第9話
夢小説設定
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授業も終わり、放課時間になる。
真「名前!私たち何かジュース買ってくるけど一緒に行くか?」
3人はジュースを買って一息ついてから帰るようだ。
『うん!行く!』
名前もついていこうとすると、後ろから声がかかる。
悟「名前」
『なに?』
3人に少し待ってもらうよう伝えてから五条の方へ向かう。
悟「今日、一緒に五条家帰ろう」
五条に椿から名前に会いたいという連絡が何回も来ていた。
訓練も落ち着いたから帰ろうと誘ってみたのだ。
『そうだね、1ヶ月以上帰ってないから、帰りたいかも。いろいろあったし。
あ、でも私一人でも大丈夫だよ?』
悟「ん?いーの。僕も帰りたいって思ってたから」
『わかった、じゃあみんなとジュース飲んだら悟のとこ行くね』
五条に手を振り、待っているみんなのところへ走る。
『ごめんごめん・・・なに?』
ニヤニヤしているクラスメイトを見て、訝しげな顔をする名前。
名前が合流するとニヤニヤしたまま歩き始める3人。
真「いや、やっぱ身長差エグいなぁって。」
パ「お似合いだなぁって」
棘「しゃけ」
『身長差はしょうがないじゃん!悟がでっかいだけ!』
五条は約190cm、名前は約140cm。
その差は50cm位あった。いつも名前と近くで話すときには五条は少し屈んでくれている。
真「私とも30cm定規一本分くらい違うしな」
『定規半分へし折って私にちょうだい』
真「何言ってんだ?」
棘「おかか」
狗巻が真希に、名前をフォローするように話しかけた。
『棘くん、君は唯一の同志だよー』
狗巻も身長が高いという訳ではない。2人で肩を組んで真希(と一応パンダ)に同盟を組んだアピールをしていた。
パ「お似合いの方は?」
聞こえていない振りをしていた質問が再度投げ掛けられると、名前はなるべく冷静に答えた。
『そんなんじゃないよ悟は。だって年齢差凄いじゃん』
真「バカだけど顔は良いだろ」
『顔は、良い、けど・・・』
棘「こんぶ?」
『まぁ性格も、嫌いじゃ、ないけど・・・』
パ「顔と性格はOK、しがらみは年齢だけ・・・と」
『違う違う、何メモってるの!悟のことそういう目で見たこと無いもん!悟だってきっと・・・』
悟「おーい名前、まだ?迎えの車来たよー」
そこへ五条がやってきてビクッと肩を震わす。
『じゃ、みんな!また明日ね、ばいばい!』
逃げるように走って帰る名前。
迎えに来た五条も置いていかれた。
パ「悟」
悟「何?恋バナ?青春だねー」
生徒3人はどうせ聞き耳を立てていたであろう五条を次の標的にした。
真「で、どうなんだ、実際」
パ「名前のことどう思ってんだ?」
棘「ツナマヨ」
悟「んー、内緒♪」
そう言うと一瞬でその場から立ち去る五条だった。
五条家の屋敷に着くと、真っ先に椿が出迎えた。
椿「名前様!お風邪など引いていませんか!?」
相変わらず過保護な椿に笑ってしまう。
元気だよと伝えると安心していたようだった。
椿「少し身長伸びました?」
『ホント!?』
椿「それにまた一段と可愛らしくなりましたね!」
『ホント!!?』
周りにほわほわと花が浮かぶような2人の雰囲気に微笑み、五条は屋敷の中に向かっていった。
椿「あ、悟様!」
さすがに現当主についていかないのも、と思い五条のもとへ向かおうとする。
悟「いーよ、ゆっくり2人で話しなー!」
遠くから五条の声が聞こえた。
せっかく椿が会いたいと言ったのだからと。
椿「ありがとうございます!」
2人で昔客室だった名前の部屋に向かう。
高専入学まで使っていた部屋はそのままになっていた。
椿「剣様がそのままでいいだろうって、実家のようになってほしいからと仰っていました。」
優しい五条父に嬉しくなる。挨拶しに行かなければ。
椿「名前様、お友だちはできました?」
『うん、強い姉御みたいな女の子と、小さいもの同盟結んだ男の子と、パンダ』
椿「(パンダ?)」
話をしていると、五条父と悟がいるであろう部屋の前に着いた。
椿「失礼します」
『失礼します』
中に入ると五条父が笑顔で迎えてくれた。
五条父「元気そうで良かった!また可愛らしくなったか?」
悟「みんなして名前を甘やかして・・・」
椿も五条父も、名前のことになると途端にデレデレしており、悟は溜め息をついていた。
悟が当主となっても、変わらず名前の席は悟の隣だった。
並んでいる2人を見て五条父は「ふむ・・・」と考え込む。
悟「なに?」
五条父「いや、跡継ぎのことも考える時期になってくるな、と。
どうだ名前、あと数年先にはなるが悟と結婚するというのは」
悟「『!!?』」
2人は突然の話に言葉を無くした。
椿も驚いてはいたが目を輝かせていた。
『(何で今日はそんな話ばっかり?)
あ、えっと、悟は、恩人だし、師匠だし先生だし・・・そんなこと考えてなかったから、まだ・・・』
若干顔を赤くしながらドギマギして話す名前をチラッと悟は見ていた。
悟「じゃあ可能性はあるってこと?」
『は、はぁ!?悟まで何言ってんの!』
クスクス笑う悟に、名前はバカにされた、からかわれたと頬を膨らませていた。
『(でも、そんな話ばっかりされたら・・・意識しちゃうじゃん)』
穏やかに夜は更けていった。