第9話
夢小説設定
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「やはり禁術を使っていたか」
「では、苗字一族で遺体が無かった者は皆苗字名前に取り込まれたと考えるべきか」
呪術高専内、呪術界の上層部が集まる場所では五条を囲み意見が飛び交っていた。
「禁術と四神の件、お前は知っていたのか?」
話を振られるも、五条は飄々とした態度で答える。
悟「ええ。
ある筋から全て聞いています。」
手紙だと言うと、名前が大切に保管している手紙を回収されてしまうかもしれないと思い、“ある筋”とだけ言っておいた。
悟「ちなみに、苗字家襲撃には禪院家と加茂家も絡んでいるかもしれない、ってことも聞いてます。
今回の件もあなたたち上層部が関わってるんじゃないですか?」
五条は、名前とついでに真希を消すために今回の任務に行かせたのではないかと勘ぐっていた。
タイミングよく五条に他の任務を命じ、その隙に一級程の力のある呪霊を放った。
名前1人でならなんとかなるかもしれないが、真希を連れていって守りながらなど不可能に近い。
「・・・四神が全て苗字名前の中にあるとなれば、力が暴走すれば甚大な被害が出るかもしれん。」
「それに呪力譲渡の力だってある。呪詛師と組んで譲渡させたら・・・」
悟「私の話は無視ですか」
自分たちの話から、名前の話に戻す上層部たちに溜め息をつく五条。
「まだ苗字名前は自分の力を制御できていないのだろう?
被害が及ぶ前にどうにかしなければならない。」
悟「その時は私が命懸けで止めますよ。
先ほどの話にもありましたが、苗字には呪力を譲渡する力もあります。
幸い私は他の御三家と違って名前に“信頼”されているので、暴走しそうになったら私に呪力を渡してもらうこともできるでしょう」
嫌みたらしく、“信頼”という言葉を強く主張する五条。
「秘匿死刑はどうだ?」
「いや、苗字の中に何人いるかわからない状況でそんなことをしたら、我々が苗字家に呪われてしまうかもしれん」
悟「(結局は保身ね・・・)
ではこのまま名前は高専と五条家が預かります。いいですね」
「・・・良いだろう。ならばーーーーーー」
上層部が最後に言った言葉に目を見開くが、承諾した。
ーーー
結界で囲まれた空間に名前は拘束されていた。
お札が貼ってある縄で腕を結ばれ、呪力を練ることができなかった。
しかし、それが今の名前には安心材料だった。
呪力が回復してきたら、また制御できないかもしれないと思っていたからだ。
悟「名前、元気?」
『・・・悟』
1人だった空間に五条が入ってきたことで、不安だった心が少し軽くなった。
『ふふ、元気は元気』
悟「ここから出られることになったよ。
今、伊地知が廃墟に行ってネックレスの宝石を探してくれてる。あの宝石があれば呪力はコントロールできるもんね」
呪力を抑えないまま外に出たら、再び苦しくなるかもしれない。そうならないために、宝石は必要だった。
それと・・・と五条は続けた。
悟「名前、特級呪術師になったから」
『は?え?』
生かす代わりに“術式情報”を全て開示させ、特級呪術師として扱うと言われたのだ。
悟「上層部の命令でね。
でもちゃんと呪力をコントロールできれば、僕にも並ぶと思うよ」
『そう、かな・・・』
四神の術式情報について知っていることを伝えた。
禁術を使って術式が身体に入ったときに、技の出し方やイメージがある程度湧いて来ていたと。
朱雀は炎の力があり、多分街1つは簡単に焼け野原にできるだろう。
白虎は身体強化で主に使う。ただ呪力を手足に込めるよりも数倍強化できる。
青龍は自分の五感を強化したり、龍を具現化して索敵したりできる。
玄武は守り。バリアを張るのが主だが、そのバリアの性質を利用し斬撃に転換できる。
この四神は2つ同時に出せること、1つに絞るとより洗練された技が出せると話した。
そして呪力を譲渡する技・・・これは術式かわからないが。手の平を合わせ、名前が意識的に呪力を相手に流すことで分けられる。
悟「やっぱり1人で何役でもできるの凄いね。
上層部に伝えさせてもらうね。」
『うん』
悟「ま!僕と同じ特級になったわけだから、一旦喜ぼうよ」
昔、高専に来て初めて五条と夏油の稽古を見たときに、憧れの感情を持ったことは確かだ。
2人のようになりたいと。
しかし、なり方は選びたかった。
こんな形で特級に認定されるなんて、本当に“危険人物”扱いではないか。
名前が不安そうにしているのに気づいた五条は優しく声をかける。
悟「僕も一緒に呪力のコントロールができるよう手伝うからさ。頑張ろ」
五条がそう言うと不思議と“大丈夫”という気持ちが湧いてくる。
『うん。』
悟「じゃあ、もう少しの辛抱だから。
もう少しここで待っててくれる?」
『うん、待ってる』
また五条が来てくれる、そう思うだけで1人の空間も苦ではなくなった。