第8話
夢小説設定
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名前はネックレスに手を掛ける。
『父様、母様、兄様、みんな・・・お願い、助けて』
そしてネックレスについていた宝石をブチッと取って放り投げた。
その瞬間名前の身体から力が溢れ出してくる。バリアのヒビは既に修復されていた。
しかし強い呪力に当てられたのか、真希は更に苦しそうに唸った。
それを見て、名前はバリアの中に真希だけ残し、自分は外に出た。
『四神招来、玄武、朱雀!』
名前の眼は右が灰色、左が赤のオッドアイになっていた。
呪力を解放したことで2つの神獣を同時に扱えるようになった。
これで真希を守りながら戦える。
バリアが継続されていることを確認すると、呪霊の視線が自分に向くようにした。
朱雀の力を手に込め、炎の刀を作り上げる。
刀の扱いは上手くないが、呪力でカバーすればいい。
ゴォオオッ
呪力を多量に放出しながら炎の刀を横に薙ぐと、周り一面が炎で包まれた。
ザフッ
一瞬で名前の周りを囲んでいた呪霊が消えていた。
『よし、できた・・・』
安心したのも束の間。ガクッと膝をつく名前。
『はぁっ・・・はあっ・・・ヤバ、いかも』
いきなり強い力を使ったため、自分の呪力が抑えられなくなった。
炎の刀をしまっても変わらない。
身体中から呪力が溢れて止まらない。建物内のガラスはガタガタ震え、割れ始めていた。
先程投げた宝石は炎とともにどこかへ飛んでいってしまったためコントロールするための物もない。
『真希、は・・・』
辛うじて玄武はまだ発動していた。
自分の呪力で崩壊した物で傷つくことはないだろう。
苦しさに息ができない。
四つ這いになりできる限りの呼吸をする。
今の状況で意識を失ってしまうわけにいかない。
玄武が解かれたら、真希は、呪力は、自分は。
『苦し・・・悟・・・悟っ・・・・』
悟「呼んだ?」
目の前から聞こえる求めた人物の声。
五条はしゃがんで目線を合わせながら優しく声をかける。
悟「遅くなってごめんね、ほら、手」
五条は名前が浅い息を繰り返し、震えながら手を出したのを確認すると、手を絡めとるように掴む。
悟「僕に呪力ちょうだい。
名前が楽になるまで全部もらうから、ね」
『ごめ、さとる・・・』
名前は、五条と繋いでいる手を通して呪力を与えていく。
悟「っ・・・(やっぱり呪力多いねー)」
少しして、やっと名前の息が整ってくる。
『はあ・・・・ふぅ・・・もう、大丈夫、かも』
悟「おっけー。よく頑張ったね」
小さい頃のように頭を撫でられる。
安心した名前はフッと身体の力が抜け、気を失った。
悟「・・・・やっぱり上は気にくわないね」
五条は帳を上げ、真希と名前を連れて帰った。
きっと上層部はこれを今まで狙っていたのだ。
呪力が暴走するか、自分で解放する時を。
ずっと疑われ、狙われ続けていた。
きっと今回の出来事はすぐに上層部に知れ渡るだろう。
悟「絶対に殺させないから」
強く心に誓う五条だった。