前、聞いてるー?」
『へ?あ、ごめん、聞いてなかった』
悟「正直で宜しいけど聞いてくれなきゃ泣いちゃうぞ」
名前は五条を直視できずにいた。
昨日、五条を異性として意識してしまったが最後、ドキドキして止まないのだ。
笑いかけてくる仕草も、名前を呼ぶ声も。
全てに心拍数が上がってしまう。
もしかして、これが“好き”ということなのだろうか。
『(私は悟が好き・・・?)』
そう思うとこの胸のドキドキも納得できる。
コッ
『あだっ』
頭への衝撃で現実に引き戻された。
目の前には竹刀を持った真希がいた。
真希「今日はどうした?具合悪いのか?」
周りを見ると、みんな心配そうな顔をして名前を見ている。
一名を除いては。
五条はなぜかニヤニヤしている。
『(またバカにしてる・・・やっぱり悟は私のことただの生徒、妹みたいな居候としか見てないんだろうな)』
自分は15歳、五条は27歳。
クラスメートにも話した通り、年齢差がある。
五条から見れば自分はガキんちょだ。
それに五条の周りにはたくさんの女性がいる。その中の誰かを好きという線が濃厚だろうと自分に言い聞かせて気持ちを落ち着かせた。
『(硝子さんとか、歌姫さんとかの方が・・・)』
ゴッ
『あぅっ!?』
また頭に衝撃が走る。
真希「だーかーら!具合悪いのかって聞いてんだよ」
棘「おかかっ」
パ「おい真希!本当に体調が悪かったらどうすんだよ」
3人はいつもと様子が違う名前に困惑していたようだった。
大丈夫と声をかけ、鍛錬に戻る。
『(いつも通り、いつも通り・・・)』
いつも通りと頭の中で繰り返し、何とか今日を乗りきった。
放課時間
真希「じゃあな」
棘「しゃけ明太子」
パ「お疲れー」
『ばいばい』
4人は分かれ、それぞれ寮に戻ったり高専外に買い物に行ったりしていた。
名前は寮に戻ることに。
『ただいまー』
返事はないがいつも行きと帰りの挨拶はしていた。
部屋に入るとすぐ、母の形見である手紙を引き出しから取り出してベッドに転がった。
手紙を読み返しながらも、頭の中には五条が離れずにいる。
『母様・・・五条を信じて一緒に過ごしたら、好きになっちゃった・・・どうしたら良いの?』
恋愛ドラマや小説などでは甘酸っぱい恋模様を見てきた。しかしいざ自分のことになると困惑しかない。
相談できる相手もいなかった。
『悟・・・』
名前は手紙を胸に抱え、目を閉じた。
目に浮かぶのは、五条と、その周りで楽しそうに話す硝子、歌姫、冥冥。
自分はそれを離れたところから見ていた。
『やっぱり、私には無理だ・・・』
苦しいけど、この気持ちは押し殺そう。
気持ちを押し殺すのは得意だ。今までだってやってきたじゃないか。
悲しい、寂しい。
それに恋心が足されるだけだ。
簡単。
必死に気持ちを閉じ込め、名前はいつも通りの生活を送っていた。